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冬はシベリア気団から北西の季節風、夏は小笠原気団から南東の季節風が吹き込みます。梅雨は、オホーツク海気団と小笠原気団の勢力がつり合って停滞前線(梅雨前線)ができる時期です。
気団 ── 日本の天気を作る4つの空気のかたまり
| 気団 | 位置 | 性質 | 勢力をもつ季節 |
|---|---|---|---|
| シベリア気団 | 大陸(北西) | 寒冷・乾燥 | 冬 |
| オホーツク海気団 | 北東の海 | 冷涼・湿潤 | 梅雨・初秋 |
| 小笠原気団 | 南東の海 | 温暖・湿潤 | 夏 |
| 長江(揚子江)気団 | 中国大陸南部 | 温暖・乾燥 | 春・秋 |
春の天気
長江気団から分かれた移動性高気圧と低気圧が交互にやってくる
→ 3〜4日周期で天気が変わる
「春に三日の晴れなし」「春の天気は変わりやすい」
中盤〜後半:黄砂(中国大陸の砂が飛んでくる)
朝晩寒く、昼暖かい(気温差が大きい)
梅雨
オホーツク海気団(冷たい)と 小笠原気団(暖かい)の勢力がつり合う
→ 日本付近に 停滞前線(梅雨前線)が東西に伸びる
→ 長く雨が続く(毎日のように雨)
梅雨明け:小笠原気団が強くなり前線を北へ押し上げる
→ そのまま夏へ
夏の天気
小笠原気団が日本を覆う
→ 南高北低の気圧配置(南に高気圧、北に低気圧)
→ 南東の季節風(海から大陸へ)
温暖・湿潤 → 蒸し暑い
午後:強い日射で上昇気流 → 夕立(積乱雲・雷)
秋の天気
小笠原気団の勢力が弱まる
9月初め:北からの寒気団が南下 → 秋雨前線(停滞前線)
秋本番:移動性高気圧と低気圧が交互(春と似た周期)
「天高く馬肥ゆる秋」 → 移動性高気圧で晴天
8〜10月:台風のシーズン
冬の天気
シベリア気団が発達
→ 西高東低の気圧配置(西に高気圧、東に低気圧)
→ 北西の季節風(大陸から海へ)
日本海を渡る間に水蒸気を含む
→ 日本海側の山にぶつかって 大雪を降らせる
→ 太平洋側に来るときは 乾燥した風(からっ風)
気象衛星の画像では、この雪雲が日本海の上に列を作り 筋状の雲として見える。
季節風 ── 季節で向きが変わる風
夏:海 → 大陸 / 冬:大陸 → 海
夏:大陸が熱くなる → 大陸で上昇気流 → 海から大陸へ南東風
冬:大陸が冷える → 大陸で下降気流(高気圧)→ 大陸から海へ北西風
→ 海と陸の あたたまりやすさの差が原因
台風
主に 夏〜秋に発生し、日本に接近すると大雨・強風をもたらす。
発生:太平洋の熱帯(北緯 5〜20度くらい)
エネルギー源:海面から蒸発した 水蒸気(凝結時の熱)
中心に「眼」(雲のない静かな部分)
前線を伴わない(暖気だけでできている)
陸上に上がると勢力が弱まる(水蒸気の補給が切れる)
日本付近で偏西風に乗って 北東へ進路を変える
偏西風
中緯度(日本付近)の上空には 偏西風(西風)が吹いている
→ 移動性高気圧・低気圧は 西から東へ動く(台風は低緯度では西寄りに進み、日本付近で偏西風に乗って北東へ進路を変える)
→ 天気は 西から変わる
「西の空が暗くなれば雨が近い」
- 冬:シベリア気団 / 梅雨:オホーツク海+小笠原のせめぎ合い
- 夏:小笠原気団 / 春・秋:移動性高気圧(長江気団)
- 気団の 位置・性質・季節をセットで覚える
- 冬:西高東低(西に高、東に低)→ 北西風
- 夏:南高北低(南に高、北に低)→ 南東風
- 等圧線の並びをイメージできるように
- 日本海側:北西風が水蒸気を含む → 山にぶつかり 大雪
- 太平洋側:山を越えた風は乾く → 晴天・乾燥
- 同じ風でも山を境に天気が真逆
この章でつまずきやすいところ
