オンラインゲームのラグを減らす方法

撃ったのに当たらない夜は、練習不足の前に遅延を疑います。Mbpsの数字が大きくても、往復の待ちが長いと同じ部屋にいません。

そもそもラグとは?

ラグは英語の「lag(遅れ)」。あなたのコントローラー操作がサーバーに届き、結果が画面に返ってくるまでの時間差です。この時間差を数値化したのが「ping値(ms=ミリ秒)」です。必要な目安はゲームによって違いますが、対戦ゲームではpingが低く、変動が少ないほど操作感が安定します。

仕組み:ラグが発生する3か所

ping値とラグ体感の対応表(FPSゲーム基準) 数値が低いほど快適。30ms以下を目指すと操作と画面が一致する 10〜20 ms(プロ級・最高) 弾が当たる感覚と画面が一致 20〜30 ms(快適) プロ大会も30ms以下が条件 30〜60 ms(標準) 普通のオンラインゲーム 60〜100 ms(やや遅い) FPSは厳しい・MMOなら可 100〜200 ms(ラグい) テレポート現象が頻発 200ms以上(プレイ困難) 海外サーバー・厳しい 日本サーバーなら20〜30ms、東京なら10ms以下も可能 ゲーム設定で「日本」「アジア」リージョンを選ぶのがラグ削減の近道
図1:30ms以下が快適ライン。家のWi-Fi+日本サーバーで実現できる範囲

① 家の中:Wi-Fiが弱い、ルーターが古い、家族が大きなダウンロードしている等。自分で改善しやすい区間。

② プロバイダ・回線:契約しているプロバイダの混雑状況や、夜間の集中帯による速度低下。プロバイダによって体感が大きく違う。

③ ゲームサーバーまでの距離:日本サーバーなら20〜30ms、米国サーバーなら100ms以上。ゲーム側で「リージョン選択」ができるなら最寄りを選ぶ。

ラグを減らす8つの対策

ラグ削減対策の効果と費用(試しやすい順) 無料で試せるものから順に。①②③で多くは解決する 期待ping削減 難易度・費用 ①有線LAN化(ケーブル直結) Wi-Fi干渉ゼロ・最も効果的 -15〜-30 ms ★☆☆ 1500円 ②ゲームのリージョンを日本に 米国サーバーから日本サーバーに切替 -100 ms ★☆☆ 無料 ③背景アプリ・家族の通信を停止 YouTube・大型ダウンロードを止める -10〜-50 ms ★☆☆ 無料 ④IPv6 IPoE接続に切替 夜間混雑時のping改善・プロバイダ申込 -20〜-40 ms ★★☆ 月100円 ⑤プロバイダ乗り換え(最終手段) 夜間も安定するゲーマー向け回線へ 大幅改善あり ★★★ 工事費
図2:①有線LAN化+②日本リージョンで多くのラグは消える。VPNは効かない

効果が出やすいのは有線LAN化です。ルーターからLANケーブルを引いてゲーム機やPCに直接つなぐと、Wi-Fiの電波干渉を避けやすくなります。大きく改善するとは限りませんが、家庭内でできる対策としては試す価値があります。詳しくは次回記事で解説します。

速度・ping・ジッターの違い

ゲーム回線では、速度だけ見ても判断できません。速度は「一度にどれだけ運べるか」、pingは「往復に何msかかるか」、ジッターは「pingがどれだけブレるか」です。動画視聴なら速度が大事ですが、対戦ゲームではpingとジッターの方が体感に影響しやすいです。

たとえば速度測定で十分なMbpsが出ていても、pingが大きく上下すると、キャラクターが瞬間移動したように見えることがあります。測るときは1回だけでなく、夕方、夜、休日など時間を変えて比べましょう。

家で試す順番

ゲームの設定画面で「ping」「ms」「遅延」と書かれた表示を出せることがあります。プレイ中に見ながら遊ぶと、自宅のラグが多い時間帯・対戦サーバー・場所が見えてきます。数値を見ずに「なんとなく重い」と感じるだけでは、原因が家の中なのか、回線なのか、ゲーム側なのか分かりません。

気をつけたい落とし穴

ラグ対策で注意したいこと
  • 「ゲーミングVPN」をうたうサービスは、ほとんどの場合むしろpingが悪化する。海外サーバー経由になるため
  • 「Wi-Fiブースター」と書かれた怪しい機器は効果なし。改善するのはちゃんとしたメーカー(バッファロー・NEC・TP-Link等)の中継機・メッシュ機
  • 速度測定で100Mbps出ているのにラグい場合、原因はpingか帯域共有。速度の数字だけでは判断できない

将来どう役立つ?

「リアルタイム通信」を扱う仕事はゲーム業界だけではありません。動画会議・ライブ配信・株取引・自動運転、いずれも遅延を減らす設計が必要です。ping・ジッター・パケットロスを意識する力は、IT職全般で評価される基礎です。

今日からできること

今日の課題:pingを1回見る
  1. 今遊んでいるゲームか、速度測定でping(ms)を書く
  2. 同じ部屋のWi-Fiと、可能なら有線を比べる
  3. 差を1行で残す

まとめ

オンラインゲームの快適さは、速度だけでなくpingとジッターで変わります。有線LAN化・5GHz・近いリージョン・背景アプリ停止の4つは、家庭で試しやすい対策です。「腕のせい」と決める前に、まず数字を測って原因を切り分けてみましょう。

確認 対戦で先に見る数字は?