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室町幕府と南北朝 ── 動乱の世

1333年に鎌倉幕府が滅び、後醍醐天皇が天皇親政を始めますが2年で破綻。足利尊氏が新しい幕府を京都に開き、ここから室町時代(1336〜1573年)が始まります。北朝と南朝が並立する 南北朝の動乱、3代義満の 金閣、8代義政の 銀閣 ── 室町の200年を、一段くわしく整理します。

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室町幕府と南北朝 ── 動乱の世の流れ 背景 できごと 変化 影響 歴史は、背景、できごと、社会の変化、後の時代への影響を順 に並べると因果関係が見えます。
室町幕府と南北朝 ── 動乱の世の流れ

歴史は、背景、できごと、社会の変化、後の時代への影響を順に並べると因果関係が見えます。

鎌倉幕府の滅亡(1333年)

  • 後醍醐天皇が幕府打倒を計画。1331年に挙兵するが失敗、隠岐に流される。
  • 翌年、隠岐を脱出して再度挙兵。楠木正成(くすのきまさしげ)新田義貞(にったよしさだ)が呼応。
  • 足利尊氏(幕府の御家人)が 裏切って後醍醐側に。京都の 六波羅探題を攻め落とす。
  • 1333年、新田義貞が鎌倉を攻略。鎌倉幕府滅亡

建武の新政(1334〜1336年)── 短命な天皇親政

用語
建武の新政(けんむのしんせい)
後醍醐天皇による、武家を経由しない 天皇中心の親政2年余りで破綻した。
建武の新政が失敗した理由

武士への恩賞が公家(貴族)に偏り、不公平。

朝令暮改(政策がころころ変わる)。

武士は 武家政権の復活を望んでいた。

結果足利尊氏が反旗を翻し、後醍醐は吉野へ逃げる。

南北朝の動乱(1336〜1392年)

  • 北朝:足利尊氏が立てた天皇(光明天皇)。京都を本拠。
  • 南朝:後醍醐天皇。吉野(奈良県南部)を本拠。
  • 2つの朝廷が並立し、各地で武士が両陣営に分かれて戦う。
  • 1392年、3代将軍 足利義満のもと、南朝が北朝に吸収される形で合一。

室町幕府の成立

  • 1336年:足利尊氏が 建武式目を制定し、幕府の方針を示す。
  • 1338年:尊氏が 征夷大将軍に任命される。室町幕府の始まり。
  • 京都・室町に幕府の御所を置いたので「室町幕府」と呼ばれる。
  • 朝廷の中心地で幕府を開いたのが、鎌倉幕府との大きな違い。

幕府のしくみ

  • 将軍:足利氏が世襲。
  • 管領(かんれい):将軍の補佐役。細川・斯波・畠山の3氏が交代で務める(三管領)。
  • 侍所・政所・問注所:鎌倉幕府を踏襲。
  • 守護の権限が拡大し、地方の 守護大名として成長。

足利義満 ── 室町幕府の絶頂

人物
足利義満(あしかがよしみつ、3代将軍)
室町幕府の最盛期を作った将軍。南北朝合一(1392)明との貿易(勘合貿易)金閣建立 で知られる。
  • 1392年:南北朝合一。
  • 1397年:京都北山に 金閣(金箔を貼った3層の楼閣)を建立。
  • 1404年:明と 勘合貿易(日明貿易)を開始。
  • 義満は 太政大臣にもなった。武家・公家の頂点に立った。

勘合貿易 ── 倭寇対策の合言葉

勘合貿易のしくみ

背景明(中国)は、海賊「倭寇(わこう)」に困っていた。日本人と朝鮮人が大陸沿岸を襲っていた。

勘合正規の貿易船には 「勘合(かんごう)」と呼ばれる証票を持たせる。これがある船だけ取引可。

輸入明銭(銅銭)・絹・陶磁器・書籍

輸出銅・硫黄・刀剣・扇

応仁の乱(1467〜1477年)── 戦国時代の入口

  • 8代将軍 足利義政の後継争いから始まる。
  • 細川勝元(東軍)山名宗全(西軍)に守護大名が分かれて戦闘。
  • 戦場は 京都。11年続き、京都は焼け野原に。
  • 幕府の権威は完全に失墜し、各地の守護大名・地侍が 下克上を始める 戦国時代へ。

室町文化 ── 2つの華

文化 時期・場所 代表
北山文化義満(14世紀末)/京都北山金閣・能楽(観阿弥・世阿弥)
東山文化義政(15世紀後半)/京都東山銀閣・書院造・茶の湯・水墨画(雪舟)
金閣と銀閣の違い

金閣3層構造・金箔貼り。豪華・国際的・北山文化

銀閣2層構造・素朴。わび・さび・東山文化

銀閣には実は銀箔は貼られていなかった。「銀閣」は通称。

民衆の動き ── 一揆と惣村

  • 惣村(そうそん):村人が 自治で運営する村。寄合(集会)で議決。
  • 土一揆(つちいっき):農民・馬借(運送業)が結束し、徳政令などを要求。正長の土一揆(1428年)が代表例。
  • 国一揆・一向一揆:地侍や浄土真宗の信徒による武装一揆。一向一揆は 加賀(石川県)で守護を倒し、約100年間自治を行った。

練習問題

問題1(建武の新政)
建武の新政を始めた天皇は誰か。失敗した理由を1つ。
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天皇:後醍醐天皇

理由:武士への恩賞が不公平で、武士が反発した(または公家中心の政治で武家が不満)。

問題2(足利義満)
3代将軍足利義満の主な業績を3つ答えなさい。
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南北朝合一(1392年)

勘合貿易(日明貿易)の開始(1404年)

金閣の建立(1397年・北山文化)

問題3(勘合貿易)
勘合とは何か。その目的を答えなさい。
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正規の貿易船であることを証明する証票。海賊「倭寇」と区別して、正規の交易を行うために必要だった。

問題4(応仁の乱)
応仁の乱はいつ、どこで、何をきっかけに起きたか。
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時期:1467〜1477年(11年間)

場所:京都

きっかけ:8代将軍足利義政の後継争い。細川勝元(東軍)と山名宗全(西軍)が対立。

まとめ

  • 1333年、後醍醐天皇と足利尊氏・新田義貞らで 鎌倉幕府を滅亡させる。
  • 後醍醐の 建武の新政は2年で破綻。1336年、足利尊氏が室町幕府を開く。
  • 1336〜1392年、南北朝の動乱。3代義満で合一。
  • 義満:金閣建立・勘合貿易・南北朝合一で室町幕府最盛期。
  • 文化:北山文化(金閣・能)東山文化(銀閣・茶・書院造)
  • 1467年からの 応仁の乱で幕府の権威は失墜し、戦国時代へ。