Ubuntuを入れてみよう

UbuntuはLinuxの中で世界で最もよく使われているディストリビューションのひとつです。無料でダウンロードでき、見た目はWindowsやMacに近く、初めてのLinuxとして選ばれることが多いOSです。この記事では、自分のPCを壊さずにUbuntuを試す3つの方法を、中高生向けに整理して解説します。

そもそもUbuntuとは?

Ubuntuは、イギリスのCanonical社が中心になって開発しているLinuxディストリビューションです。2004年に最初のバージョンが公開され、現在は約半年に1回のペースで新しいバージョンが出ています。「LTS(Long Term Support)」と呼ばれる長期サポート版は5年間アップデートが提供され、世界中の企業のサーバーや開発者のPCで使われています。

Linuxという言葉自体はOSの中心部分(カーネル)の名前で、それを使いやすくまとめた完成品のひとつがUbuntuだと考えてください。日本語にも対応していて、インストール時に日本語を選べばメニューや設定もすべて日本語になります。

Ubuntuを試す3つの方法

Ubuntuを試す3つの方法(中高生・初挑戦者向け) 最初はUSB起動が最も安全。慣れたら仮想マシン、本格運用したい時にデュアルブート 準備時間 壊すリスク 推奨RAM ① USB起動(Live USB)⭐ 最初の挑戦に最適 8GBのUSBメモリにISOを書き込み、そこから起動 15分 ほぼゼロ 4GB ② 仮想マシン(VirtualBox / VMware) Windowsの中で「もう1台のPC」としてUbuntu起動 30分 ゼロ 8GB以上 ③ デュアルブート(Win+Ubuntu併存) パーティションを切ってUbuntuを正式インストール・起動時に選択 2〜3時間 ⚠ Win消失リスク 4GB+空20GB ⭐ 中高生の最初の1歩はUSB起動が圧倒的に安全。Windowsを触らず、抜けば元通り
図1:USB起動が最初の選択肢。15分で試せて、失敗してもPCに何も残らない

① USBメモリから起動(一番おすすめ):8GB以上のUSBメモリにUbuntuを書き込み、そこから起動する方法です。PCのハードディスクには一切手を加えないので失敗しても安全。「Live USB」と呼ばれます。

② デュアルブート:1台のPCにWindowsとUbuntuの両方をインストールし、起動時に選ぶ方法です。Ubuntuの動作は速いですが、Windowsのデータを誤って消すリスクがあるので、慣れてから挑戦しましょう。

③ 仮想マシン:VirtualBoxやVMware Workstation Player(無料)を使い、Windowsの中で「もう一台のPC」としてUbuntuを動かす方法です。安全ですが、メモリを多く消費します。8GB以上のRAMを推奨します。

初めてなら、Live USBか仮想マシンから始めるのが安全です。いきなりメインPCの中身を書き換えると、学校の課題や写真を失うリスクがあります。作業前には必ずバックアップを取り、家族と共有しているPCなら勝手に設定を変えないようにしましょう。

何に使われている?

Ubuntuは個人の趣味用だけでなく、世界中の現場で実務に使われています。Webサイトの裏側で動くサーバー、AI開発の研究室、組み込み機器(ロボット・電光掲示板)、Raspberry Piなどの教育用ボード、そして大学の情報科学の授業まで、登場する場面は幅広いOSです。GoogleやNetflix、Amazonなどの大企業も、自社のサービスを動かすサーバーOSとしてUbuntuやその派生版を採用しています。

中高生におすすめの使い方

Ubuntuに最初から入っている開発ツール(追加インストール不要) Windowsだとそれぞれ別途インストールが必要。Ubuntuなら起動直後から使える Python 3 バージョン管理ツールも標準 Git GitHubでコード管理 GCC(C/C++コンパイラ) 学校の情報I・II対策にも Bash・Shellスクリプト 自動化に必須 Firefox・Thunderbird ブラウザとメーラー LibreOffice Word/Excel/PPT互換 古いPCでもUbuntu Liteなら現役機に戻る 10年前のCore i3(4GB RAM):Win 11は要件不適合 → Ubuntu LXQt版なら快適動作 RAM消費800MB(Win 11は約3GB)。Webブラウジング・Office・学習プログラミング全部OK → 「家で使わなくなった古いノートPC」をUbuntuで蘇らせるのは、中高生の定番活用法 処分予定だったPCを学習用に再利用。コマンド練習・Pythonの勉強・自宅サーバーに使える
図2:Ubuntu標準搭載の開発ツール一覧。古いPCに入れて学習用にすると、捨てる前に5年延命できる

Ubuntuには最初から開発者向けツールが揃っています。Pythonは標準でインストール済み、Webブラウザ・オフィスソフト・画像編集ソフトも無料で使えます。Windowsに比べてメモリ消費が少ないので、5〜10年前の古いノートPCでも軽快に動くケースが多いのも特徴です。「家で使わなくなったPC」をUbuntuで蘇らせて学習用にするのは、定番の活用方法です。

インストール後は、まず日本語入力、Wi-Fi、ブラウザ、ソフトウェア更新を確認します。次にターミナルで sudo apt updatepython3 --versiongit --version を試すと、開発環境として使えるか分かります。見た目のカスタマイズは後回しで構いません。

気をつけたい落とし穴

Ubuntuを試すときに注意すること
  • デュアルブート設定中にWindowsのパーティションを誤って削除すると、データが全消去されます。最初は必ずUSB起動か仮想マシンで試すこと
  • BIOSやUEFIの設定変更は機種ごとに異なります。保護者と一緒に、機種名を検索しながら慎重に進めること
  • 無線LANや音声デバイスの一部は、Ubuntuのドライバが対応していない場合があります。USB起動で動作確認してからインストールすると安心です

将来どう役立つ?

ITエンジニアの仕事の現場では、開発機やサーバーでLinuxを使う場面が多くあります。Ubuntuの操作に慣れておくと、大学の情報系授業、クラウド学習、AI開発、サーバー運用に入りやすくなります。高校生のうちに触っておけば、ターミナルやパッケージ管理で戸惑う時間を減らせます。

Ubuntuを入れること自体が目的ではありません。入れたあとに、Pythonを動かす、Gitでコードを管理する、Webサーバーを立てる、ログを見る、という実験を重ねることで価値が出ます。古いPCを学習用にできるなら、失敗を恐れず試せる環境として大きな意味があります。

今日からできること

3ステップで始めよう
  1. Ubuntu公式サイト(ubuntu.com)にアクセスし、最新のLTS版(26.04など)のISOファイルをダウンロードする
  2. 8GB以上のUSBメモリと、書き込みソフト「Rufus」(Windowsの場合)を用意する
  3. 保護者と一緒にRufusでUSBを作り、PCをUSBから起動して「Try Ubuntu」を選ぶ

まとめ

UbuntuはLinuxの入り口として最適なOSで、無料でダウンロードでき、USBメモリから起動すればPCを汚さず試せます。最初はLive USBで触ってみて、気に入ったら仮想マシンやデュアルブートに進むのが安全な順番です。Pythonや開発ツールが最初から揃っているので、プログラミングを本格的に始めたい中高生にとって、Windows・Macの次に必ず触れておきたい環境です。