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7章 データの活用 ── 章末30問問題集

7章の総まとめ 30問。四分位数・箱ひげ図・データ比較を一気に復習。中2数学の最終章で、データを扱う基礎を完成させましょう。

復習のポイント

  • 四分位数:データを4等分する3つの値(Q₁、Q₂、Q₃)
  • Q₂ = 中央値(メジアン)
  • 四分位範囲 = Q₃ − Q₁(中央50%の散らばり)
  • 箱ひげ図:5つの値(min, Q₁, Q₂, Q₃, max)で作る
  • 箱の長さ = 四分位範囲
  • 外れ値:他のデータから極端に離れた値
  • 平均値は外れ値の影響大、中央値は影響小

解く前にそろえる型

  • 四分位数は、まずデータを小さい順に並べてから求める。並べ替えを省くと、中央値もQ1・Q3もずれる。
  • データの個数が奇数のとき、Q1・Q3を求める上下半分には中央値を含めない扱いで統一する。
  • 箱ひげ図は「最小値、Q1、中央値、Q3、最大値」の5数要約を数直線上に置く図。箱の長さだけで全範囲を判断しない。
  • 比較問題では、中央値で中心、四分位範囲で中央50%の散らばり、最大値・最小値で端の広がりを見る。
例:7個のデータ 2, 4, 6, 8, 10, 12, 20

中央値Q2は4番目の8。下半分は2,4,6なのでQ1=4、上半分は10,12,20なのでQ3=12。

四分位範囲は 12−4=8。範囲は 20−2=18。外れ値の影響を受けやすいのは範囲のほう。

この章でつまずきやすいところ

データの活用は、計算自体は易しいのに「どこを読むのか」で迷子になりやすい単元です。並べ替え忘れ・偶数個の中央値・箱の長さの読み違い・中央値だけで結論、という4つの迷いを、本文や問題を読んでいる途中で起こる順に整理します。

並べ替える前に四分位数を求めようとしてしまう

  • つまずく場面:問題文に「3, 6, 8, 10, 12, 14, 18」と最初から並んだデータが並んでいると、本文の『小さい順に並べる』という前提を読み飛ばし、ばらばらの数列でも同じ手順でQ₁やQ₃を求められると思い込んでしまう場面。
  • 克服のコツ:見分け方は順序の確認。(1)昇順に並べ直す → (2)中央値Q₂を決める → (3)下半分・上半分に分けてQ₁とQ₃を読む、の手順の順序を必ず守る。本文の例題で先頭から並んでいるのは「すでに並んだ後の図」だと意識する。
  • ミニ例:「12, 4, 8, 6, 10, 14, 2」を並べ替えずに4番目の6をQ₂とし、下半分「12,4,8」の中央値8をそのままQ₁にしてしまうとQ₁=8に見える。正しくは昇順に並べ替えて「2,4,6,8,10,12,14」とし、Q₂=8、Q₁=4、Q₃=12。順序を整える前後で値が変わる。

偶数個のデータで中央2つの平均を取り忘れる

  • つまずく場面:本文の「2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16」のような偶数個データを見たとき、ちょうど真ん中の値を1つ選びたくなって「Q₂=8」や「Q₂=10」と片方だけ書いてしまい、中央値の位置が決まらず手が止まる場面。
  • 克服のコツ:見分け方は個数の偶奇。nが奇数なら(n+1)/2番目の1つ、nが偶数ならn/2番目と(n/2+1)番目の2つの平均を取る。下半分・上半分に分けるときも、偶数個なら中央2値で素直に分割する手順を守る。
  • ミニ例:「2,4,6,8,10,12,14,16」の中央は4番目8と5番目10。Q₂=(8+10)/2=9。下半分「2,4,6,8」のQ₁=(4+6)/2=5、上半分「10,12,14,16」のQ₃=(12+14)/2=13となる。

