「人気No.1」を信じない
プログラミング学習サイトのランキング記事は、広告料が多い順に並んでいることが珍しくありません。実際に大事なのは、その教材が自分の性格・目的・学習リズムに合うかどうかです。プログラマーシリーズNo.13で「挫折しない方法」を紹介しましたが、続けやすさは教材選びの段階で半分決まります。
ランキングを見るときは、誰が書いているか、広告表記があるか、更新日が新しいかを確認しましょう。良い教材でも、自分の目的と違えば遠回りになります。ゲームを作りたい人が業務システム向け教材から始めると退屈ですし、Webサイトを作りたい人がアルゴリズムだけを学んでも作品につながりにくいです。
教材を見抜く5つの軸
① 学習形式:動画/テキスト/手を動かす型
動画が向く人もいれば、テキストの方が頭に入る人もいます。初心者には「手を動かす型」(ブラウザ上でコードを書きながら進めるタイプ)が向くことが多いです。最初は無料の体験で15分だけ試して、自分が「眠くなるタイプ」か「集中できるタイプ」かを確かめるのが大事です。
② 難易度:自分の今の位置に合うか
初心者なのに「実務レベル」の教材を選ぶと、専門用語の壁で挫折します。逆に経験者が「初めてのプログラミング」を選ぶと、退屈で続きません。「最初の3章を読んで、知らない言葉が3割くらい」なら自分のレベルにちょうどいい教材です。
③ 料金:無料か有料かの判断軸
無料教材でもプログラミングは十分学べます。ただし「お金を払った方が続く」タイプの人もいます。月額1,000〜3,000円のサービスなら、半年だけ集中して使い、終わったら解約という使い方が現実的。中高生はまず無料で始めて、必要に応じて有料に切り替えるのがおすすめです。
④ 仲間:質問できる場があるか
つまずいた瞬間に質問できる場所があるかは大きな違いです。教材自体にコミュニティがある、SNSで同じ教材を使っている人がいる、地域に勉強会がある──どれか1つあれば挫折率は半分に下がります。デジタルこどもBASEのような対面で聞ける場も大きな助けになります。
⑤ 更新頻度:3年以内に更新されているか
技術の世界は1〜2年で景色が変わります。最終更新が3年以上前の教材は、画面の見た目や手順が今のツールと合わず、初心者が「動かない!」とつまずく原因になります。トップページに最終更新日が出ているか、目次に最近の年が含まれているかをチェックしましょう。
目的別の選び方
「人気の教材を全部試す」のは時間のムダです。自分が今どの段階にいるか・何を作りたいかで、選ぶべき教材は1〜2種類に絞れます。図2を見ながら、自分の目的に近い枠から選ぶのが近道です。
教材を選んだら、最初に「いつ終えるか」を決めます。1章ごとに小さな成果物がある教材なら続けやすく、何時間も動画を見るだけの教材は、分かった気になって手が動かないことがあります。15分見たら15分書く、1章終えたら自分用に少し改造する、という使い方が効果的です。
有料教材を選ぶ場合は、月額だけでなく、解約方法、質問対応の範囲、教材の更新頻度も確認します。保護者に相談するときは「何を作れるようになる教材か」「何か月使う予定か」を説明できるようにしておくと、納得してもらいやすくなります。
気をつけたい落とし穴
- 「これが一番」と書かれた記事を信じて即決する。実際には自分の性格と目的次第で答えが変わる
- 有料スクールに高額な契約をしてしまう。中高生はまず無料・低額で十分。保護者と必ず相談する
- 同時に5個の教材を始める。教材は1〜2個に絞り、1つを終わらせてから次に進む
将来どう役立つ?
「自分に合う学び方を見つける力」は、プログラミングだけでなく、大学・社会人になってからの全部の学習に効きます。新しい技術が出るたびに、最適な教材を素早く選んで吸収できる人と、毎回流行のスクールに振り回される人の差は、10年で大きく開きます。中高生のうちに「自分に合う学び方の型」を1つ持っておくと、生涯の財産になります。
技術は変わるので、同じ教材をずっと使い続けるより、教材を評価する目を育てることが大切です。公式ドキュメント、入門動画、演習サイト、質問できるコミュニティを目的に合わせて組み合わせられる人は、新しい言語やツールにも対応しやすくなります。
今日からできること
- 図2の4枠から、今の自分に一番近い目的を1つ選ぶ
- その目的に合いそうな教材を3つだけ探し、5つの軸(図1)でメモする
- 3つの中から1つだけ選んで、最初の1章を最後までやってみる