プログラマーの1日とは?

「プログラマーって1日中パソコンに向かってコード書いているんでしょ?」──半分正解で、半分はちょっと違います。実際の現場では、コードを書く時間は1日の3〜4割ほど。残りは会議・設計・レビュー・調査・チャットなど、人と関わる時間です。中高生が将来の進路を考えるときに役立つ、現役プログラマーの1日を図解で紹介します。

意外と知られていない事実

映画やドラマで描かれるプログラマーは、深夜にカタカタとコードを叩いている姿が多いです。実際の現場は、もっと「チームで会話しながら進める仕事」です。1人で何かを作るよりも、複数人で大きなサービスを支える方が、現代のIT現場では一般的になっています。

たとえば、スマホアプリのログイン画面ひとつでも、画面を作る人、サーバーを作る人、デザインを考える人、テストする人、利用規約を確認する人が関わります。プログラマーはその中で、コードを書く担当でありながら、他の人に「何を作るか」「どこまでできたか」「何が危ないか」を説明する役割も持っています。

会社によって1日の過ごし方も違います。ゲーム会社、Webサービス会社、受託開発会社、社内システムを作る会社では、会議の量もコードを書く時間も変わります。この記事のスケジュールは一例で、「プログラマーにもいろいろな働き方がある」と見るのが正確です。

典型的な1日のスケジュール

プログラマーの1日(例) 勤務時間 9:30〜18:30 / リモート可の会社が多い 9:30 朝会 15分 10:00〜12:00 コーディング 集中タイム 12:00 昼食 1時間 13:00〜15:00 コーディング続き バグ修正・新機能 15:00〜16:00 コードレビュー 同僚のコードを確認 16:00〜17:00 設計の打ち合わせ 他チームと相談 17:00〜18:00 残タスク・調査 技術ドキュメントを読む 18:00〜18:30 commit/push 日報を書く 退社後 趣味コード・勉強 技術記事を書く人も ※会社・部署によって大きく違う。リモート勤務だと朝会・退社の概念が薄い場合も
図1:プログラマーの典型的な1日

1日の時間配分

プログラマーの実際の時間配分(業務時間8時間の内訳) 出典:Stripe Developer Coefficient Survey、StackOverflow Developer Survey の傾向値 コードを書く(純粋にキーボードを叩く時間) 40% / 約3.2時間 会議・チームの会話(朝会・打ち合わせ) 20% / 約1.6時間 コードレビュー(同僚のコードを読む) 15% / 約1.2時間 調査・ドキュメントを読む 15% / 約1.2時間 ドキュメント・日報を書く 10% / 約0.8時間 ▶ コードを書くのは1日の40%。残り60%は「人と関わる仕事」 ・コーディング力だけ伸ばしても、チームで働けない ・「読みやすいコード」「分かりやすい説明」が評価される ・中高生のうちから、READMEを書く・友達に説明する練習が効く ※ ゲーム会社・受託・自社サービスで配分は変わる。新人は会議が多めになる傾向
図2:プログラマーの実際の時間配分。コードを書くのは1日の4割で、残りは設計・レビュー・調査・会議

意外と多い「コードを書かない」仕事

コードを書く以外にも、こんな仕事があります:①「設計」(どう作るかを文章や図で決める)、②「コードレビュー」(同僚のコードを読んで指摘する)、③「調査」(新しい技術や問題の原因を調べる)、④「ドキュメント書き」(後の人が分かるように説明文を書く)、⑤「会議」(チーム・他部署とのすり合わせ)。「書く」よりも「考える」「調べる」「話す」時間の方が多いのが現代のプログラマーです。

特にコードレビューは、学校の作文を友達に読んでもらう感覚に近いです。自分では正しいと思っていても、別の人が見ると「この名前は分かりにくい」「ここでエラーになるかも」と気づけます。良いプログラマーは、速く書くだけでなく、他の人が読んでも分かるコードを書くことを大切にします。

気をつけたい落とし穴

進路選びの注意3つ
  • 「コードだけ書いていたい」と思って入ると、現実とのギャップに驚く。チームで働く前提
  • 体は座りっぱなしになりがち。中高生のうちから運動と姿勢の習慣をつけておく方がよい
  • 残業・徹夜のイメージがあるが、近年は働き方改革でかなり改善。会社選びで大きく変わる

将来どう役立つ?

「プログラマー=コードだけ」と思って入社した新人は、現実の幅広い仕事に戸惑いがちです。逆に「設計や説明も大事な仕事」と知った上で入る人は、入社後に仕事を理解しやすくなります。中高生のうちに本当の1日を知っておくのは、進路選びの大きな助けになります。

今からできる準備は、コードを書く練習だけではありません。作ったものを友達に説明する、READMEを書く、なぜその機能を作ったのかを言葉にする。こうした練習は、将来チームで働くときにそのまま役立ちます。

また、質問の仕方も仕事の一部です。「動きません」だけでは相手が助けにくいですが、「このコードで、何行目にこのエラーが出ます。ここまでは試しました」と言えると、チームの時間を大切にできます。中高生のうちから、エラー内容と試したことをセットで伝える癖をつけると強いです。

今日からできること

3ステップで始めよう
  1. YouTubeで「現役エンジニア 1日 ルーティン」を検索して動画を3本見る
  2. 気になった会社のエンジニア採用ページで「1日の流れ」を読む
  3. 友達と一緒にちょっとしたアプリを作って、「設計→コーディング→レビュー」の流れを体験してみる

まとめ

プログラマーの1日は、コードを書く時間が約4割、残りは設計・会議・レビュー・調査・ドキュメントです。1人で完結する仕事は意外と少なく、チームで働く時間の方が長い。中高生のうちに本当の1日を知っておくと、進路選びや就職後のギャップを小さくできます。