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海から蒸発した水蒸気が上空で冷えて雲になり、雨や雪として降って川や地下水で海へ戻ります。図の点線の矢印は、目に見えない水蒸気(気体)としての移動を表しています。
水の循環の全体像
- ① 海・湖・川の水 → 太陽熱で 蒸発 → 水蒸気に
- ② 水蒸気 → 上昇 → 上空で 冷却 → 凝結して水滴(雲)に
- ③ 雲 → 雨・雪・あられ → 降水として地表へ
- ④ 地表の水 → 川 → 海へ戻る
- ⑤ 地中にしみ込んだ水 → 地下水 → 湧き水 → 川へ
- 植物も水を吸い、葉から 蒸散させる(水蒸気を出す)
水の三態
| 状態 | 名前 | 変化の名前 |
|---|---|---|
| 固体 | 氷 | 融解(固→液)・凝固(液→固) |
| 液体 | 水 | 蒸発・気化(液→気)・凝結(気→液) |
| 気体 | 水蒸気 | 昇華(固↔気) |
地球上で 3つの状態が同時に存在するめずらしい物質
→ 海・川・湖(液体)、雲・水蒸気(気体)、氷・雪(固体)
→ 状態変化のたびに 熱を吸収・放出する(潜熱)
→ 地球の気候を作る重要な仕組み
飽和水蒸気量
気温が高いほど大きくなる。
| 気温 | 飽和水蒸気量 [g/m³] |
|---|---|
| 0℃ | 4.8 |
| 10℃ | 9.4 |
| 15℃ | 12.8 |
| 20℃ | 17.3 |
| 25℃ | 23.1 |
| 30℃ | 30.4 |
露点
その温度での飽和水蒸気量 = 空気中の実際の水蒸気量。
空気は冷えると、含める水蒸気量が減る
→ もう含みきれなくなったところで水滴が現れる
→ その境目の温度が 露点
露点が高い = 空気中の水蒸気が多い(ジメジメ)
露点が低い = 空気が乾いている
湿度の計算
気温20℃の空気の露点が10℃だった
→ 実際の水蒸気量 = 10℃の飽和水蒸気量 = 9.4 g/m³
→ 20℃の飽和水蒸気量 = 17.3 g/m³
→ 湿度 = 9.4 / 17.3 × 100 ≒ 54.3 %
雲のでき方
① 暖かく湿った空気が 上昇(熱・前線・山・低気圧などで)
② 上空ほど気圧が低い → 空気が 膨張する
③ 膨張すると 温度が下がる(断熱膨張による冷却)
④ 露点に達すると、水蒸気が凝結して水滴になる
このとき、空気中の微小なちりなどの凝結核を中心にして水滴ができる
⑤ 水滴が集まったものが 雲
⑥ 雲粒が成長して重くなり、落ちると 雨
① 強い日射 → 地表の空気が暖まり上昇(夏の夕立)
② 前線で暖気が押し上げられる(温帯低気圧)
③ 山の斜面に沿って上昇(地形による上昇)
④ 低気圧の中心で上昇(風が中心へ集まる)
雲の種類
- 積乱雲:縦に大きく発達、雷雨をもたらす(夕立・寒冷前線)
- 乱層雲:横に広く、空全体を覆う雨雲(温暖前線・梅雨)
- 巻雲(すじ雲):上空 5km 以上の薄い雲
- 積雲:白いもくもくした雲、よく晴れた日
- 層雲:低い高さに広がる雲(霧の高い版)
身近な凝結現象
- 結露:冬の窓ガラスに水滴がつく(室内の暖気が冷えて露点に)
- 霧:地表近くの空気が冷えて雲のように水滴ができる
- 霜:露点が0℃以下のとき、水蒸気が直接氷になる
- 飛行機雲:エンジン排気の水蒸気が冷えて凝結
- 息が白くなる:冬、暖かい息(水蒸気を含む)が外気で冷え凝結
- 露点 = 空気中の 実際の水蒸気量を温度で表したもの
- 気温 = 露点 → 湿度 100%(飽和)
- 気温 > 露点 → 湿度 100% 未満(乾いている)
- 気温が露点より下がると → 水蒸気が水滴になる(結露)
- 同じ水蒸気量でも、気温が下がれば 湿度は上がる
