図でつかむ
左の直列回路では電流はどこで測っても0.5A、右の並列回路では幹線の1.0Aが枝の0.6Aと0.4Aに分かれ、合流すると元に戻ります。電流計は直列(串刺し)・電圧計は並列(橋渡し)というつなぎ方のルールもあわせて押さえましょう。
回路とは
回路図の記号
- 電池:長い線が+、短い線が−
- 豆電球:×印を丸で囲んだ記号
- スイッチ:開いた接点
- 抵抗器:四角またはギザギザ
- 電流計:A の文字
- 電圧計:V の文字
- 導線:直線
直列回路と並列回路
| 直列 | 並列 | |
|---|---|---|
| つなぎ方 | 1本道 | 分かれている |
| 電流 | どこも同じ | 枝分かれで分かれる |
| 電圧 | 各部分の和 | どこも同じ |
| 1つ切れたら | すべて消える | 他は点く |
| 家庭の電気 | — | 並列 |
電流と電圧
電流:電気の流れる量。単位 A(アンペア)
電圧:電流を流す力の差。単位 V(ボルト)
電流のイメージ
電圧:水位の差(高低差)→ 水が流れる力
電流:流れる水の量
抵抗:水路の細さ → 流れにくさ
回路:水が一周する水路
電流の単位と換算
- 1 A = 1000 mA(ミリアンペア)
- 例:豆電球 約 0.3A、LED 約 20 mA
- 家庭の電気:数A〜数十A
- 雷:数万A
電圧の身近な値
- 乾電池:1.5V
- 家庭のコンセント:100V
- 送電線:6600V 〜 数十万V
- 雷:1億V 以上
電流計と電圧計のつなぎ方
電流計:直列につなぐ(測りたい点に串刺し)
電圧計:並列につなぐ(測りたい両端に橋渡し)
+端子:電池の+極側
−端子:3つあるので、最大の電流/電圧から徐々に小さく試す
電流計・電圧計の使い方
- ① まず最大値の端子に接続
- ② 針が動きすぎなければ、より小さい端子に変える
- ③ 針が動きすぎたら、すぐに切る(壊れる)
- ④ 必ず+端子は+極側
直列回路の電流
電池 → 豆電球A → 豆電球B → 電池 の直列回路
どの点でも電流は 同じ
例:A、B、電線のどこを測っても 0.5A
目的:直列回路と並列回路で、各点を流れる電流がどう変わるかを調べる。
手順:測りたい点の導線を一度外し、その場所に電流計を直列につなぐ。
観察事実:直列回路では、豆電球の前後で電流の大きさはほぼ同じになる。
結論:直列回路では、回路のどこを通っても電流は1本道なので同じ大きさで流れる。
並列回路の電流
電池 → 分岐点 → 豆電球A/豆電球B(並列)→ 合流点 → 電池
幹線(電池側)の電流 = 枝の電流の合計
例:電池側 1A → A に 0.6A、B に 0.4A
観察事実:枝分かれする前の電流は、各枝を流れる電流の和とほぼ等しい。
考察:分岐点で電流が分かれ、合流点で再び集まるため、全体の電流は枝の合計になる。
式:I = I₁ + I₂(枝が2本の場合)
- 電流計:道に 串刺しで(直列)
- 電圧計:道の 両側に(並列)
- 逆につなぐと壊れることがある。
- 1 A = 1000 mA
- 例:1.5A = 1500 mA、200 mA = 0.2A
- テストで単位を間違えないように。
- 電池の+極と−極を導線だけで直接つなぐと、大きな電流が流れて発熱する。
- 電流計を並列につなぐのも、抵抗が小さすぎる道を作るため危険である。
- 測定前に、豆電球や抵抗器を通る道筋になっているか確認する。
この章でつまずきやすいところ
回路の単元は、用語の意味よりも「どう手を動かすか」「どこに何をつなぐか」で迷いやすい場所です。本文を読み進める途中で立ち止まりやすい場面を4つ整理し、その場で確かめるコツをまとめました。
電流計と電圧計のつなぎ方が逆になりかける
- つまずく場面:本文で「電流計は直列、電圧計は並列」と読んだ直後、回路図を見ると豆電球の両端に計器を置きたくなったり、直線の途中に電圧計を割り込ませたくなったりして、どちらがどちらか手が止まってしまう。
- 克服のコツ:位置関係で覚えると迷いません。電流計は「道に串刺し」、つまり導線を一度切ってその間に入れる。電圧計は「両岸に橋を渡す」、つまり測りたい部品の両端をまたぐ。串刺しか橋渡しかを図で確かめてからつなぐ習慣をつけましょう。
- ミニ例:豆電球を流れる電流を測るときは、豆電球の前で導線を外して電流計を割り込ませる。電圧を測るときは、豆電球はそのままで両端に電圧計をかける。
電流は電池で「使い切られて減る」と思い込んでしまう
- つまずく場面:本文で「直列回路ではどこを測っても電流は同じ」と書かれているのに、豆電球を通った後の電流は弱まっているのではないか、電池に戻るころには0になるのではないか、と読み返してしまう。