箱の長さを「人数の多さ」と読み違える

  • つまずく場面:箱ひげ図を見ながら「Aクラスの方が箱が長いから人数が多い」と書きそうになり、本文の『箱の長さ=四分位範囲=中央50%の散らばり』という説明と頭の中の図がうまく結びつかず、何を表しているか分からなくなる場面。
  • 克服のコツ:見分け方は位置関係。箱ひげ図の横方向は値の大きさ、箱の長さは中央50%がどれだけ広がっているかを示す。人数や度数を表すのはヒストグラム。「箱が長い=真ん中の50%がばらついている」と言い換えて読む。
  • ミニ例:Aの箱が10〜20でBの箱が5〜25のとき、箱の長さは10と20で、Bの方が中央50%の散らばりが大きい(箱ひげ図は人数の多さを表さない)。

中央値が同じなら散らばりも同じだと決めてしまう

  • つまずく場面:比較問題で「Aの中央値=65、Bの中央値=65」と読んだ瞬間、「同じ点数の集まり」と早合点して結論を書こうとし、四分位範囲や最大・最小をまだ見ていないのに本文の比較手順を飛ばしてしまう場面。
  • 克服のコツ:見分け方は因果関係。中央値は真ん中1点の情報でしかなく、散らばりとは別物。比較するときは(1)中央値で中心 → (2)四分位範囲で中央50%の散らばり → (3)最大値・最小値で端の広がりの順に必ず3つを読む。
  • ミニ例:中央値はどちらも65でも、Aの四分位範囲が10、Bが20ならBの方が散らばりが大きい。教科書では「Aの方が点数が安定している」と整理する。
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A 基本用語(10問)
  1. 四分位数とは何か
  2. 第2四分位数は何の別名か
  3. 箱ひげ図に使う5つの値
  4. 箱の長さは何を表すか
  5. 外れ値とは
  6. 外れ値の影響を受けやすいのは平均値か中央値か
  7. 四分位範囲は何を測るか
  8. 箱ひげ図のひげの長さは何を示すか
  9. 「同じくらい」の中央値で四分位範囲が大きい方が散らばりが大きいか小さいか
  10. 箱ひげ図とヒストグラム、複数データの比較に向くのは
答えを見る

(1) データを4等分する3つの値(Q₁、Q₂、Q₃)

(2) 中央値(メジアン)

(3) 最小値、Q₁、Q₂(中央値)、Q₃、最大値

(4) 四分位範囲(中央50%の散らばり)

(5) 他のデータから極端に離れた値 (6) 平均値

(7) 中央50%の散らばり (8) 全体の散らばり(端のデータまでの距離)

(9) 散らばりが大きい (10) 箱ひげ図

B 計算(10問)
  1. データ 3, 6, 8, 10, 12, 14, 18 の中央値
  2. 同データの Q₁
  3. 同データの Q₃
  4. 同データの四分位範囲
  5. データ 5, 7, 9, 11, 13, 15 の中央値
  6. 同データの四分位範囲
  7. データ 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16 の Q₂
  8. 同データの Q₁
  9. 同データの Q₃
  10. 同データの最大値・最小値
答えを見る

(1) 10 (2) 6 (3) 14 (4) 8(=14−6)

(5) (9+11)/2 = 10 (6) Q₁=7, Q₃=13、四分位範囲=6

(7) (8+10)/2 = 9 (8) (4+6)/2 = 5 (9) (12+14)/2 = 13

(10) 最大=16、最小=2

C 箱ひげ図の読み取り(5問)
  1. あるデータの5数要約:min=5, Q₁=10, Q₂=15, Q₃=20, max=25。四分位範囲
  2. 同データの全範囲
  3. 中央50%のデータがある範囲
  4. 2つのクラスの中央値:A=70、B=65。どちらが点数高い
  5. 四分位範囲:A=10、B=20。どちらが散らばり大
答えを見る

(1) 20−10 = 10 (2) 25−5 = 20 (3) 10〜20

(4) A(中央値が高い) (5) B(IQR大)