- 夕方湿度が上がるのは、気温が下がって飽和水蒸気量が小さくなるから
- 水蒸気は同じでも、空気の入れ物の大きさが小さくなったイメージ
- 雲:上空にできた水滴・氷の粒の集まり
- 霧:地表近くにできた雲と同じもの
- 本質は同じ。できる場所が上か下かの違い。
この章でつまずきやすいところ
水の循環は本文がすらすら読めるのに、いざ問題を解こうとすると「あれ、湿度ってどっち基準だっけ」と止まりがちな単元です。本文を読み進める途中で起きる代表的な迷いを4つに分けて整理します。
露点を「いまの気温」と取り違えて読み進めてしまう
- つまずく場面:「気温20℃、露点10℃」という文を本文で見たとき、どちらが空気中の水蒸気量を表しているのか一瞬わからなくなり、湿度の式に20℃の飽和水蒸気量を分子に入れてしまいそうになる場面。
- 克服のコツ:時系列で整理。気温は「いま空気が持っている温度」、露点は「これから冷やしていって水滴ができ始める温度」。だから露点のときの飽和水蒸気量=いま空気に入っている実際の水蒸気量。湿度の式の分子は必ず露点の側の値だと覚えると、左右の取り違えが消える。
- ミニ例:気温20℃・露点10℃なら、実際の水蒸気量は10℃の飽和水蒸気量9.4 g/m³。20℃の17.3で割って湿度を出す。
雲ができる手順を「冷えるから膨張する」と逆向きに思い込む
- つまずく場面:本文の「上昇 → 膨張 → 冷却 → 凝結」を読んでいて、ふだんの感覚で「冷えると縮む」と知っているために、雲のときだけ順番が逆になることに納得できず、図の矢印の向きで止まってしまう場面。
- 克服のコツ:因果関係で整理。原因は上空ほど気圧が低いこと。気圧が下がる→空気が膨張→そのときエネルギーを使うので温度が下がる、という順序。「冷えるから膨らむ」ではなく「膨らむから冷える」。教科書では断熱膨張による冷却として整理する。
- ミニ例:山を登るほど気圧が下がり、空気のかたまりが膨張して冷え、露点に達すると山の中腹に雲がかかる。
「夕方に湿度が上がる」のを水蒸気が増えたからだと考えてしまう
- つまずく場面:本文の「夕方に湿度が上がる」を読み、昼より夕方のほうがジメジメ感じる経験と重ねて、夕方は水蒸気が増えるんだと早合点して読み進めてしまう場面。
- 克服のコツ:因果関係で整理。湿度は「実際の水蒸気量 ÷ その気温の飽和水蒸気量」。夕方は気温が下がるので分母の飽和水蒸気量が小さくなる。水蒸気量(分子)が同じでも分母が縮むから湿度が上がる。教科書では「同じ水蒸気量でも気温が下がると湿度は上がる」と整理する。
- ミニ例:気温25℃で14gの水蒸気を持つ空気が20℃まで冷えると、分母が23.1から17.3に縮むので、同じ14gでも湿度は約61%から81%に上がる。
雲と霧を「別の現象」として覚え分けようとしてしまう
- つまずく場面:本文に積乱雲・乱層雲などの雲の種類が並び、そのすぐ後に「霧」「結露」が登場するので、雲と霧を全く違う仕組みだと思って別々の用語として暗記しようとしてしまう場面。
- 克服のコツ:位置関係で整理。本質はどちらも空気が冷えて露点に達し、水蒸気が水滴になったもの。違うのは「できる高さ」だけ。上空にできれば雲、地表近くにできれば霧。さらに窓ガラスのような冷たい面に直接ついたものが結露。仕組みは一本の線でつながっている。
- ミニ例:山の上から下を見ると霧に見える白いもやが、ふもとの町から見上げると雲に見える、というのは同じ水滴のかたまりを見ている。
練習問題
- その温度で空気に含めうる最大の水蒸気量
- 水蒸気が水滴になり始める温度
- 地球上の水の3つの状態
- 雲が落ちてきて地表に降る現象
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(1) 飽和水蒸気量 (2) 露点 (3) 固体・液体・気体 (4) 降水(雨・雪・あられ・ひょう)
