5Gとは?

スマホの画面右上に「5G」と表示されているのを見たことがあるはず。日本では2020年に商用化されたモバイル通信の新世代規格です。「速い」だけでなく「遅延が小さい」「同時接続が多い」といった特徴があります。この記事では、4Gと比べたときの違いと、本当に何が変わったのかを解説します。

そもそも5Gとは?

5Gは「5th Generation(第5世代)」の略。1979年の1G(音声通話)から始まったモバイル通信規格の最新版で、3GPPという国際組織が規格を決めています。日本では2020年3月にドコモ・au・ソフトバンクが商用サービスを開始しました。当初は4G設備に5Gの電波を載せる「ノンスタンドアローン(NSA)」方式が中心でしたが、2021年末からは5G専用の基幹網を使う「スタンドアローン(SA)」方式の提供も始まり、超低遅延・多数同時接続といった5G本来の特徴が活きやすくなっています。

5Gはスマホだけの話ではありません。通信の土台が変わることで、工場の機械、病院の機器、車、カメラ、センサーなど、たくさんの機械をネットワークにつなぎやすくなります。ただし、5G対応スマホを持っていても、5Gエリア外では4Gで通信します。

4Gと5Gの違い

4G と 5G の3軸比較(理論値) 速度・遅延・同時接続の3つで大きな進化。実測値はエリアと電波で変動 4G(LTE) 5G ①最大速度 動画・大容量データ 最大1 Gbps 最大10〜20 Gbps(10〜20倍) ②遅延(応答時間) 遠隔操作・自動運転で重要 30〜50 ms 1 ms(理論値・30倍速) ③同時接続数 IoT機器・スマートシティで重要 10万台/km² 100万台/km²(10倍) 商用開始時期・エリア 2010年・全国カバー 2020年・人口カバー率98%超(2024年) 5Gはほぼ全国エリア化。高速なミリ波は駅・スタジアム等のスポット利用にとどまる
図1:5Gは速度10倍・遅延30倍速・同時接続10倍。エリア外では4Gで通信

5Gの3つの特徴と用途

5Gが切り開く3つの新しい用途 スマホの「速い」だけではない。社会インフラを変える力がある ①eMBB:高速大容量(人間向け) スマホで4K/8K動画・VR/AR配信・大容量ダウンロード 具体例:ライブ会場で複数視点中継・スポーツ観戦アプリ → 子どもに最も身近な恩恵。エリア内なら動画ダウンロードが体感速い ②URLLC:超低遅延(機械向け) 遅延1msで動く工場ロボ・遠隔手術・自動運転 具体例:建機の遠隔操縦・災害現場のドローン制御 → 4Gの30msでは不可能だった「人命に関わる遠隔操作」が可能に ③mMTC:多数同時接続(IoT向け) 1km²あたり100万台の機器が同時接続できる 具体例:スマートシティのセンサー網・農業IoT・物流追跡 → 街中の信号機・電灯・自動販売機まで全部ネットにつながる時代
図2:5Gは「人」「機械」「IoT」の3つを同時に支える設計。社会インフラを刷新中

4Gは「人がスマホで動画を見る」ための規格でした。5Gは加えて「機械同士の通信」「医療・自動運転のような遅延が許されない通信」「センサーが密集した街全体の通信」を狙って設計されています。

一方で、5Gの理論値がそのままスマホで出るわけではありません。使っている周波数帯、基地局との距離、建物の中か外か、周りの利用者数で速度は変わります。特にミリ波と呼ばれる高い周波数は高速ですが、遠くまで届きにくく、障害物にも弱い特徴があります。実際、ミリ波の基地局は全国で約4.5万局整備されているものの、ミリ波で流れる通信量は全体の0.1%程度にとどまり、駅前や大型施設のスポット利用が中心です。

おすすめの観察方法

自分のスマホが5Gに対応しているか、設定アプリで確認できます。「設定→モバイル通信→通信のオプション→音声通話とデータ→5Gオン」のような項目があれば対応機種です。場所によっては「5G」「4G」「LTE」が画面右上で切り替わるので、街を歩いて観察すると、自宅周辺の5Gエリアが見えてきます。

観察するときは、表示だけで判断せず、実際の速度も測ってみます。同じ場所で4Gと5Gを切り替えて、下り速度・上り速度・pingを比べると、体感との差が見えます。5G表示でも4Gとほとんど変わらない場所もあれば、駅前や商業施設では大きく速くなることもあります。

気をつけたい落とし穴

5Gにまつわる誤解と注意点
  • 「5G=いつも速い」ではない。基地局の遠さ・周波数帯(Sub-6 / ミリ波)によって、実測4Gより遅いケースもある
  • 5Gはバッテリー消費が4Gよりやや多め。普段は4Gで十分なら無理に5Gを使い続ける必要はない
  • 「5G電波が体に悪い」というデマがあるが、世界保健機関(WHO)含む主要機関は健康被害の科学的根拠はないとしている

将来どう役立つ?

5Gで実現する「低遅延通信」は、自動運転・遠隔医療・建機操作・XR配信のような新しいサービスを広げます。通信キャリア・自動車・医療機器・ロボット・ゲームのどの業界に進んでも、5Gの仕組みを知っていることが基礎知識として求められます。

また、5Gを知ると「通信は速さだけではない」と分かります。遅延、同時接続、エリア設計、基地局、電波の届き方など、ネットワークを支える要素はたくさんあります。これは将来、通信会社だけでなく、IoTやスマートシティに関わる仕事でも役立つ考え方です。

今日からできること

3ステップで始めよう
  1. 自分のスマホの設定で5Gがオンになっているか確認する
  2. fast.com で4G・5Gそれぞれの速度を測って比較する
  3. 「5Gエリア確認」を契約キャリアの公式サイトで開き、自宅・学校・通学路を見てみる

まとめ

5Gは、速度・遅延・同時接続の3つを強化したモバイル通信です。スマホで動画を快適に見る用途だけでなく、機械同士・遠隔操作・スマート都市などにも関係します。今は4Gと併用しながら、5Gエリアで恩恵を受ける段階。基地局の整備が進むほど、できることが増えていきます。

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