ネットワークとは?

LINEが届くとき、スマホからスマホへ直線ではありません。家の箱、外の住所、途中の乗り換え。情報Ⅰのネットワークは、この乗り換えの地図です。

そもそもネットワークとは?

ネットワークとは、複数のコンピュータが線(ケーブルや無線)でつながって、データを送り合っている状態のことです。家の中のWi-Fiも、学校のLANも、世界中をつなぐインターネットも、すべて「ネットワーク」のひとつです。

規模で名前が変わります。家や教室など狭い範囲ならLAN(Local Area Network)、町や国をまたぐ広域ならWAN(Wide Area Network)、世界中のWANをつないだものがインターネットです。

身近な例で考えると、学校の教室内でプリンターを共有するのもネットワークです。スマホから家のテレビに動画を飛ばす、ゲーム機同士で通信する、Bluetoothイヤホンに音を送る。どれも「機械同士が決まりに従ってデータを送る」仕組みで動いています。

仕組み:家からインターネットへの旅

あなたがスマホで動画を再生するとき、データは下のような経路をたどってサーバーから届きます。たくさんの「中継地点」を経由していますが、これが0.数秒で完了します。

このとき、あなたのスマホは「動画をください」とリクエストを出し、サーバーは動画データを小さなかたまりに分けて返します。途中のルーターは、荷物の配送センターのように「次はどこへ送るか」を判断します。ネットワークは、速くて見えない郵便システムのようなものです。

スマホでYouTube動画を再生する時のデータの旅 合計0.05秒で世界の裏側からデータが届く。各区間で何が起きているか あなたのスマホ → Wi-Fiルーター(家庭内LAN) Wi-Fi 5/6 で無線通信。距離10m以内 2 ms Wi-Fiルーター → プロバイダ(NTT・KDDI等) 光ファイバーで地域の中継局へ 5 ms プロバイダ → IXP(相互接続点) 日本のJPIX等の中継センター 8 ms IXP → 海底ケーブル → 米国のCDN 太平洋海底ケーブルで光信号として伝送 25 ms(最も遠い区間) CDN(YouTubeのキャッシュサーバー)→ 動画返送 日本国内のキャッシュ拠点なら海外に行かない 10 ms 合計:約50ミリ秒(0.05秒)で動画の最初のデータが届く この往復が動画再生中も続く。回線が遅いとここで遅延が発生する
図1:スマホ→ルーター→プロバイダ→海底ケーブル→米国YouTubeまで0.05秒。普段は意識しない経路

主な種類と使われ方

ネットワークと言ってもいろいろあります。普段触っている代表的な8つを並べると、ネットワークがいかに生活に溶け込んでいるかがわかります。

同じ「つながる」でも、目的によって向き不向きがあります。Wi-Fiは家の中で便利、有線LANは安定、Bluetoothは近くの機器同士、4G/5Gは外出先に強い。ネットワークを学ぶと、「なぜこの場面では遅いのか」「なぜ有線にすると安定するのか」を説明できるようになります。

主要ネットワーク技術の速度と距離 用途で適切な技術が決まる。家ならWi-Fi、長距離なら5G/光、近距離ならBluetooth 最大速度 通信距離・特徴 有線LAN(光ファイバー) 10 Gbps 最も速く安定。距離数km・有線必須 Wi-Fi 6(家庭・オフィス) 9.6 Gbps 無線で家中。距離10〜30m・電子レンジで干渉 5G(モバイル通信) 4 Gbps 外出先で高速。距離数km・基地局密度依存 Bluetooth 5.3(近距離) 2 Mbps イヤホン・キーボード接続用。距離10m以内 衛星通信(Starlink等) 200 Mbps 山奥・船上でも使える。距離無制限・遅延あり 0 10 Gbps
図2:用途で選ぶ。有線LANが最速、Wi-Fiが家中で便利、5Gが外出先、Bluetoothが近距離

気をつけたい落とし穴

勘違いしやすい3つ
  • 「Wi-Fi」と「インターネット」は別物。Wi-Fiは家の中を無線でつなぐ部分、インターネットはその先につながる世界全体
  • 無料の公衆Wi-Fiでは大事な操作(買い物・銀行)はしない。盗み見されやすい
  • Wi-Fiが速い=速度が出る、ではない。回線契約と外との通信速度が決まれば、最終的にはそちらが上限

将来どう役立つ?

クラウド・IoT・5G・自動運転、いずれの技術もネットワークがなければ動きません。インフラ寄りのエンジニアは慢性的に人手不足で、求人も安定しています。基礎を理解しておくと、IT全般の理解がぐっと深まります。

プログラミングを学ぶ人にもネットワーク知識は役立ちます。Webアプリがサーバーに接続できない、APIの返事が遅い、ログインできない。こうした問題の裏には、ネットワークの仕組みが関係していることがあります。基礎を知っているだけで、トラブルの切り分けがしやすくなります。

今日からできること

今日の課題:家から外までの経路を3段で書く
  1. 自分の端末
  2. 家のルーター(名前が分からなければ「家の箱」)
  3. その先のインターネット

まとめ

ネットワークとは、コンピュータ同士をつないでデータをやりとりする仕組み。家のLANから世界のインターネットまで、すべて同じ原理でつながっています。Wi-Fi・LAN・WANといった用語の違いがわかるようになるだけで、ITニュースの読み方が変わります。

確認 ネットワークに一番近いものは?