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中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

戦国時代 ── 下克上と城下町

応仁の乱(1467年)後の約100年、日本は 戦国時代に。家柄も伝統も関係なく、力ある者が上の地位を奪う 下克上の世。各地に戦国大名が現れ、城を築き、独自の法律を作り、貿易で富を蓄える。鉄砲とキリスト教が伝来し、戦い方も大きく変わります。今回は戦国時代を、政治・経済・文化の3軸で一段くわしく整理します。

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戦国大名の国づくりと、海から来た2つの伝来 領国を治める3つの道具 ── 下克上でのし上がった大名たち 分国法 今川仮名目録・塵芥集 甲州法度之次第(武田) 「喧嘩両成敗」で家臣統制 城下町 小田原(北条)・甲府(武田) 一乗谷(朝倉)など 家臣・商人を城の下に集める 楽市・楽座 座の特権を否定し だれでも商売できる市に 関所も廃止・縮小 海から来た2つの伝来 ── 戦国の戦い方と経済を変えた 1543年 鉄砲伝来 種子島・ポルトガル人 堺・国友で量産 → 戦い方が集団の鉄砲戦に 城も鉄砲に備えた石垣の城へ 1549年 キリスト教 鹿児島にザビエル上陸 キリシタン大名(大友・大村・有馬) 南蛮貿易で銀を輸出し、鉄砲・火薬・絹を輸入
戦国大名の領国経営(分国法・城下町・楽市楽座)と、1543年鉄砲・1549年キリスト教の伝来

上の段は戦国大名が領国を治めた3つの道具、下の段は種子島とザビエルがもたらした2つの伝来です。国内のしくみづくりと海からの新しい波、この2つが重なって戦国の戦い方と経済が変わったことを読み取ってください。

戦国時代とは

  • 応仁の乱(1467年)から織田信長の上洛(1568年)まで の約100年間。
  • 室町幕府の権威は失墜し、各地で 戦国大名が独自に支配。
  • 下克上(げこくじょう):下の身分の者が上の身分の者を倒して取って代わる風潮。

戦国大名 ── 領国を独自に治める

用語
戦国大名
戦国時代に 1国〜数国を独自に支配した武将。守護大名から成り上がった者と、家臣・地侍から成り上がった者がいる。
  • 守護大名から戦国大名へ:武田氏(甲斐)・今川氏(駿河)など。
  • 下克上で成り上がった戦国大名:北条早雲(伊豆・関東)/斎藤道三(美濃)/毛利元就(中国)など。
  • 他にも上杉謙信(越後)・伊達政宗(陸奥)・島津義久(薩摩)・長宗我部元親(土佐)。

分国法 ── 大名独自の法律

用語
分国法(ぶんこくほう)
戦国大名が自分の領国で施行した法律。家臣や領民の統制が目的。
代表的な分国法

今川仮名目録今川氏(駿河)

塵芥集伊達氏(陸奥)

甲州法度之次第武田氏(甲斐)

朝倉孝景条々朝倉氏(越前)

「喧嘩両成敗」(喧嘩した者は双方処罰)など、家臣同士の私闘を禁じる条文が多い。

城と城下町

  • 戦国時代の城は、敵を防ぐための 山城が中心(高い山の上に築く)。
  • 戦国末期からは 平山城・平城へ移行。広い城下町を作るため。
  • 城下町:城の周りに家臣・商人・職人を集めた町。領国の経済の中心に。
  • 代表的な城下町:小田原(北条氏)/一乗谷(朝倉氏)/春日山(上杉氏)/甲府(武田氏)。

楽市・楽座 ── 商業の活性化

  • 楽市(らくいち):誰でも自由に 商売できる市場。座(同業者組合)の特権を否定。
  • 楽座(らくざ):座を廃止し、誰でも商売できるようにする。
  • 関所も廃止・縮小し、商人の往来を活発化。
  • のちに 織田信長がこれを大規模に実施。

鉄砲伝来(1543年)

鉄砲の伝来

場所種子島(鹿児島県・大隅諸島)

経緯1543年、嵐で漂着した ポルトガル人が鉄砲を持っていた。種子島領主が2丁を購入し、家臣に研究させた。

普及すぐに国産化が始まり、堺(大阪)・国友(滋賀)などで大量生産。

影響戦い方が 個人の武勇から集団の鉄砲戦へ。城も鉄砲に対応した 石垣の城へ。

キリスト教伝来(1549年)