気温 25℃の空気 1m³ に水蒸気が 14g 含まれている。25℃の飽和水蒸気量を 23.1 g/m³ として、湿度を求めよ。
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湿度 = 14 / 23.1 × 100 ≒ 60.6 %
気温 20℃、湿度 80%の空気の露点は何℃か。15℃の飽和水蒸気量を 12.8 g/m³、20℃を 17.3 g/m³ とする。
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実際の水蒸気量 = 17.3 × 0.80 = 13.84 g/m³
これは 15℃の飽和量 12.8 より少し多い → 露点は 15℃をやや上回るあたり(およそ 16℃前後)
上昇する空気が雲になる手順を、4つの段階で説明せよ。
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① 暖かく湿った空気が上昇する
② 上空で気圧が低くなり、空気が膨張する
③ 膨張により温度が下がる
④ 露点に達して水蒸気が凝結し、水滴(雲)ができる
まとめ
- 水の循環:蒸発 → 雲 → 降水 → 河川 → 海。エネルギーは太陽光。
- 水の三態:固体(氷)、液体(水)、気体(水蒸気)。
- 飽和水蒸気量:気温が高いほど大。
- 露点:水蒸気が水滴になり始める温度。
- 湿度 = (実際の水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量) × 100。
- 雲は「上昇 → 膨張 → 冷却 → 凝結」でできる。
- 身近な凝結:結露・霧・飛行機雲・息が白くなる。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
地球の水のほとんどは海水で、淡水はごくわずか発展
地球には約14億km³もの水がありますが、その大部分は海水で、川や湖などの淡水はわずか2.5%ほどしかありません。水の循環では海水が蒸発して水蒸気になるとき塩分が残されるため、雨として降る水は塩のない淡水になり、私たちが使える水がたえずつくり出されています。
地球全体で起こる水のやりとりは海が主役発展
地球全体で起こる水の蒸発のうち、およそ8割(約80%)は広い海から起きています。全地表面からは1年間でおよそ500兆トンもの水が蒸発し、その大部分が海からの蒸発です。海から蒸発した水蒸気は雲になり、雨や雪となって陸や海に戻っていきます。このように、地球規模の水の循環では海が主役になっているのです。
夏の急な大雨は発達した積乱雲が原因実生活
夏に短時間で激しく降る大雨(局地的大雨)は、強い日ざしで地表近くの空気が暖められ、大気が不安定になって積乱雲が急に発達することで起こります。教科書で学ぶ「上昇→膨張→冷却→凝結」が短時間に激しく進んだ結果で、1つの積乱雲の寿命は30分から1時間ほどです。
水蒸気は地球を暖める最大の温室効果ガス発展
空気中の水蒸気には地表から逃げる熱をためる温室効果があり、現在の大気の温室効果のおよそ半分は水蒸気によるものです。ただし水蒸気の量は人間の活動で直接は決まらず、二酸化炭素が増えて気温が上がると蒸発が増えて水蒸気もさらに増える、というしくみで温暖化に関わっています。
山を越えた風が高温・乾燥になるフェーン現象実生活
湿った空気が山を越えるとき、風上側では上昇して水蒸気が凝結し雨を降らせますが、このとき潜熱が出るため気温が下がりにくくなります。乾いた空気が風下側へ下りるときは急に暖まるため、山を越えた風は高温で乾燥した風になり、これをフェーン現象といいます。
出典:気象庁「フェーン現象」
