IPv4とIPv6の違い

プロバイダの広告で「IPv6対応で夜も速い」「IPoE方式で快適」というフレーズを見たことはありませんか。家のネットが急に速くなる魔法ではなく、混雑を避ける別のルートが使えるようになる、という意味です。この記事では、IPv4とIPv6の違い・なぜ新しい方が速いのかを解説します。

そもそもIPv4・IPv6とは?

IPv4は1981年に決められた古いほうのIPアドレス規格。「192.168.1.10」のように0〜255の数字を4つで表します。約43億個しか作れず、世界中の機器に配るには足りなくなりました。

IPv6は1998年に決められた新しいほう。「2001:db8::8a2e:370:7334」のような128ビットの長いアドレスで、非常に多くのアドレスを作れます。スマホ、PC、家電、サーバーなど、インターネットにつながる機器が増えても対応しやすい規格です。

2つの規格の違い

IPv4 と IPv6 の桁違いのアドレス空間 IPv4は枯渇寸前、IPv6は地球の砂粒以上のアドレスがある 作れるアドレス数 表記の例 IPv4(1981年〜・古い規格・枯渇中) 32ビット=0〜255の数字×4個 約43億個 (人口より少ない) 192.168.1.10 IPv6(1998年〜・新規格・余裕たっぷり) 128ビット=16進数×8個 約340兆×兆×兆×兆個 (地球の砂粒より多い) 2001:db8::8a2e:370:7334 なぜIPv6に移行する? スマホ70億・IoT機器500億・産業用センサーなど機器が爆増 → 1人1個ではなく1機器1個必要なので、IPv4の43億では到底足りない
図1:IPv4の43億個では枯渇。IPv6は事実上無限大で、IoT時代に対応

なぜIPv6(IPoE)だと速いのか

PPPoE と IPoE:夜の混雑時間の速度の違い(実例) 同じ家・同じプロバイダで方式だけ変えた場合の実測値。21時の速度差が大きい 日中(10時)の速度 PPPoE 450 Mbps IPoE 500 Mbps 夜の混雑時間(21時)の速度 PPPoE 30 Mbps(網終端で渋滞) IPoE 450 Mbps(変わらず) なぜIPoEは混雑に強いのか? PPPoEは「網終端装置」を全員が経由 → 夜は人が集中して渋滞 IPoEは網終端装置を経由しない別ルート → 夜も渋滞しない
図2:日中は同等、夜の混雑時にIPoEが圧倒的。プロバイダ次第で無料切替可能

「IPv6が速い」と言われるのは、IPアドレスの形式そのものより「IPoE」という接続方式と一緒に使われることが多いからです。古いPPPoE方式では夜の混雑時間に「網終端装置」と呼ばれる場所が混み、速度が落ちることがあります。IPoEは別の経路を使えるため、混雑時間でも安定しやすい場合があります。

おすすめの活用法

「うちのネット、IPv6になってる?」を確認するには、ブラウザで「test-ipv6.com」を開きます。結果を見れば、IPv6で通信できているかが分かります。プロバイダのマイページで「IPoE申込み」「v6プラス申込み」などの項目がある場合もありますが、名称や条件は会社ごとに違います。家族と相談して、契約内容とルーターの対応状況を確認しましょう。

IPv6でも万能ではない

IPv6やIPoEにすると、夜の混雑が改善することがあります。ただし、家のWi-Fiが弱い、ルーターが古い、ゲームサーバーが遠い、そもそも回線自体が混んでいる場合は、IPv6だけで解決しません。速度測定、ping、Wi-Fiの電波状況を合わせて見ることが大切です。

また、一部のゲームや自宅サーバーでは、ポート開放や外部からの接続方法が変わることがあります。設定を変える前に、今使っているサービスに影響がないか確認しましょう。

気をつけたい落とし穴

IPv6/IPoE導入時の注意点
  • 古いルーターはIPoEに対応していない。ルーターも対応機に交換が必要なことが多い
  • IPoEに切り替えると「ポート開放」が制限されてオンラインゲームの一部機能が使えなくなる場合がある
  • IPv6はNATで隠れていない分、機器が外から直接見える。Windowsのファイアウォールはオンに保つ

将来どう役立つ?

世界中の通信は徐々にIPv6へ移行しています。クラウドエンジニア・ネットワーク技術者は、IPv4とIPv6の両方を理解する必要があります。今のうちに「v6があることを知っている」「自宅でIPoEを確認したことがある」だけでも、ネットワーク学習の入り口が一段先になります。

今日からできること

3ステップで始めよう
  1. 「test-ipv6.com」にアクセスして、自分の家がIPv6に対応しているか確認する
  2. プロバイダ名と「IPoE」「v6プラス」で検索して、対応状況と申込方法を調べる
  3. 家族と相談して、ルーターがIPoE対応かラベルや型番で確認する

まとめ

IPv6は新しいIPアドレス規格で、IPoE方式と組み合わせると夜の混雑に強くなる場合があります。プロバイダとルーターが対応しているかを確認し、家族と相談して設定しましょう。IPv6だけで全てが解決するわけではありませんが、ネットワークを理解する大事な入口になります。

確認 IPv6が必要になった理由は?