- 克服のコツ:因果関係で整理しましょう。電流は水路を一周する水の量と同じで、豆電球は水を消費するのではなく、水を流れにくくしているだけです。回路が閉じている限り、同じ量の電気が一周し続けます。減るのは電圧(流す力)であって、電流の量ではありません。
- ミニ例:電池→豆電球A→豆電球B→電池の直列回路で、Aの前後でもBの前後でも電流計の値は同じ 0.5A。豆電球を通ったから減る、ということは起きません。
並列回路で枝の電流をたしてよいか迷う
- つまずく場面:並列回路の図を見て、枝Aに0.6A、枝Bに0.4Aと書かれているとき、電池側の電流をそのまま0.6Aと答えるか、和の1.0Aと答えるか、本文を読み返しても確信が持てず手が止まる。
- 克服のコツ:位置関係で見分けます。分岐点より電池側(幹線)を測っているなら、すべての枝を合流させた量なので和。分岐点より豆電球側(枝)を測っているなら、その枝だけの量です。電流計が「分岐の前か後か」を図で必ず確かめましょう。
- ミニ例:電池→分岐点→豆電球A(0.6A)/豆電球B(0.4A)→合流点→電池の並列回路では、電池のすぐ横を流れる電流は1.0A。枝の中だけを見れば0.6Aと0.4Aです。
−端子は小さい値から試したくなる
- つまずく場面:電流計のつなぎ方の説明で「−端子は3つある」と読んだとき、針が動かないと困るから一番小さい端子から試したい気がしてくる。針の動きを確かめながら本文の手順を読み直してしまう。
- 克服のコツ:時系列で覚えます。①必ず最大の端子から接続する→②針の動きが小さければより小さい端子に付け替える→③針が振り切れそうならすぐに切る。逆順にすると大きな電流が流れたとき計器が壊れます。小さい端子から始めない、が鉄則です。
- ミニ例:5A、500mA、50mAの3端子があるとき、最初は5A端子につなぐ。針がほんの少ししか動かなければ、次に500mAへ、さらに小さければ50mAへと段階的に切り替えます。
練習問題
電流計と電圧計はそれぞれ直列・並列のどちらでつなぐか。
答えを見る
電流計:直列 / 電圧計:並列
- 2A = ___mA
- 500 mA = ___A
- 2400 V = ___ kV(キロボルト)
答えを見る
(1) 2000 (2) 0.5 (3) 2.4
2つの豆電球を直列につないだ回路で、1つの電球が切れるとどうなるか。並列の場合は。
答えを見る
直列:もう1つも消える(回路が切れる)/並列:もう1つは点いたまま(別の回路だから)
まとめ
- 回路:電流の通り道。直列/並列の2種類。
- 電流:A(アンペア)、電圧:V(ボルト)。
- 電流計:直列、電圧計:並列でつなぐ。
- 直列:電流一定、電圧は和。
- 並列:電圧一定、電流は分かれる。
- 家庭の電気は並列。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
家庭のコンセントが並列なのは分電盤のはたらき実生活
家に届いた電気は分電盤で複数の回路に分けられ、各部屋のコンセントや照明へ並列に配られます。だから一つの器具を消しても他は使え、各回路のブレーカーが独立して電流を見張り、使いすぎやショートのときだけその回路を切ってくれます。
たこ足配線が危ないのは電流が合計されるから実生活
並列につないだテーブルタップでは、つないだ器具すべての電流が一本のコードに合計されて流れます。定格の容量(たとえば合計1500Wなど)を超えると、その電流でコードやコンセント部分が異常に発熱し、発煙やショート、火災につながることがあります。
コンセントのトラッキング火災というショートの一種実生活
プラグをさしっぱなしにすると、刃の間にたまったホコリが湿気を吸い、わずかな電流が流れて発熱します。やがてホコリが炭になって電気の通り道(トラック)ができ、最後は刃の間がショートして発火する現象で、冷蔵庫など長く差したままの場所で起こりやすいです。
同じ回路でまとめて使うとブレーカーが落ちる実生活
並列の家庭配線では、同じ回路につながった器具の電流がすべて合計されて流れます。電子レンジやドライヤーなど大きな電流を使う器具を同じ回路で同時に使うと、合計が限度をこえて発熱の危険があり、それを防ぐためにブレーカーが回路を遮断します。
雷は空にたまった電気が一気に流れる巨大な放電発展
積乱雲の中で、あられと氷の粒がぶつかって電気(電荷)がプラスとマイナスに分かれてたまり、限界をこえると一気に放電します。これが雷で、雲と地面の間で電流が流れる落雷は、教科書で習う回路の電流と同じ電気の流れが桁外れに大きくなったものです。
出典:気象庁「雷とは」