日本の四季の天気は、4つの気団と季節風、気圧配置が組み合わさって決まります。本文を読み進めるうちに、気団と季節の対応や、同じ冬の風でも日本海側と太平洋側で結果が真逆になる理由のところで手が止まりがちです。読みながらつまずきやすい場面を整理します。
梅雨は1つの気団が起こすと思い込んでしまう
- つまずく場面:本文の「梅雨」の段落を読んでいて、シベリア気団や小笠原気団のような名前が並ぶうちに、梅雨も主役の気団が1つあるはずだと考えてしまい、オホーツク海気団と小笠原気団のどちらか一方を選びそうになる場面。
- 克服のコツ:因果関係で整理する。冷たいオホーツク海気団と暖かい小笠原気団の勢力がつり合うから、境目の停滞前線(梅雨前線)が東西に伸びて動かず、長雨が続くという流れ。1つでは前線ができず、つり合いの結果として雨が長引くと押さえる。
- ミニ例:本文では、梅雨明けは小笠原気団が強くなり前線を北へ押し上げると書かれている。つまり、つり合いが崩れて夏の気団が勝った瞬間が梅雨明けだと読み取れる。
冬の北西風は最初から乾いていると思い込んでしまう
- つまずく場面:「冬」の段落で、シベリア気団は寒冷・乾燥と書かれているのを読んだ直後に、日本海側で大雪が降ると出てきて、乾いた風がなぜ大雪を降らせるのか分からなくなり、本文の流れを見失う場面。
- 克服のコツ:時系列で追う。①大陸から出た北西風は冷たく乾いている → ②日本海を渡る間に海から水蒸気を受け取る → ③日本の中央の山地(山脈)にぶつかって日本海側に雪を降らせる → ④山を越えた太平洋側では水分を落としたあとなので乾いた風になる(関東平野ではこれを「からっ風」と呼ぶ)、と4段階で読む。
- ミニ例:本文の「日本海を渡る間に水蒸気を含む」「太平洋側に来るときは乾燥した風」という記述をつなぐと、同じ北西風が日本海側で大雪、太平洋側で晴天という真逆の結果を生むしくみが見えてくる。
季節風の向きを暗記だけで決めてしまう
- つまずく場面:「季節風(モンスーン)」の用語説明を読んでいて、夏は海から大陸、冬は大陸から海、と覚えようとしたものの、なぜ向きが反対になるのかが本文だけだと頭に入らず、夏と冬を逆に書きそうになる場面。
- 克服のコツ:高気圧=季節風の出発点でそろえて押さえる。原因は海と陸のあたたまりやすさの差。夏は太平洋上の小笠原(太平洋)高気圧から、あたたまったユーラシア大陸の低圧部に向かって南〜南東の季節風が吹く。冬は冷えた大陸のシベリア高気圧から、相対的にあたたかい太平洋側へ北西の季節風が吹き出す。
- ミニ例:本文では夏が南高北低、冬が西高東低と整理されている。高気圧の位置と季節風の出発点が一致しているので、気圧配置の図とセットで読むと向きを取り違えにくい。
台風は前線を伴う低気圧だと思い込んでしまう
- つまずく場面:「秋」の段落で秋雨前線が出てきた直後に台風の話に移るため、台風も前線を伴う低気圧の一種だと考えてしまい、本文の「前線を伴わない」という記述で混乱する場面。
- 克服のコツ:見分け方で区別する。温帯低気圧は冷たい空気と暖かい空気がぶつかってできるので前線をもつ。台風は熱帯の海上で発生した熱帯低気圧が発達したもので、中身が同じあたたかい空気(暖気)でできているから前線ができない。あたたかい海から大量の水蒸気を受け取って発達するので、水蒸気の供給が絶たれる陸に上がると弱まる。
- ミニ例:本文では、台風が日本付近で偏西風に乗って北東へ進路を変えると書かれている。発生は熱帯、進路を変えるのは中緯度の偏西風という2つの風の領域を移動する現象だと読むと、秋雨前線とは別物だと整理できる。
練習問題
- 冬の天気を支配する気団
- 夏の天気を支配する気団
- 梅雨に関係する2つの気団
- 春・秋に勢力を持つ気団
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(1) シベリア気団 (2) 小笠原気団 (3) オホーツク海気団と小笠原気団 (4) 長江気団