  • 1549年、イエズス会の宣教師 フランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸。
  • 布教活動を行い、九州・西国で信者が増える。
  • キリシタン大名:大友宗麟・有馬晴信・大村純忠など。
  • 天正遣欧少年使節(1582年):4人の少年がローマ教皇のもとへ。

南蛮貿易

  • 南蛮人:ポルトガル人・スペイン人。日本人が彼らをそう呼んだ。
  • 九州の長崎・平戸・府内などが 南蛮貿易の港に。
  • 輸入品:鉄砲・火薬・絹織物・ガラス・たばこ・パン
  • 輸出品:銀・刀剣
  • 日本語に入った南蛮起源の言葉:パン・ボタン・タバコ・カステラ・カッパ。

三大武将と戦国の英雄たち

  • 武田信玄(甲斐):「風林火山」の軍旗。川中島の戦いで上杉謙信と何度も激突。
  • 上杉謙信(越後):「義」を重んじる戦国大名。「軍神」とも呼ばれた。
  • 北条早雲(伊豆・小田原):下克上の代表例。元は浪人。
  • 毛利元就(中国):「三本の矢」の教訓で有名。
  • のちに 織田信長が中央で天下統一を進める(次の単元 = 既存記事の信長・秀吉へ)。

この章でつまずきやすいところ

戦国時代は登場人物も用語も多く、本文を読んでいる途中で「あれ、これってどっちだっけ」と止まりやすい単元です。ここでは中学生が本文や問題で実際に迷いがちな場面を取り上げ、見分けるコツと教科書整合の例で立て直しを助けます。

守護大名と戦国大名を同じものと思い込んでしまう

  • つまずく場面:本文で「武田氏は守護大名から戦国大名へ」「北条早雲は下克上で戦国大名に」と続けて出てくると、どちらも『戦国大名』なので頭の中で一緒に混ざり、どこが違うのか分からなくなる場面です。
  • 克服のコツ:出発点(どこから始まったか)で見分けるのがコツです。守護大名は室町幕府から任命された役職を出発点とする存在、戦国大名は実力で領国を支配した存在(守護大名から戦国大名になった例もあります)。本文に「もとは○○」と書かれていたら、出発点の方に線を引いて読むと整理できます。
  • ミニ例:武田氏(甲斐)は守護大名から戦国大名へ移行した例、北条早雲は伊豆を奪って戦国大名となった下克上の代表例。教科書では同じ「戦国大名」でも出発点が違うと整理します。

鉄砲伝来とキリスト教伝来の年・場所を取り違える

  • つまずく場面:問題で「1543年に伝わったのは何か」「鹿児島に上陸したのは誰か」と問われたとき、本文の「1543年・種子島」と「1549年・鹿児島」が頭の中で入れ替わり、どちらがどちらの出来事か迷ってしまう場面です。
  • 克服のコツ:時系列と場所のペアで覚えるのがコツです。先に来たのは『モノ』=鉄砲(1543年・種子島)、あとに来たのは『信仰』=キリスト教(1549年・鹿児島)。本文を読むときも「年→場所→何が→誰が」の順で1行にまとめて余白にメモすると、設問で迷いません。
  • ミニ例:1543年・種子島・鉄砲・ポルトガル人/1549年・鹿児島・キリスト教・ザビエル(イエズス会)。教科書ではこの2つを別々の出来事として並べて整理します。

下克上を「ただの無秩序」とだけ捉えてしまう

  • つまずく場面:本文で「下の者が上を倒す」と読むと、戦国時代をただの乱世・無秩序な時代としてイメージしてしまい、そのあとに出てくる「分国法」「城下町」「楽市・楽座」が、なぜ整然と整備されているのか結びつかなくなる場面です。
  • 克服のコツ:因果関係でつなぐのがコツです。下克上は古い秩序を壊す動きであると同時に、戦国大名が新しい支配の仕組みを作る出発点でもあります。本文では「壊す側面」と「作る側面」が同じページに並ぶことを意識して読むと、分国法や城下町の意味が見えてきます。
  • ミニ例:分国法(今川仮名目録・甲州法度之次第など)で家臣を統制し、城下町に商人や職人を集める。教科書では下克上を「新しい支配秩序を作る動き」としても整理します。

城下町と門前町など他の都市を混同してしまう

  • つまずく場面:本文で「城下町は領国の経済の中心」と読んだあとに、社会で前に習った門前町や港町を思い出し、「城下町って結局どんな町だっけ」と頭の中で他の都市タイプとごちゃ混ぜになってしまう場面です。
  • 克服のコツ:中心にあるもの(位置関係)で見分けるのがコツです。城下町は城を中心に家臣・商人・職人を集めた町。寺社が中心なら門前町、港が中心なら港町、と「町の中心に何があるか」で分けると区別がはっきりします。
  • ミニ例:城を中心に発展した城下町の代表は、小田原(北条氏)・一乗谷(朝倉氏)・春日山(上杉氏)・甲府(武田氏)。教科書では大名の本拠と城下町をセットで整理します。

