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江戸の三大改革 ── 享保・寛政・天保

江戸幕府は約260年続きましたが、後半になると 財政難・飢饉・農民反乱で深刻な危機に陥ります。これに対し、幕府は3度大規模な改革を行いました。享保(きょうほう)の改革(吉宗)・寛政(かんせい)の改革(定信)・天保(てんぽう)の改革(忠邦)。今回はこの「三大改革」と、その間にある 田沼時代を、一段くわしく整理します。

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江戸の三大改革 ── 享保・寛政・天保の流れ 背景 できごと 変化 影響 歴史は、背景、できごと、社会の変化、後の時代への影響を順 に並べると因果関係が見えます。
江戸の三大改革 ── 享保・寛政・天保の流れ

歴史は、背景、できごと、社会の変化、後の時代への影響を順に並べると因果関係が見えます。

江戸時代後半の問題

  • 幕府財政の悪化:金銀の産出減・贅沢な暮らし・大火事・天災での出費
  • 飢饉:18世紀以降、寒冷化で凶作・飢饉が頻発(享保の大飢饉・天明の大飢饉・天保の大飢饉)
  • 農民反乱:百姓一揆・打ちこわしが多発
  • 武士の困窮:物価上昇に対し、米で給料をもらう武士の生活は苦しい

① 享保の改革(1716〜1745年)── 8代吉宗

人物
徳川吉宗(とくがわよしむね、8代将軍)
紀州藩主から将軍に。「暴れん坊将軍」のモデル。倹約と農業重視で幕府財政を立て直そうとした。
  • 倹約令:贅沢を禁じ、質素を奨励。
  • 新田開発:年貢収入を増やすために新しい田を開く。
  • 上米の制(あげまいのせい):大名から米を上納させる代わりに、参勤交代を緩和。
  • 公事方御定書(くじかたおさだめがき):刑罰・裁判の法律集。
  • 目安箱:庶民の意見を聞くための投書箱。江戸城に設置。
  • 定免法(じょうめんほう):年貢率を一定に固定し、安定した税収を目指す。

吉宗の改革は 一定の成功を収め、幕府財政は持ち直しました。

田沼時代(1772〜1786年)── 田沼意次(おきつぐ)

  • 10代将軍家治のもと、老中 田沼意次が政治を主導。
  • 農業中心の従来政策と違い、商業を重視
  • 株仲間を公認し、税(運上金・冥加金)を取る。
  • 蝦夷地開発を計画。
  • 長崎貿易を拡大し、銅を輸出。
  • しかし、賄賂・腐敗が広まり、天明の大飢饉(1782〜87)が起きて批判が集中。
  • 1786年に田沼は失脚。

② 寛政の改革(1787〜1793年)── 松平定信

人物
松平定信(まつだいらさだのぶ)
白河藩主から老中に。吉宗の孫。田沼の腐敗・大飢饉のあとを受けて、厳格な引き締め政策を行った。
  • 倹約令:徹底した質素・倹約。
  • 囲い米(かこいまい):飢饉に備えて各藩に米を蓄えさせる。
  • 棄捐令(きえんれい):旗本・御家人の借金を帳消し。
  • 寛政異学の禁:朱子学以外の儒学を禁止。学問の統制。
  • 出版統制:洒落本・黄表紙などの娯楽文学を禁止。
  • あまりに厳しく、庶民の反発も招いた:
    白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」(厳しすぎる定信よりも、緩い田沼のほうがよかった)

大塩平八郎の乱(1837年)

大塩平八郎の乱

背景天保の大飢饉(1833〜37)。大坂で米価が高騰、餓死者続出。

行動大坂町奉行所の元与力 大塩平八郎が、「救民」の旗を掲げて1837年に挙兵。

結果半日で鎮圧されたが、幕府の役人が反乱を起こしたこと自体が衝撃。幕府の威信が大きく揺らいだ。

③ 天保の改革(1841〜1843年)── 水野忠邦

人物
水野忠邦(みずのただくに)
12代将軍家慶のもとの老中。大塩平八郎の乱・外圧(モリソン号事件・アヘン戦争)への危機感から、強硬な改革を実施。
  • 倹約令:贅沢の徹底禁止。歌舞伎・寄席も統制。
  • 株仲間の解散:物価が上がるのは株仲間が独占しているから、と判断。
  • 人返しの法:江戸に流入した農民を強制的に農村に戻す。
  • 上知令(あげちれい):江戸・大坂周辺の大名・旗本の領地を幕府直轄に。
    → 大名・旗本の猛反発で 2年で挫折

水野忠邦の改革は失敗に終わり、彼自身が 1843年に失脚。これ以降、幕府は本格的な改革ができなくなり、内憂外患のなか 幕末へと進みます。

三大改革の比較

改革 人物 成果
享保1716-45徳川吉宗財政立て直しに成功
寛政1787-93松平定信厳しすぎて反発
天保1841-43水野忠邦失敗、忠邦失脚

練習問題

問題1(享保の改革)
享保の改革を行った将軍は誰か。江戸城に設置された「庶民の声を聞く投書箱」を何というか。
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将軍:徳川吉宗(8代)

投書箱:目安箱

問題2(田沼)
田沼意次の政治の特徴を、吉宗・定信と比べて答えなさい。
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吉宗・定信が 農業重視・倹約だったのに対し、田沼は 商業重視。株仲間を公認して税を取り、蝦夷地開発・長崎貿易の拡大などを進めた。しかし賄賂・腐敗が広がり、天明の大飢饉で批判を浴び失脚。

問題3(寛政の改革)
松平定信が行った政策を3つ挙げなさい。
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倹約令/囲い米/棄捐令/寛政異学の禁/出版統制 から3つ。

問題4(大塩平八郎)
大塩平八郎の乱はいつ、どこで起きたか。なぜ衝撃的だったか。
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年:1837年

場所:大坂(大阪)

衝撃:大坂町奉行所の元与力という幕府の役人が、反乱を起こしたこと。幕府の威信を大きく揺るがした。

まとめ

  • 江戸の三大改革:享保(吉宗)・寛政(松平定信)・天保(水野忠邦)
  • 吉宗:倹約・新田開発・目安箱・公事方御定書。財政立て直しに成功。
  • 間の 田沼意次は商業重視。株仲間公認も、賄賂と飢饉で失脚。
  • 松平定信:寛政の改革。厳格すぎて庶民の反発を招く。
  • 水野忠邦:天保の改革。株仲間解散・上知令で大名反発、2年で失敗。
  • 三大改革の失敗で、江戸幕府は揺らぎ 幕末へ。