冬の日本に吹く季節風の向きと、その風が日本海側と太平洋側にもたらす天気の違いを答えよ。
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北西の季節風。日本海を渡って水蒸気を含み、日本海側の山に大雪を降らせる。山を越えた風は乾燥するため太平洋側は晴天が続く。
台風が発生・発達するために必要なものは何か。なぜ秋に多いのか。
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暖かい海面(27℃以上)と水蒸気が必要。海の温度が最も高くなるのが夏の終わり〜秋なので、9月ごろに最も発達した台風が日本に来やすい。
日本付近の天気が西から変わる理由は何か。
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上空に偏西風(西寄りの強い風)が吹いており、高気圧・低気圧が西から東へ移動するため。
まとめ
- 日本の4気団:シベリア(冬)・オホーツク海(梅雨)・小笠原(夏)・長江(春秋)。
- 冬:西高東低、北西の季節風、日本海側で大雪。
- 夏:南高北低、南東の季節風、蒸し暑い。
- 梅雨:停滞前線(梅雨前線)、長雨。
- 春・秋:移動性高気圧・低気圧が3〜4日周期で。
- 台風:熱帯低気圧の発達、夏〜秋。
- 上空の偏西風で天気は西から東へ動く。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
台風のエネルギー源は「水蒸気が水にもどるときの熱」発展
台風はあたたかい海面から蒸発した水蒸気をエネルギー源にして発達します。上空で水蒸気が水滴の雲にもどる(凝結する)ときに熱を放出し、その熱が周りの空気をあたためて上昇気流を強めるため、中心の気圧がさらに下がっていきます。だから陸に上がって水蒸気の補給が切れると勢力は弱まります。
出典:気象庁「台風とは」
台風が秋に多く来るのは海水温がいちばん高くなるから発展
台風はおよそ海面水温が26〜27℃以上の海で発生し、28℃以上の海域でとくに発達しやすいといわれます。日本付近の海は真夏よりも少し遅れて夏の終わりから初秋に水温が最も高くなるため、勢力の強い台風が9月ごろに日本へ接近しやすくなります。
日本海側の大雪をつくる『筋状の雲』とJPCZ発展
冬の冷たく乾いた北西の季節風が暖かい日本海を渡るとき、海面から水蒸気と熱の補給を受けて雪雲が発達します。気象衛星の画像では、これらの雲が風の向きに並んで筋状の雲として見え、とくに雲が一本の帯のように集まる『日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)』ができると、特定の地域に大雪が集中します。
春にやってくる黄砂も偏西風と低気圧が運んでいる実生活
黄砂は中国大陸やモンゴルの砂漠・乾燥地から強風で巻き上げられた砂やちりが、上空の偏西風に乗って日本まで運ばれてくる現象です。雪どけ後で地面が乾き、低気圧が発達しやすい春(3〜5月)に最も多く観測され、空がかすんだり車や洗濯物が汚れたりします。
出典:気象庁「黄砂とは」
梅雨前線は2つの高気圧のせめぎ合いでできる停滞前線発展
梅雨の時期には、南の暖かく湿った太平洋高気圧(小笠原気団)と、北の冷たく湿ったオホーツク海高気圧(オホーツク海気団)が日本付近でぶつかり合います。両者の勢力がつり合うため境目が動きにくく、東西に長くのびた停滞前線(梅雨前線)となって長雨をもたらします。
天気予報が『西から下り坂』というのは上空の偏西風のせい実生活
日本がある中緯度の上空では偏西風という西風がいつも吹いており、高気圧や低気圧はこれに乗って西から東へ動きます。そのため天気もおおむね西から順に変わり、上海で雨が降ると翌日ごろには九州が雨になる、というくらいの速さで天気の分布が移っていきます。