D 応用・比較(5問)
  1. 平均値と中央値、外れ値があるとき代表値としてどちらが信頼できる
  2. 「中央値が同じ=散らばりも同じ」と言えるか
  3. 2クラスのテスト:A の中央値70、B の中央値75、IQR A=10、B=15。どう判断
  4. 箱ひげ図で「中央値が箱の左寄り」だと、データはどう分布
  5. 四分位範囲の1.5倍を超える値が外れ値の目安。Q₁=10、Q₃=20 のとき外れ値の境界
答えを見る

(1) 中央値(外れ値の影響を受けにくい)

(2) 言えない(散らばりは四分位範囲を見ないと分からない)

(3) 中央値はBが高い(75>70)が、それだけで「全体的に高得点」とは断定できない。IQR(四分位範囲)はAが10、Bが15なので、Aの方が散らばりが小さく均一。

(4) データが左に集まり、右に長く裾を引く(右に長い分布)

(5) IQR = 10、Q₁ − 1.5×10 = −5 より小、Q₃ + 1.5×10 = 35 より大

テスト前のチェックリスト

  • □ データを昇順に並べる
  • □ 中央値の位置(奇数個・偶数個で違う)
  • □ Q₁ = 下半分の中央値、Q₃ = 上半分の中央値
  • □ 四分位範囲 = Q₃ − Q₁
  • □ 箱ひげ図の5つの値
  • □ 平均値と中央値の使い分け
  • □ 外れ値の判定基準(IQR の1.5倍)
  • □ 複数データの比較は箱ひげ図で
つまずきポイントの再確認
  • 偶数個のデータ:中央値は中央2つの平均
  • 中央値の位置:n が奇数なら (n+1)/2 番目、偶数なら n/2 と (n/2)+1 の平均
  • 上下半分の分け方:奇数個のときは中央値を除いて分ける
  • 散らばりの指標:範囲は外れ値の影響大、四分位範囲は影響小

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

年収は「平均」より「真ん中」を見る実生活

厚生労働省の国民生活基礎調査では、2022年の1世帯あたり平均所得は524万2千円ですが、中央値は405万円で、平均より低く出ています。これは一部の高所得世帯が平均を押し上げるためで、平均所得以下の世帯が62.2%を占めます。代表値を平均だけで判断せず中央値も見るという、この章で学ぶ考え方そのものです。

出典:厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況

台風の予報円は「70%」のばらつき実生活

気象庁の台風進路予報で示される予報円は、その時刻に台風の中心が円内に入る確率が70%である範囲を表します。先の時刻ほど予測のばらつきが大きくなるため円も大きくなります。一つの値ではなく「散らばりの幅」で予測を伝える、データの活用の実例です。

出典:気象庁 台風情報の種類と表現方法

ばらつきで予報の信頼度を測る「アンサンブル予報」発展

気象庁は、初期値をわずかずつ変えた多数の予報を行い、その平均やばらつきの程度から予測する「アンサンブル予報」を使っています。予報どうしが密集していれば信頼度が高く、広く散らばっていれば信頼度が低いと判断します。散らばりの大小を意味として読み取る、四分位範囲の発展的な使い方です。

出典:気象庁 アンサンブル予報

外れ値は四分位範囲の1.5倍が目安発展

高校の「データの分析」では、第1四分位数Q₁や第3四分位数Q₃から四分位範囲(IQR)の1.5倍を超えて離れた値を、外れ値の目安とすることがあります。たとえばQ₁=10、Q₃=20ならIQR=10で、−5より小さい値や35より大きい値が候補です。中2で学ぶ四分位数が、上の学年でも外れ値の判定に直結します。

出典:文部科学省 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編(数学Ⅰ「データの分析」)

毎年の体力テストを箱ひげ図で比べる実生活

スポーツ庁は全国体力・運動能力、運動習慣等調査を毎年行い、都道府県や年度ごとの記録を公開しています。こうしたデータは、中央値で中心、四分位範囲で中央50%の散らばりを比べることで、平均だけでは見えない地域差や年ごとの変化を読み取れます。箱ひげ図が役立つ典型的な場面です。

出典:スポーツ庁 令和6年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果