敬語とは
立場や関係に応じて、尊敬語・謙譲語・丁寧語などを使い分ける。
敬語の基本分類
① 尊敬語:相手・話題の人の動作を 高める
② 謙譲語:自分・身内の動作を へりくだって、行為の向かう先を高める
③ 丁寧語:聞き手に対して 丁寧に話す(です・ます)
④ 丁重語:自分側の動作を丁重に述べ、聞き手への敬意を表す(参ります・申します など)
⑤ 美化語:言葉を上品にする(お茶・お菓子・ご飯 など)
① 尊敬語の作り方
(a) お・ご + 動詞 + になる
例:先生がお読みになる、お客様がご利用になる
(b) 動詞 + れる/られる
例:先生が行かれる、先生が来られる
(c) 特別な尊敬の動詞を使う
例:いらっしゃる、おっしゃる、なさる、召し上がる、ご覧になる
② 謙譲語の作り方
(a) お・ご + 動詞 + する/いたす
例:私がお持ちする、ご案内いたす
(b) 特別な謙譲の動詞を使う
例:参る、申す(申し上げる)、いたす、いただく、拝見する、伺う
③ 丁寧語
語尾を「です・ます」に変える
例:行く → 行きます、本だ → 本です
「ございます」も丁寧語の一種
→ 誰に対しても使える基本的な丁寧表現
丁重語と美化語
丁重語:動作の向かう先ではなく、聞き手に対して丁重に言う。例:私は明日、旅行に 参ります。
美化語:誰かを高めるのではなく、話し手が自分の言葉を上品にする。例:お鍋、お盆、ご飯。
「参る・申す・いたす・おる・存じる」などは、文の中で丁重語として働くことがある。
主要動詞の敬語表(最重要)
| 普通 | 尊敬語 | 謙譲語 |
|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 申す/申し上げる |
| する | なさる | いたす |
| 食べる | 召し上がる | いただく |
| 飲む | 召し上がる | いただく |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 行く | いらっしゃる | 参る/伺う |
| 来る | いらっしゃる | 参る |
| いる | いらっしゃる | おる |
| 聞く | お聞きになる | うかがう |
| 知る | ご存じだ | 存じる/存じ上げる |
| 会う | お会いになる | お目にかかる |
| もらう | いただく/頂戴する | |
| 与える | くださる | 差し上げる |
使い分けの基本 ── 主語で判断
主語が相手・目上の人(先生、お客様、上司など)→ 尊敬語
例:先生が おっしゃった(先生が言った)
例:先生が いらっしゃる(先生が来る)
主語が自分・身内(私、私たち、家族など)→ 謙譲語
例:私が 申し上げた(私が言った)
例:私が 参ります(私が行く)
→ 主語をしっかり見ることが大切
丁寧語と他の2つの違い
丁寧語(です・ます)は 動作の主語に関係なく、聞き手に対する丁寧さ
例:「明日は雨です。」(聞き手に対して丁寧)
尊敬・謙譲は 動作の主語に注目
3つを 組み合わせて使うことも:
例:「先生がおっしゃいました。」(尊敬 + 丁寧)
例:「私が申し上げました。」(謙譲 + 丁寧)
よくある二重敬語の誤り
× お話しになられる(「お〜になる」と「れる」の二重)
○ お話しになる、または 話される
× 拝見させていただく(「拝見」と「いただく」の二重)
○ 拝見する
→ 敬語は1つで十分、重ねすぎないように
場面別の敬語
- 授業中の先生との会話:尊敬語 + 丁寧語
- 家族や友達:丁寧語不要(普通の言い方)
- お客様への接客:尊敬語+謙譲語+丁寧語の組合せ
- 就職面接:すべての敬語を正しく使う
- メール・手紙:丁寧語+場面に応じた尊敬/謙譲
- 主語が相手・目上 → 尊敬語
- 主語が自分・身内 → 謙譲語
- 「先生がおっしゃった」(先生→尊敬)/「私が申し上げた」(私→謙譲)
- 主語が誰かを必ず確認
- 外部の人に話すとき、自分の家族・会社内の人は 身内扱い
- × 「父がおっしゃいました」(自分の父に尊敬は不適切)
- ○ 「父が申しました」(謙譲を使う)
- 会社で他社の人に:「弊社の田中が参ります」(社内の田中は身内)
- 敬語を重ねすぎると不自然
- × おっしゃられる(おっしゃる+れる)
- ○ おっしゃる
- × 召し上がられる
- ○ 召し上がる
教科書で確認した敬意の向き
- 尊敬語は、動作・行為をする人を高める。
- 謙譲語は、自分側の動作をへりくだって述べ、行為の向かう先への敬意を表す。
- 丁重語は、行為の向かう先ではなく、聞き手への敬意を表す。美化語は言葉を上品にする働き。
- 「先生がご覧になる」は先生の動作を高める尊敬語。
- 「私が先生にお見せする」は先生へ向かう自分側の動作なので謙譲語。
練習問題
次の言葉はどの敬語か。
- おっしゃる
- 申し上げる
- 参ります(聞き手に丁重に言う場合)
- 召し上がる
- いただく
- です・ます
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(1) 尊敬語 (2) 謙譲語 (3) 丁寧語 (4) 尊敬語 (5) 謙譲語 (6) 丁重語
- 先生が来た。 → ?
- 私が話した。(先生に対して)→ ?
- 先生が見た。 → ?
- 私が食べた。(お客様の前で)→ ?
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(1) 先生がいらっしゃった
(2) 私が申し上げた
(3) 先生がご覧になった
(4) 私がいただきました
次の誤りを直せ。
- 先生がおっしゃられました
- 父がいらっしゃいました(他社の人に)
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(1) 「おっしゃる」+「れる」の二重敬語。→ 「先生がおっしゃいました」
(2) 父は身内なので謙譲。→ 「父が参りました」
「お客様から商品を受け取った」を、お客様に対して丁寧に言いかえよ。
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「お客様から商品をいただきました」(謙譲+丁寧)
まとめ
- 敬語はまず 尊敬語・謙譲語・丁寧語 を区別する。
- 尊敬:相手の動作を高める。
- 謙譲:自分側の動作をへりくだり、行為の向かう先を高める。
- 丁寧:聞き手に対する丁寧表現(です・ます)。
- 丁重語は聞き手への敬意、美化語は言葉を上品にする表現。
- 主語が誰かで尊敬/謙譲を使い分ける。
- 身内(家族・社内の人)には謙譲語を使う。
- 二重敬語は不自然、敬語は1つで十分。