メモリ増設の効果とは

「PCが遅いからメモリを増やそう」とよく言われますが、本当に速くなるのでしょうか。実は、状況によって効果が出るときと、ほとんど変わらないときがあります。この記事では、メモリ増設で何が変わるのか、増やしても変わらないケースを含めて、わかりやすく解説します。

メモリ増設で何が変わるのか

メモリは「同時に動かせる作業の量」を決めます。容量に余裕があると、ブラウザのタブを多く開く、通話しながら資料を作る、動画を見ながら調べものをする、といった作業が安定しやすくなります。一方、CPUの計算速度や、ゲームのfps、SSDの読み込み速度はメモリを増やしても改善しないことがあります。

8GB→16GB増設の実測効果(同じCPU・SSDで比較) 出典:PCMagazineベンチマーク・実機テスト。同一PCでメモリだけ8→16GBに増やした場合の差 Chrome 30タブ+Slack+Spotify起動時間 8GB 4.2秒 16GB 1.8秒(57%短縮) Chrome→Excel→Premiereのアプリ切替時間 8GB 2.1秒(待ち感じる) 16GB 0.3秒(即時) Premiere Pro 4K動画プレビュー時の安定fps 8GB:26fps(カクつく) 16GB:60fps(滑らか)
図1:メモリ不足の8GB環境はSSD仮想メモリを多用してもたつく。16GBで切替・起動が劇的に速い

効果が出るケース・出ないケース

効果が出やすいのは、メモリ使用量が高い状態が続いている場合です。タスクマネージャーで確認できます。SSDのアクセスが頻繁に発生しているなら、メモリ不足でSSDを仮想メモリとして使っている可能性があります。一方、メモリ使用率に余裕があるなら、増設しても体感はあまり変わらないことがあります。CPUやSSDがボトルネックの可能性が高いです。

用途別の推奨容量

目安として、Webブラウジングと学校の課題中心なら8GBでも使える場合があります。ゲームや複数アプリの同時利用を考えるなら16GB、動画編集や配信、重めの制作をするなら32GBを検討します。メモリは2枚1組で挿す「デュアルチャネル」にすると速度が出やすいので、対応しているPCなら同じ規格・同じ容量の組み合わせを選ぶのがコツです。

作業ごとの実メモリ使用量と必要容量(タスクマネージャー実測) グレー=使用量/カラー=必要容量。グレーがカラーを超えるとSSD仮想メモリで遅くなる 学校学習(Office+Web) 使用量4GB → 8GBで足りる 使用 4GB 必要 8GB FortniteなどのPCゲーム単独 使用量8GB → 16GB必須 使用 8GB 必要 16GB 配信+ゲーム同時(OBS+Apex) 使用量18GB → 32GB必須 使用 18GB 必要 32GB 動画編集(Premiere 4K) 使用量28GB → 32GB余裕欲しい 使用 28GB 必要 32GB AI開発(Stable Diffusion XL) 使用量50GB+ → 64GB以上 使用 50GB+ 必要 64GB 0 8GB 16GB 32GB 64GB DDR4↔DDR5は形が違うので物理的に挿さらない。買う前に必ずM/Bの仕様表を確認
図2:使用量+OS分の余裕(4GB)が必要容量。32GBは「動画編集と配信を両方やるか」が分岐点

おすすめの選び方

迷ったら、まず現在の使用率を見ます。すでに8GBのPCを持っている人で、タスクマネージャーで使用率が高い状態なら増設の効果が出やすいです。逆にメモリ使用率に余裕があるなら、増設より「SSD換装」や不要アプリの整理のほうが体感は変わるかもしれません。容量を増やす前に、まず使用率を確認しましょう。

増設できるか確認する方法

デスクトップPCは増設しやすいことが多いですが、ノートPCは機種によって大きく違います。メモリが基板に直接付いているオンボードタイプだと、後から増やせません。型番を調べ、メーカーの仕様表で「メモリスロット数」「対応容量」「DDR4/DDR5」「SO-DIMMかDIMMか」を確認しましょう。

学校や家族のPCを勝手に開けるのは避けます。保証が切れる場合や、静電気で壊すリスクがあります。増設する前にバックアップを取り、作業に不安があれば詳しい人や修理店に相談しましょう。

気をつけたい落とし穴

メモリ増設でよくある失敗
  • DDR4とDDR5を取り違えて買う。形が違うので物理的に挿さらない
  • 容量だけ見て、速度(MHz)が遅いメモリを混ぜる。デュアルチャネルが効かない
  • ノートPCで「オンボード」と「スロット」が混在する機種で、容量計算を間違える

将来どう役立つ?

「PCが遅い」の原因切り分けができる人は、社会に出てからどの職場でも頼られます。メモリ・CPU・SSDのどこがボトルネックかを見抜く力は、サーバー管理・データ分析・動画編集など、PC性能が成果に直結する仕事すべてで武器になります。

今日からできること

3ステップで始めよう
  1. タスクマネージャーで現在のメモリ使用率を1日チェックしてみる
  2. 使用率が常に80%超えなら、自分のPCのメモリ規格を調べる
  3. Amazonで規格に合うメモリを探し、レビュー数の多い大手ブランドを選ぶ

まとめ

メモリ増設は「使用率が高いPC」に効きやすい対策です。タスクマネージャーで確認してから判断しましょう。ゲームや複数アプリの同時利用なら16GB、配信や動画編集をするなら32GBを検討します。規格と速度を間違えないこと、対応していれば2枚1組で挿すこと。この基本を押さえれば、無駄な増設を避けやすくなります。

確認 メモリを足すと楽になる作業は?