そもそもクラウドとは
クラウド(cloud)は、英語で「雲」という意味です。ITの世界では「インターネットの向こう側にある、誰かのコンピュータ」を借りて使う仕組みのことを指します。図にするとき、ネットの向こう側を雲のマークで描いていたことから、この呼び名がついたと言われています。
イメージしやすいのは「家電のレンタル」です。冷蔵庫を家に買って置く(自前のPCにデータを保存する)のではなく、誰かが運営している大きな冷蔵庫を必要なぶんだけ借りる(インターネット越しに保存する)。これがクラウドです。
クラウドの正体は、データセンターに並んでいる大量のサーバーです。見えない雲の中にデータがあるわけではなく、実際にはどこかの建物の中で電気を使って動いています。利用者は場所や機械を意識せず、アカウントでログインして使えるため「雲の向こうにある便利なコンピュータ」のように見えるのです。
仕組み:自分のPC vs クラウド
自分のPCにファイルを置くと、PCが壊れたり盗まれたりすればデータが消えます。クラウドに保存すれば、データはデータセンターのサーバーに置かれるので、PCを買い替えてもログインすれば取り戻せます。スマホ・PC・タブレットのどれからでも同じデータを見られるのが、クラウドの最大の強みです。
何に使われている?
気づかないうちに、私たちは1日に何十回もクラウドを使っています。Googleで検索する、Gmailで連絡する、Spotifyで音楽を聴く、Switchのセーブデータをオンライン保存する……すべてクラウドの上で動いている機能です。
中高生におすすめの活用法
まず一番役立つのは「課題のクラウド保存」。学校で書いたレポートをGoogleドライブに置いておけば、自宅のPCからもスマホからも続きを書けます。USBメモリを忘れて困る、PCが壊れて卒業制作が消えた、という事故が起きません。
次におすすめなのが「グループでの共同編集」。Googleドキュメントなら、4人で同じファイルを同時に書き込めます。文化祭のシナリオ、班のレポート、部活のスケジュール表など、メンバー全員で1つの最新版を共有できます。
もう一つ大切なのは、共有設定の練習です。「自分だけ」「リンクを知っている人」「特定の相手だけ」「編集可」「閲覧のみ」では意味がまったく違います。友達に見せるだけなら閲覧のみ、班で共同編集するなら編集可、個人情報が入るものは特定の相手だけ。クラウドを使える人は、保存できるだけでなく、誰にどこまで見せるかを管理できます。
気をつけたい落とし穴
- パスワードが漏れると、世界中の誰かにファイルを見られる可能性がある。2段階認証は必ずONに
- 無料プランは容量制限・サービス終了のリスクがある。大事なデータは複数の場所にバックアップする
- 個人情報・他人の写真・違法コピー素材を上げない。クラウド側の利用規約違反になる
将来どう役立つ?
世界の企業の多くが、自社のシステムを自前のサーバーからクラウドへ移しています。クラウドサービスを設計・運用できるエンジニアは、IT業界の中でも特に需要の高い職種です。学生のうちにクラウドを「ユーザー」として使い慣れておくと、就職後に「設計する側」へ進む土台になります。
クラウドには、SaaS、PaaS、IaaSという大きな分類があります。GmailやGoogleドキュメントのように完成したサービスを使うのがSaaS、アプリを動かす土台を借りるのがPaaS、サーバーやネットワークそのものを借りるのがIaaSです。最初は言葉だけで十分ですが、この分類を知っておくと、AWSやAzure、Google Cloudを学ぶときに全体像をつかみやすくなります。
今日からできること
- Googleアカウントの2段階認証を有効にする(設定→セキュリティ)
- 学校のレポートを1つ、Googleドキュメントで作って保存する
- スマホの写真をGoogleフォトでバックアップする設定をONにする