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不登校の子どもにこそデジタル教育が向いている理由

学校に行きづらい子どもにとって、朝、家を出ること自体がとても大きな負担になる日があります。

それでも、学びたい気持ちや、何かに夢中になりたい気持ちまで消えてしまうわけではありません。場所や時間、人間関係の負担が少し変わるだけで、力を発揮できる子どもはたくさんいます。

2024年度、全国の小中学校における不登校の児童生徒数は35万3,970人となり、過去最多を12年連続で更新しました(文部科学省、2025年10月発表)。これは小中学生のおよそ30人に1人に相当します。

学校という場に馴染めない子どもたちがこれほど多く存在する今、一律的な学校教育の在り方そのものを問い直す必要があります。

ICTを使った学習環境は、教室に通えない子どもたちにこそ、その力を最大限に発揮します。理由は主に3つあります。

1. 自分のペースで学べる

教室での一斉授業は、全員が同じ速度で同じ内容を学ぶことを前提としています。しかし不登校の背景には、学習の遅れへの不安、人間関係のストレス、発達上の特性など、子どもによってさまざまな要因があります。

デジタル学習コンテンツの最大の強みは、子どもが完全に自分のペースで進められることです。理解できた単元はすぐ次へ、苦手な箇所は何度でも繰り返す──その柔軟性が「授業についていけない」という不安を取り除きます。「朝が辛い」「人混みが苦手」という子でも、自分のリズムで学び続けることができます。

2. 教室を介さないつながりが生まれる

不登校の子どもの多くは、学校に行けないことで「学ぶ場」と「仲間との関係」を同時に失います。しかしオンラインの学習コミュニティやオンラインフリースクールでは、画面越しでも仲間と関わることができます。

顔出しなしのチャット形式のやり取り、共同で作るプログラミングプロジェクト、ゲームを通じたコラボレーション──従来の対面とは異なる「低ハードルのつながり」が、引きこもりがちな子どもにとっての「外の世界への入り口」になる事例が数多く報告されています。

3. 出席扱いになる制度が整っている

文部科学省は2005年からICT活用による自宅学習を「出席扱い」にできる制度を設けており、GIGAスクール端末の普及後はその運用がさらに拡充されています。自宅でオンライン授業を受けたり、デジタル教材で学習したりした成果が、正式な出席・評価として認められるのです。

文部科学省は2026年度までに、希望するすべての不登校児童生徒がオンライン授業を受けられる環境整備を目標として掲げています。デジタル教育はもはや「代替手段」ではなく、公的に認められた学びの選択肢です。

デバイスの格差という課題

一方で看過できない課題もあります。家庭にパソコンやインターネット環境がなければ、こうした恩恵は受けられません。不登校の子どもの家庭が経済的な困難を抱えているケースも少なくなく、デバイスの有無が「学べる子と学べない子」の差を生む新たな格差の固定化につながる懸念があります。

デジタルこどもBASEでは、家庭にパソコンがない子どもへの無償提供と、自由に使える学習スペースの開放を通じて、不登校の子どもを含むすべての子どもが「学びたいときに学べる」環境づくりを進めています。学校に行けなくても、学ぶことは諦めなくていい──デジタルはその可能性を大きく広げます。

参考資料