Linuxコマンド10選 ── ls/cd/cat/grepなど

Linuxには数百のコマンドがありますが、日常で使うのはせいぜい20〜30個程度です。その中でも特に頻度が高い10個を覚えれば、ファイル操作・検索・確認のほとんどの作業がこなせるようになります。この記事では子どもがまず覚えるべき10コマンドを、実例つきで紹介します。

10コマンドの全体像

必須10コマンドの典型的な使い方(実際のターミナル例) $は入力プロンプト。緑色が入力、白色が出力 $ pwd # 今いる場所を表示 /home/student $ ls -la # 隠しファイル含めた詳細表示 drwx-- 5 student 4096 .config homework/ notes.md $ cd homework && mkdir math # 移動して新フォルダ作成 $ cp report.md math/ # mathフォルダにコピー $ cat report.md # ファイルの中身を表示 # 数学レポート(10/30) $ grep "TODO" *.md # すべてのmdファイルからTODO検索 notes.md: TODO: 来週の小テスト範囲 $ find . -name "*.html" # 現フォルダ以下の.htmlを全検索 ./blog/2026-05-04.html $ tail -f /var/log/syslog # ログをリアルタイム監視 $ man grep # コマンドの公式マニュアル
図1:実際のターミナル使用例。pwd→ls→cd→mkdir→cp→cat→grep→find→tail→manの典型ワークフロー

10個のコマンド早見表

① pwd(Print Working Directory):今いる場所のフルパスを表示します。「自分は今どこにいるんだっけ?」と迷ったとき、最初に打つコマンドです。

② ls(List):今のフォルダのファイル一覧を表示します。ls -lで詳細、ls -aで隠しファイルも表示。ls -laと組み合わせるのが定番です。

③ cd(Change Directory):別のフォルダへ移動します。cd ..で1つ上、cd ~でホームディレクトリ、cd /でルート(一番上)に戻れます。

④ mkdir / rm:それぞれフォルダ作成と削除です。mkdir testでtestフォルダ作成、rm file.txtでファイル削除、フォルダごと消すならrm -r フォルダ名です。

⑤ cp / mv:コピーと移動。cp a.txt b.txtでa.txtをb.txtという名前でコピー、mv a.txt 新フォルダ/で移動。リネームもmvで行います。

⑥ cat:ファイルの中身を画面に出します。短いファイル向け。長いファイルならlessを使い、矢印キーでスクロール、qで終了。

⑦ head / tail:ファイルの先頭10行(head)、末尾10行(tail)を表示。tail -f ログファイルでリアルタイム監視ができ、サーバー管理で多用します。

⑧ grep:ファイルの中から特定の文字を検索します。grep "error" log.txtでlog.txtの中の「error」を含む行だけ抽出。実務で一番使うコマンドのひとつです。

⑨ find:ファイル名や条件でファイルを探します。find . -name "*.html"で現在のフォルダ以下のhtmlファイル全部を一覧表示。

⑩ man(Manual):コマンドの公式説明書を表示。man lsでlsの全オプションが読めます。困ったらまずmanです。

コマンドのパイプ連結

パイプ「|」で複数コマンドをつなぐ実例 前のコマンドの出力を次のコマンドの入力に渡す。マウス操作10分の処理が1秒に $ cat access.log | grep "ERROR" | grep "2026-05-04" | wc -l 42 # ← 結果:昨日のエラーは42件 パイプの中で何が起きているか(4ステップ) cat access.log 10万行を全部出力 → grep "ERROR" エラー行だけ抽出 → 1,500行 → grep "2026-05-04" 日付で絞り込み → 42行 → wc -l 行数を数える → 42 マウスでやるとどうなる? 10万行のログをExcelで開く(5分)→ オートフィルタ設定 → 件数を目視確認 → 合計15分
図2:4コマンド連結で「10万行→該当エラー件数」が1秒。手作業15分→1秒の差

Linuxコマンドの強力さは「|(パイプ)」でつなげる点にあります。前のコマンドの結果を次のコマンドの入力にできるので、3〜4個組み合わせれば「100個のログから昨日のエラーだけ抽出して件数を数える」ような複雑な処理が1行で書けます。

最初の練習では、削除や移動よりも「見る」コマンドから始めるのが安全です。pwd で場所を確認し、ls で中身を見て、cat や head でファイルを読む。慣れてから cp、mv、最後に rm へ進むと、取り返しのつかない失敗を減らせます。

パイプを使うときも、まずは結果を画面に出して確認しましょう。たとえば grep "error" app.log | head で先頭だけ見て、狙った行が出ていると分かってから件数を数えます。コマンドは速い分、対象を間違えると影響も速いので、「確認してから実行」が基本です。

気をつけたい落とし穴

10コマンドを使うときの注意
  • rm -rf /のような全削除コマンドは打たない。OS全体が消えます
  • cpやmvで同名ファイルがある場合、確認なく上書きされます。-iオプションで確認を出すのが安全
  • grepの検索パターンは大文字小文字を区別します。区別したくないときは-iを付けます

将来どう役立つ?

これら10個は、エンジニアが毎日触るコマンドそのものです。Webエンジニア、サーバー管理者、データサイエンティスト、機械学習エンジニア、どの仕事でも変わりません。中学・高校のうちに体に染み込ませておくと、専門学校や大学の情報系の授業を「すでに知っている内容」として受けることになります。

コマンドを覚える価値は、暗記量ではなく、トラブル時に自分で調べられることです。ファイルが見つからない、ログにエラーが出ている、容量が足りない、権限がない。こうした場面で、必要な情報を自分で取り出せる人は強いです。10個の基本コマンドは、その入口になります。

今日からできること

3ステップで始めよう
  1. ターミナルを開いて、pwd ls -la cd Documentsの3つを順に実行する
  2. テスト用にmkdir testでフォルダを作り、cd testで入ってecho "hello" > a.txtでファイルを作る
  3. cat a.txtで中身を確認、grep "hello" a.txtで検索、rm a.txtで削除する流れを体験する

まとめ

Linuxの基本コマンドはたった10個で、ほとんどの日常作業がこなせます。場所を知る系(pwd・ls・cd)、ファイル操作系(mkdir・cp・mv・rm)、内容確認系(cat・less)、検索系(grep・find)の4ジャンルを意識して覚えれば整理しやすくなります。「|(パイプ)」で組み合わせると一気に強力になり、エンジニアの実務スキルそのものに直結します。

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