Git/GitHub入門 ── バージョン管理を知る

プログラミングを少し続けると、「あ、昨日のコードに戻したい」「友達と一緒にコードを書きたい」と思う場面が出てきます。そのときに必要になるのがGit(ギット)とGitHub(ギットハブ)です。コードの履歴を残し、共同作業しやすくする道具で、今のうちに使い始めると進路でも説明しやすい材料になります。

Gitとは?

Gitは2005年にLinuxを作ったリーナス・トーバルズが開発した、コードの履歴管理ソフトです。「いつ・誰が・どこを変えたか」を記録できるので、間違えても過去の状態を確認できます。レポートで言えば「Word の変更履歴 + Ctrl+Zを整理したもの」と思うとイメージしやすいです。

GitHubとは?

GitHubは、Gitの履歴をインターネット上に保管できるサービスです。自分のコードを公開したり、友達と共同開発したり、世界中のオープンソースに貢献したりできる「コードの共有場所」のようなものです。利用条件や年齢に関するルールは変わることがあるため、アカウント作成時に公式の案内を確認しましょう。

仕組み:自分のPCと世界をつなぐ

Git で履歴を残すと「いつ・誰が・何を変えたか」が分かる git log コマンドで実際に表示される履歴の例 $ git log --oneline a3f2c1d タイマーアプリ:時間切れ通知音を追加 yuki, 5分前 b8e9f02 バグ修正:0秒で止まらない問題を解決 yuki, 30分前 5d4c2b1 ボタンを大きくしてスマホで押しやすく yuki, 昨日 9a7b3e4 スタートボタンを配置、CSSで色を緑に yuki, 3日前 2c8d1f7 タイマーアプリの初版(HTMLとJSで5行) yuki, 1週間前 eaa9c5b README.md を追加 yuki, 1週間前 ▶ 「先週のあのバグ修正、何だっけ?」 → git log で全部見える。間違えてもどこにでも戻せる
図1:Gitで残した履歴の実例。「何を・いつ・なぜ変えたか」がすべて記録され、過去のどの状態にも戻せる

Gitは「自分のパソコンの中で履歴を作る道具」、GitHubは「その履歴をクラウドに置く場所」。pushで自分のPC→GitHub、pullでGitHub→自分のPC、というやりとりで成り立っています。

主な3つのコマンド

基本3コマンド:実際の入力 → 結果 「変更を選ぶ → 履歴に確定 → クラウドに送る」の流れを覚えれば最低限OK ① git add — 変更を「次に記録する候補」に入れる $ git add index.html → index.html が記録候補に入った(まだ履歴ではない) ② git commit — 候補を「履歴」として確定(メッセージ必須) $ git commit -m "ボタンを緑色に変更" → 履歴 a3f2c1d として確定。後でこの状態に戻せる ③ git push — 履歴をクラウド(GitHub)に送る $ git push origin main → GitHub にも履歴がコピーされた。他のPCからも取り出せる 頻度は「変更が一段落するたび」(1日に1〜10回)
図2:基本3コマンドの実行例。最初はこの3つだけで十分。慣れたらブランチ・マージなどに進む

add → commit → push の3つを覚えるだけで、基本的なバージョン管理は始められます。慣れてくるとブランチ・マージなど、もっと便利な機能を使えますが、最初はこの3つで「変更を選ぶ、記録する、送る」という流れを体で覚えましょう。

GitHubでできること

GitHubに自分のコードを置いておくと、公開設定にしたリポジトリはURLで共有できます。これは進学・就職での自己PRに使える場合があります。完成品だけでなく、READMEに「何を作ったか」「どう動かすか」「どこを工夫したか」を書くと、見た人に伝わりやすくなります。

世界中のオープンソース(公開されているソフト)に「ここにバグがあります」と報告したり、自分で直したコードを送ったりもできます。ただし、最初から大きなプロジェクトに入る必要はありません。自分の小さな作品を公開し、READMEを書き、数回commitするだけでも十分な練習になります。

気をつけたい落とし穴

Git/GitHubでハマる3つ
  • パスワード・APIキーをコードに書いたままpushしてしまう。一度公開すると履歴が消えにくい。.gitignore を使う
  • commit メッセージを「修正」「fix」だけにしてしまう。半年後の自分が困る。「○○バグを修正」のように具体的に
  • 怖がってcommitせず、ファイルを直接コピーで保存する。それは履歴管理ではない。最初は1日1回でいいのでcommitを習慣に

将来どう役立つ?

IT企業や開発系の活動では、GitHubのアカウントや作品URLを見せる場面があります。学生のうちから使い続けたGitHubアカウントは、学習の記録になります。社会人エンジニアもよく使う道具なので、子どもで慣れておけば、チーム開発の考え方を早めに理解できます。

今日からできること

3ステップで始めよう
  1. GitHub でアカウントを作る(無料・年齢制限あり、保護者と確認)
  2. 「README.md」だけのリポジトリを1つ作って、自己紹介を書く
  3. WebブラウザのGitHubから直接編集してcommitしてみる(最初はコマンド不要)

まとめ

Gitはコードの履歴を残す道具。GitHubはそれをクラウドで共有する場所です。今のうちに慣れておくと、作品の記録や共同開発の練習になります。最初はadd → commit → pushの3コマンドから始め、READMEを書いて、自分の作品を説明できる形にしていきましょう。

確認 Gitの仕事は?