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学校では教えてくれない「将来食べていける力」を子どもにどう育てるか

子どもに「将来困らない力」を身につけてほしい。そう考える保護者は少なくありません。

けれど、その力が何なのかは、以前よりずっと見えにくくなっています。良い成績を取ること、受験に合格すること、資格を取ること。それらは大切ですが、それだけで将来が安心できる時代ではなくなりつつあります。

2025年1月、世界経済フォーラム(ダボス会議)が発表した「仕事の未来レポート2025」は、2030年までに全雇用の22%でディスラプション(大規模な変革)が起こり、業務に必要なスキルの約40%が変化すると予測しています。

今の小学生が社会に出る頃、子どもたちの手元に何が残っているか。それを今から考えることが、保護者と教育者の大切な役割です。

学校教育が前提とする「正解を出す力」の限界

日本の学校教育は長らく、決まった正解を素早く正確に出す能力を鍛えることに最適化されてきました。テスト・暗記・反復練習──これらは工業化社会で均質な労働力を育てる上では有効でした。しかしAIが台頭した今、正解の検索・計算・文書作成といったルーティン作業はAIが代替できます。「正解を出す力」だけでは、もはや競争力になりません。

これからの時代に必要なのは、正解のない問いに向き合い、自分なりの答えを生み出す力です。あるスキル研究者はこれを「ジグソーパズル型からレゴブロック型へ」と表現しています。あらかじめ決まった完成形を目指すのではなく、自分の発想で自由に創造物を作り出す能力──学校のカリキュラムがこの転換に追いつくまでには、まだ時間がかかります。

2030年に求められるスキルTop4

世界経済フォーラムが発表した2025年時点での「雇用主が最も重視するスキル」上位4項目は次のとおりです。

  • 分析的思考──情報を構造的に整理し、本質を見抜く力
  • レジリエンス・柔軟性・アジリティ──失敗しても立ち直り、変化に適応する力
  • リーダーシップと社会的影響力──人を動かし、チームで成果を出す力
  • クリエイティブ思考──既存の枠を超えて新しいものを発想する力

いずれも、教科書の内容を覚えることでは身につきません。これらは「体験」を通じてのみ育ちます。問題にぶつかって考え、失敗して改善し、他者と協力して何かを作り上げる──その繰り返しの中で醸成される力です。

「体験の質」が将来を分ける

保護者を対象にした調査では、「AI時代に子どもに発想力・思考力を身につけてほしい」と答えた保護者が8割以上に上りました。一方、実際にそのための環境を整えられている家庭は限られているのが実態です。

重要なのは、どんな体験をさせるかです。受動的に動画を見たり、ゲームをクリアしたりするだけでは、分析的思考やクリエイティブ思考は育ちません。自分でプログラムを書いてゲームを作る、パソコンを組み立てて起動させる、AIツールに指示を出して結果を評価する──こうした「能動的なものづくり体験」こそが、上記のスキルを地道に積み上げていきます。

さらに、この体験の機会は家庭の経済状況によって大きく左右されます。プログラミング教室や最新のデジタル環境に投資できる家庭とそうでない家庭では、子どもが積める体験の質と量に格差が生まれます。「将来食べていける力」の格差は、すでに子ども時代の体験格差として始まっているのです。

今、保護者にできること

保護者がすべきことは、高価な習い事を探すことではありません。まず、子どもが「作る・試す・失敗する・改善する」を繰り返せる環境を身近に用意することです。パソコンを触らせる、プログラミングの無料ツールを試させる、AIに質問させてその答えを一緒に検証する──日常の小さな体験の積み重ねが、学校では代替できない力を育てます。

だからこそ私たちデジタルこどもBASEは、大田区を拠点に、経済的な背景に関係なくすべての子どもが無料でパソコン・プログラミング・AIを体験できる場を提供しています。「将来食べていける力」は、特別な才能のある子どもだけのものではありません。適切な体験と環境があれば、どの子どもにも育てることができます。その環境を、私たちは一つずつ作っていきます。

参考資料