小学生でもできる!AIで自由研究をレベルアップする方法

もうすぐ夏休み。自由研究のテーマがなかなか決まらず、親子で頭を抱える時期がやってきます。

今年は、その悩みの相談相手として「AIに聞いてみる」という選択肢が、多くの家庭の手元にあります。

株式会社DeltaXが運営する「塾選」が2025年夏に実施した調査によれば、小学生の保護者のうち自由研究でAIを「使わない」と答えた割合は63%でした。2024年の調査では74%だったため、1年間で約10ポイント低下しています。「使わない」から「使うかもしれない」への変化は、AIが家庭学習に入り込む速度を示しています。一方で、「使い方がわからない」という保護者も多く、道具があっても使いこなせないという状況が続いています。

自由研究でAIを「使う」の意味は3種類ある

AIの使い方には、大きく分けて3つの段階があります。①テーマを決める段階、②調べる・実験する段階、③まとめる段階です。この3つのうち、どの段階でAIを使うかによって、子どもの学習への影響がまったく異なります。「自由研究をテーマから全部AIに任せる」は③まとめも含めて全段階をAIが担うことになり、子どもには何も残りません。対して「テーマを決めるときにAIに質問してアイデアを広げ、観察や実験は自分でやって、まとめの文章構成だけAIのアドバイスをもらう」という使い方は、子どもの思考と作業が中心にあります。

ChatGPTの利用規約では13歳未満は利用できず、18歳未満は保護者の同意が必要です。小学生の場合は、保護者が自分のアカウントで操作し、子どもと一緒に画面を見ながら進める「親子での共同利用」が前提となります。これは制約である前に、親子でAIの使い方を一緒に学ぶ機会でもあります。

テーマ探しにAIを使う:「なぜ?」から始める

自由研究で最初の壁はテーマ決めです。「テーマが決まらない」子どもに向けて、AIは有効な壁打ち相手になります。ポイントは、AIに「テーマを決めて」と依頼するのではなく、「○○が好きなんだけど、どんなことが不思議だと思う?」と聞かせることです。たとえば「虫が好き」という子どもに「カブトムシはなぜ夜に活動するの?」「アリはなぜ同じ道を歩くの?」といった問いを提示してもらい、その中から一番気になるものを子どもが選ぶ。このプロセスでは、テーマを選ぶ主体は子ども自身です。AIは選択肢を増やすツールとして機能しています。

実験・観察はAIなしで進める。記録はAIと一緒に整理する

自由研究の核心は、実際に観察・実験して得た「自分だけのデータ」です。この段階はAIに置き換えられません。虫を観察した記録、植物の成長を測った数字、溶けた氷の重さ——これらは子どもが現実と向き合って得た一次情報です。ここをAIが代替することは原理的にできません。一方、記録が集まった後の「整理」と「考察の言語化」にはAIが役立ちます。「この5日間のデータを見てどんなことがわかると思う?」と子どもが自分の記録をAIに入力して対話する形では、AIは子ども自身の観察結果を整理する補助として機能します。KDDI株式会社のビジネスコラムでも、「親子でAIと対話しながら考察を深める」夏休み活用例が2024年に紹介されています。

文部科学省の「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0、2024年12月)」は、学習の過程でAIへの過度な依存が生じないよう指導することを明記しています。自由研究においても、子ども本人が「考え、試みた」過程が残ることが重要です。

まとめは「自分の言葉で書いた後」にAIに見せる

まとめの段階では、まず子どもが自分の言葉で文章を書くことが前提です。その下書きをAIに見せて「わかりにくいところはある?」「なぜそうなったかの説明が足りないと思う部分は?」と問いかける使い方が、文章力を損なわずにAIを活用する方法です。AIの出力をそのままコピーするのではなく、AIの指摘をもとに自分で書き直す。この一手間が、まとめの質を上げると同時に、「自分が考えた作品」としての自由研究を守ります。

大田区のデジタルこどもBASEでは、こうした「AIとの付き合い方」を実際にパソコンを使いながら体験できるプログラムを無料で提供しています。夏休み期間中も活用いただけます。

参考資料

著者:漆谷 智行(デジタルこどもBASE理事長)