練習問題

問題1(下克上)
「下克上」とは何か。その例を1つ挙げなさい。
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下克上:下の身分の者が、上の身分の者を倒して取って代わる風潮。

例:北条早雲(浪人から伊豆を奪い、関東を支配する戦国大名へ)/斎藤道三(油売りから美濃の大名へ)など。

問題2(分国法)
分国法とは何か。代表例を1つ。
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分国法:戦国大名が自分の領国に施行した独自の法律。家臣や領民の統制が目的。

代表例:今川仮名目録(今川氏)/塵芥集(伊達氏)/甲州法度之次第(武田氏)

問題3(鉄砲)
鉄砲はいつ、どこに、どこの国の人によって伝えられたか。
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年:1543年

場所:種子島

伝えた人:ポルトガル人(嵐で漂着)

問題4(ザビエル)
フランシスコ・ザビエルが日本にキリスト教を伝えた年と上陸地を答えなさい。彼が所属した修道会は?
答えを見る

年:1549年

上陸地:鹿児島

修道会:イエズス会

まとめ

  • 戦国時代は 応仁の乱(1467年)〜信長上洛(1568年)の約100年間。
  • 下克上の世で、各地に戦国大名が独自に支配。
  • 大名は 分国法で家臣・領民を統制し、城下町を整備、楽市・楽座で商業を活性化。
  • 1543年に種子島へ鉄砲(ポルトガル人)、1549年に鹿児島へキリスト教(ザビエル)が伝来。
  • 南蛮貿易で銀を輸出し、鉄砲・火薬・絹などを輸入。

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

石見銀山と「灰吹法」が世界とつながった発展

島根県の石見銀山は1527年に発見され、1533年に灰吹法という銀の精錬技術が導入されると生産が一気に拡大しました。この銀は南蛮貿易などを通じて世界へ流れ、その価値が認められて2007年にユネスコ世界遺産(鉱山遺跡としてアジア初)に登録されています。

出典:島根県 世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の概要

丸ごと出土した戦国の城下町・一乗谷発展

福井県の一乗谷は、越前を支配した戦国大名・朝倉氏の城下町でしたが、1573年に織田信長に攻められて焼失し土に埋もれました。1971年に約278ヘクタールが国の特別史跡に指定され、発掘調査によって日本で初めて戦国城下町の具体的な姿が明らかになった貴重な遺跡です。

出典:福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館

堺の鉄砲づくりの建物が2024年に公開時事

大阪府堺市は、戦国時代に種子島の技術を学んで以来の有名な鉄砲生産地です。江戸時代の鉄砲鍛冶の作業場兼住居だった「井上関右衛門家住宅」が、令和6年(2024年)3月3日から『鉄炮鍛冶屋敷』として一般公開され、鉄砲づくりの歴史を間近で見られるようになりました。

出典:堺市 鉄炮鍛冶屋敷(堺市立町家歴史館 井上関右衛門家住宅)

種子島で本物の鉄砲伝来を学べる「鉄砲館」発展

鹿児島県西之表市の種子島開発総合センター「鉄砲館」では、1543年に種子島へ伝わったポルトガル銃や、日本でつくられた国産第1号銃などが展示されています。教科書で学ぶ鉄砲伝来の現場で、火縄銃の歴史を実物から確かめられます。

出典:種子島開発総合センター(鉄砲館)

戦国の城づくりが生んだ世界遺産・姫路城発展

兵庫県の姫路城は、戦国〜江戸初期に発達した城づくりの技術を集めた代表的な城で、17世紀初頭の城郭建築の最盛期に完成しました。1993年12月に法隆寺とともに日本初の世界文化遺産に登録され、天守は国宝に指定されています。

出典:姫路市 世界文化遺産・国宝姫路城

ローマまで渡った天正遣欧少年使節発展

1582年、大友宗麟・大村純忠・有馬晴信らキリシタン大名の名代として、伊東マンショら4人の少年がヨーロッパへ派遣され、ローマ教皇に謁見しました。キリスト教伝来後の日本とヨーロッパの交流を示す出来事で、その記録は国の文化財として今も伝えられています。

出典:e国宝(国立文化財機構)天正遣欧使節記