デジタルこどもBASEは、子ども向けのNPOなので、子どもや保護者が読んでくれているかな、くらいに思っていました。ところが先日、読者の最高齢が、たぶん90代だという衝撃の事実を知りました!
「目的外使用」のおじいさん
始まりは、ご高齢の女性からいただいた、パソコンを寄付したいという一通のメールでした。
メールをくれた方は、手元のパソコンを送れるかどうか、丁寧に調べてくれていました。そのやりとりの中で、知り合いの90代のおじいさんの話を教えてくれました。
この90代のおじいさんは、パソコンは怖くて触りたくない、というくらいの方だそうです。その方が、デジタルこどもBASEの「こどもITラボ」で勉強して、一人で2段階認証を設定できた。
2段階認証は、ログインするときに、スマホに届いた番号をもう一度入れる、あれです。大人でもつまずきます。よくわからないからと、設定しないままの大人もたくさんいます。
それを、90代のかたが一人でやった。メールを読みながら、思わず声が出ました。
ご本人は、子ども向けのサイトで勉強していることを「目的外使用」だと言っているそうです。まったく問題ありません。どんどん使ってください。
「一度は見ろ」
このおじいさんは、メールをくれた方のご友人の親族でした。そもそも、このおじいさんが、メールをくれた方とご友人に、デジタルこどもBASEのサイトを「一度は見ろ」とすすめていたそうです。
90代のかたにそう言われたら、見ないわけにはいきません。
メールをくれた方もご友人も、仕事でパソコンは毎日使うけれど、それ以外ではほとんど使わないそうです。不具合が起きると、YouTubeなどで調べて対処する。ご本人いわく、「必ず膨大な時間を費やして疲弊するタイプの人種です」。
最初は、おじいさんへの義理で開いたそうです。それが、読んでいるうちにだんだん姿勢が正されて、気づけば夢中になっていた。
「こども学びラボ」(勉強のサイト)を読んだときには、思わずパソコンに向かって頭を下げたそうです。
このサイトを作ってきて、画面に向かってお辞儀をされたのは、たぶん初めてです。
荷造りをしてみたら
パソコンのほうは、無理やりWindows 11に上げたものだとわかり、一度は寄付をあきらめたそうです。
うちでは、届いたパソコンはすべて初期化して、OSを入れ直します。なので、よかったら送ってくださいと返信しました。
ところが、いざ荷造りを始めて手元をよく見たら、CPUが思っていたものと違った。老眼で、型番を読み違えていたそうです。それに気づいたときは、穴があったら入りたいくらいだったそうです。
そこまで思わなくて大丈夫です。お気持ちだけで、十分うれしかったです。
受講料
かわりに、ご寄付をいただきました。「受講料のつもり」だそうです。
ご本人は受講料としては安すぎるとご謙遜されていましたが、個人の方からここまでのご寄付をいただいたのは、初めてです。大切に使わせていただきます。
「今更学んで何が身につくのか分かりませんが、少しだけやってみようと思うに至りました」とも書かれていました。
90代のおじいさんに続いて、高齢の読者がもう一人増えそうです。
年齢制限はありません
メールには、こんなことも書かれていました。これなら、勉強が苦手なまま大人になった親御さんも、子どもと一緒に学べる。親が先に読んで、子どもに教える使い方もできる。
実は、子どもだけでなく、その親世代、大人にこそ読んでほしい、という気持ちはどこかにありました。言葉は小学生にもわかるように選んでいますが、内容は大人が読んでもためになるものを書いているつもりです。
でも、高齢の方が読んでくださるとは、まったく想像していませんでした。うれしい驚きでした。
記事を書いているとき、読んでいる人の顔は見えません。それが、会ったこともない90代の方に届いて、その方が親族やご友人にすすめて、すすめられた方がご寄付をくださって、そのご寄付が、またどこかの子どものもとに届く。
自分のやっている小さなことが、知らないところで、知らない誰かに影響している。バタフライエフェクトのような話は本当にあるんだと、驚きました。
親御さんが先に読んで、お子さんに教える。おじいさん、おばあさんが、お孫さんと一緒に読む。もちろん、一人でこっそり読むのも大歓迎です。
このサイトに、年齢制限はありません。
大人のかたも、90代のかたも、遠慮なくどうぞ。
追記 公開する前に、メールをくれた方にこの記事を読んでいただきました。そのときに、こんなお返事をいただきました。
「我々高齢者たちにサイトを開放していただいて、本当に嬉しいです。何となく申し訳ない気持ちで拝見していましたが、これからは堂々と見せていただき、周りにも伝えていきます。」
(このお話は、ご本人の了承をいただき、お名前を伏せて書いています。)
