注意すべきネット犯罪の手口

警察庁の統計では、サイバー犯罪の検挙件数は年間1万件を超えています。手口は巧妙化しており、大人だけでなく中高生も狙われます。本記事では、特に被害が増えている代表的な手口を整理し、見分け方と対処法を解説します。

そもそもネット犯罪とは

ネット犯罪(サイバー犯罪)とは、インターネットやコンピュータを使った詐欺・嫌がらせ・不正アクセスなどの犯罪です。大きく分けて、お金を騙し取る詐欺型、情報を盗む不正アクセス型、嫌がらせを行う誹謗中傷型の3種類があります。日本では「不正アクセス禁止法」「電子計算機使用詐欺罪」など複数の法律で取り締まられており、中学生が逮捕された例も少なくありません。

中高生が遭遇しやすい6つの手口

中高生が標的になりやすいネット犯罪:手口・きっかけ・防ぐコツ 出典:警察庁、国民生活センターの最新相談事例 手口 中高生が遭うきっかけ 気づくサイン サポート詐欺 画面「ウイルス感染」 無料動画サイト・違法アップロード ブラウザの偽警告画面 大音量の警告音・電話番号表示 ×ブラウザを閉じればOK RMT詐欺 ゲームアイテム売買 「アイテム安く譲ります」DM Twitter/Discord経由 先払い要求・公式以外 アカウント停止リスクも SNS乗っ取り パスワード使い回し被害 他サイト漏洩→使い回しで侵入 友達からのDMで踏む 急な投資DM・URLが届く 本人と別チャンネルで確認 なりすまし詐欺 芸能人・知人を装う 「○○ファンクラブ・公式」DM SNS懸賞・プレゼント企画 先にお金を求められる 公式マーク(青)の有無 闇バイト勧誘 高額バイト募集 「日給5万・受け取り役」DM X・TikTok・Instagram 身分証コピー要求・即日支払い 強盗・特殊詐欺の実行犯に ▶ 共通の見抜き方:「急いで」「特別に」「絶対に儲かる」「身分証ください」は危険サイン 怪しいDMや警告に出会ったら、家族・先生にスクリーンショットを見せて相談
図1:中高生が標的になりやすいネット犯罪の手口とサイン。「急いで・特別・儲かる」は詐欺の可能性が高い

サポート詐欺の手口

サポート詐欺:偽警告画面と正しい対処手順 「電話する」「リモート操作許可」が一番危険。ブラウザを閉じればOK × 偽警告画面(実際にこう出る) ⚠ ウイルス警告 ⚠ あなたのPCは5つのウイルスに 感染しています! 個人情報・パスワード・写真が 流出する危険があります 今すぐ Microsoft 公認サポートに 電話してください 📞 03-XXXX-XXXX + 大音量の警告音が鳴る ブラウザを閉じられないように見える → 多くの人が焦って電話してしまう ○ 正しい対処(落ち着いて実行) ① 電話しない・操作しない 本物のMicrosoftは電話番号を表示しない ② Esc キーを長押し or タスクキル Ctrl+Alt+Delete でブラウザを終了 ③ ブラウザの履歴・キャッシュを削除 同じサイトを再度開かないため ④ 念のためウイルススキャン Windows Defenderでフルスキャン × もし電話してしまったら 遠隔操作ソフトを削除・PWを全部変更 → 落ち着けば被害ゼロで済む
図2:サポート詐欺の偽警告と正しい対処。電話せず・ブラウザを閉じれば被害は出ない

サポート詐欺は、Webサイトを見ているときに突然「あなたのPCはウイルスに感染しています!マイクロソフトサポートに今すぐ電話を」と大音量の警告音と共に表示が出る手口。電話すると「日本語が話せる偽オペレーター」が遠隔操作ソフトをインストールさせ、修理費用としてコンビニで電子マネーを買わせる、という流れです。落ち着いてブラウザを閉じれば、多くの場合は画面表示が止まります。電話番号に連絡したり、相手に言われたアプリを入れたりする必要はありません。

中高生におすすめの守り方

大原則は「うますぎる話には乗らない」「焦らせる相手は疑う」の2つです。「かなり儲かる投資」「特別にあなただけ」「24時間以内に手続きを」のフレーズが出たら、詐欺の可能性を強く疑ってください。SNSで知り合った人に金銭関連の話をされたら、保護者か学校の先生にすぐ相談しましょう。誹謗中傷については、自分が書く側にも回らないこと。匿名のつもりでも、発信者情報開示などで投稿者が特定される場合があり、未成年でも大きな問題になります。

証拠を残して相談する

怪しいDMや警告画面を見つけたときは、慌てて全部消す前に、スクリーンショットを残しておくと相談しやすくなります。相手のアカウント名、URL、送られてきた日時、要求された内容をメモして、家族や先生に見せましょう。ただし、相手に返信したり、リンクを開き直したりする必要はありません。ログイン情報を入れてしまった場合は、同じパスワードを使っているサービスも含めて変更し、二段階認証を有効にします。

気をつけたい落とし穴

巻き込まれやすい3つの罠
  • SNSで「日給5万円・受け取り役募集」のDM。これは闇バイトで強盗・詐欺の実行犯になる入口
  • 「アカウントが乗っ取られた友達」からのDMでURLを踏む。乗っ取られた本人は気づいていない
  • 暗号資産系の「大きく儲かる」とうたうグループに招待される。最初だけ利益が出たように見せ、あとで出金できなくなることがある

将来どう役立つ?

ネット犯罪の手口を知っておくと、被害者にならないだけでなく、将来子どもや高齢の家族を守る役にも立ちます。年金で暮らす祖父母世代がサポート詐欺に遭うケースは増え続けており、若い家族が手口を知っているかどうかが被害の大きさを決めます。仕事面でも、企業の情報セキュリティ部門ではこうした手口の知識が求められます。

今日からできること

3ステップで始めよう
  1. 警察庁・国民生活センターのサイトで、最新の詐欺手口を月1回チェック
  2. 自分のSNSの友達の中に、最近DMで急に投資・URLを送ってくる人がいないか確認
  3. 家族に最新の詐欺手口を共有し、おかしな電話やメールが来たら相談する習慣をつくる

まとめ

ネット犯罪の手口は、サポート詐欺・SNS乗っ取り・暗号資産詐欺・なりすまし・誹謗中傷・闇バイト勧誘など多岐にわたります。「うますぎる話」「焦らせる相手」は疑う、というシンプルなルールで多くを防げます。家族で手口を共有し、おかしいと思ったら一人で抱え込まずすぐ相談しましょう。