観察に使う3つの道具
「拡大して見る」道具と一口に言っても、見たい大きさや対象によって使い分けます。倍率が高ければ良いというわけではなく、倍率が高くなるほど視野は狭く、扱いも難しくなる ためです。
ルーペの使い方
ルーペは小学校でも使ったかもしれませんが、中学では「持ち方」と「ピントの合わせ方」がテストに出ます。コツは1つ。ルーペは目に近づけて持つ こと。
- ルーペは 目にできるだけ近づけて持つ。離して持つのは×。
- 観察するものが 動かせるときは、ルーペは目に近づけたまま、観察物のほうを前後に動かしてピントを合わせる。
- 木の幹のようにものが 動かせないときは、ルーペを目につけたまま、自分のほうが前後に動いて ピントを合わせる。
- ルーペで太陽を見てはいけません。ルーペは光を1点に集めるので、目の中の網膜が焼けて、最悪の場合は失明します。「ものを焼く実験」で黒い紙が燃える、あの集光が目の中で起きると考えてください。
双眼実体顕微鏡の使い方
双眼実体顕微鏡は、両目で見ることで立体的にとらえる道具です。「左右の像が二重に見える」とよく言われますが、これは 接眼レンズの幅が自分の目の幅に合っていない サインです。最初に必ず幅を合わせます。
- ① 接眼レンズの幅を、左右の目の幅に合わせる(両目で見たときに像が1つに重なるように)。
- ② 鏡筒を上げて、視野が明るくなるよう光の向きを調整する。
- ③ 粗動ねじを回して、対象に対物レンズを近づけ、だいたいのピントを合わせる。
- ④ 右目だけで見ながら、微動ねじでピントを合わせる。
- ⑤ 左目だけで見ながら、視度調節リングでピントを合わせる(左右の目の視力差を吸収するため)。
- ⑥ プレパラートは 不要。対象をそのままステージに置いてOK。
④と⑤で合わせるねじが違うのは、人によって左右の目の視力がちがう から。右目で先に合わせ、左目で「ずれ」だけを補正するイメージです。
顕微鏡の使い方(重要)
3つの道具のうち、もっとも手順が複雑で、もっともテストに出やすいのが顕微鏡です。まず各部の名前を押さえます。
倍率 = 接眼レンズの倍率 × 対物レンズの倍率
例:接眼10倍 × 対物40倍 = 400倍
使うときは、必ず 低倍率から始める のがルールです。倍率が高いほど視野が狭く暗くなるので、まず低倍率で対象を視野の中央にとらえてから、徐々に倍率を上げます。
- ① 水平で直射日光のあたらない場所に置く。
- ② 一番 低倍率の対物レンズ を選び、接眼レンズをのぞきながら反射鏡としぼりで明るさを調節する。
- ③ プレパラートをステージにのせ、クリップでとめる。
- ④ 横から見ながら、調節ねじを回して対物レンズをプレパラートに できるだけ近づける。
- ⑤ 接眼レンズをのぞきながら、調節ねじを回して対物レンズを 遠ざける向きでピントを合わせる。
- のぞきながら近づけると、行きすぎたときに 対物レンズがプレパラートに当たって割れる 危険があるから。
- 横から見て近づけ、のぞきながら遠ざけるなら、像が見えた瞬間にねじを止めればぶつかりません。「近づけるときは横から、合わせるときは離す向き」と覚えます。
- 直射日光が当たる場所で反射鏡を太陽に向けると、ルーペと同じく失明の危険があるので絶対に避けます。
視野の像は上下左右が逆になる
顕微鏡をのぞくと、見えている像は 実物と上下左右が反対 になっています。これは、対物レンズが作る像の性質です。
- 視野の 右 に見えるものを中央に持ってきたいとき → プレパラートは 右 に動かす(像は左に動く)。
- 視野の 下 に見えるものを中央に持ってきたいとき → プレパラートは 下 に動かす(像は上に動く)。
- つまり、動かしたい向きと同じ向きにプレパラートを動かせばOK。「像は逆だが、動きは同じ向き」と覚えると間違えません。
練習問題
- 顕微鏡で、目をあてる方のレンズを何というか。
- 顕微鏡で、観察するものに近い方のレンズを何というか。
- 光の量を調節する部分を何というか。
- 接眼レンズが10倍、対物レンズが40倍のとき、顕微鏡の倍率は何倍か。
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(1) 接眼レンズ
(2) 対物レンズ
(3) しぼり
(4) 10 × 40 = 400倍
- 接眼レンズをのぞきながら、対物レンズを遠ざけてピントを合わせる。
- 横から見ながら、対物レンズをプレパラートに近づける。
- プレパラートをステージにのせ、クリップでとめる。
- 水平で直射日光のあたらない場所に顕微鏡を置く。
- 低倍率の対物レンズを選び、反射鏡としぼりで明るさを調節する。
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エ → オ → ウ → イ → ア
ポイントは「明るさ調節 → プレパラート設置 → 横から近づける → のぞきながら遠ざける」の順。先に 横から近づけてから、のぞきながら遠ざける 理由は、対物レンズとプレパラートがぶつかって割れるのを防ぐためです。
- ルーペで太陽を絶対に見てはいけないのはなぜか。
- 顕微鏡で対物レンズをプレパラートに近づけるとき、接眼レンズをのぞかずに横から見るのはなぜか。
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(1) 解答例:ルーペは光を1点に集めるはたらきがあり、太陽の強い光が目の中の網膜に集まると、網膜が焼けてしまい、最悪の場合は失明するから。
(2) 解答例:のぞきながら近づけると、対物レンズがプレパラートに当たっていることに気づきにくく、レンズやプレパラートのガラスが割れる危険があるから。横から見ていれば、ぶつかる前に止められる。
まとめ
- 観察道具は対象によって使い分ける。ルーペ(5〜10倍)/双眼実体顕微鏡(10〜40倍・立体)/顕微鏡(40〜600倍・平面)。
- ルーペは 目に近づけて持ち、観察物または自分が動いてピントを合わせる。太陽を見ないこと。
- 双眼実体顕微鏡は、最初に 接眼レンズの幅を目の幅に合わせ、右目→左目の順でピントを合わせる。
- 顕微鏡の倍率=接眼×対物。低倍率から始め、横から近づけ、のぞきながら離す。
- 視野の像は 上下左右が逆。動かしたい向きと同じ向きにプレパラートを動かせばよい。