花の4つの部分
典型的な花(アブラナやサクラなど)は、外側から内側へ がく → 花びら(花弁)→ おしべ → めしべ の順で4つの部分が並んでいます。それぞれに、ちゃんと意味のある役割があります。
- やくはおしべの先端。花粉を 出す 側。
- 柱頭はめしべの先端。花粉を 受け取る 側。
- 名前が似ているので混同しがちですが、「やくは雄、柱頭は雌」と整理しましょう。
受粉と受精 ── 種子ができる流れ
花の役割は「種子をつくること」。そのために必要なのが 受粉 と 受精 です。この2つは似た言葉ですが、別の段階を指します。
受精が終わると、花の中で大きな変化が起きます。ここがテストでもよく問われる重要ポイントです。
- 子房 → 果実(子房がふくらんで実になる)
- 胚珠 → 種子(胚珠の中で新しい植物の赤ちゃんが育って種になる)
リンゴ・モモ・トマトの「実」は、もとは花の 子房 でした。中の種は、もとは 胚珠 です。サクランボを食べるとき、私たちは「子房だったもの」をかじり、「胚珠だったもの」を出している、というわけです。
被子植物と裸子植物の違い
ここまで見てきたのは、すべて 子房がある植物 の話でした。じつは植物の中には、子房を持たないグループもあります。種子をつくる植物(種子植物)は、この点で2つに分かれます。
- まつぼっくりは、雌花のりん片に 胚珠(のちに種子)が並んだもの が大きくなったものです。
- マツには子房がないので、原理的に 果実はできません。まつぼっくりは「種子の集まり」であって果実ではない、と区別しましょう。
- イチョウのギンナンも、見た目はくだもののようですが、実は種子の一部(外側のやわらかい部分)。果実ではありません。
「被子(ひし)」は 「服を着ている」、「裸子(らし)」は 「裸(はだか)」 と覚えると分かりやすいです。胚珠が子房という服を着ているのが被子植物、裸でむき出しなのが裸子植物。植物の進化の歴史では、裸子植物のほうが古く、被子植物のほうが新しい 時代に登場しました。子房という保護袋を発明したことで、被子植物は地球上で大きく繁栄しました。
マツの花のつくり ── 子房がない代わりに
裸子植物の代表 マツ の花は、サクラやアブラナとはかなり姿が違います。花びらもがくもなく、地味です。マツは 雌花と雄花が分かれて いて、それぞれ枝の別の場所につきます。
- 雌花:枝の 先端 につく赤っぽい花。重なった「りん片」に 胚珠 がむき出しでついている。
- 雄花:新しく伸びた枝の もとの方 につく黄色っぽい花。りん片に 花粉のう があり、ここで花粉をつくる。
- 受粉は 風 によって起こる(風媒花)。虫を呼ぶ必要がないので、花びらが地味でいい。
- 受粉してから種子ができて まつぼっくりが熟す までに、なんと 1年以上 かかります。
被子植物の「おしべ・めしべ」にあたるのが、マツでは 雄花のりん片(花粉のうつき)と、雌花のりん片(胚珠つき) です。仕組みは同じでも、子房がないぶん、つくりがシンプルになっているのが裸子植物の特徴です。
練習問題
- 花の4つの部分を、外側から順に書きなさい。
- めしべの先端で、花粉を受け取る部分を何というか。
- めしべの下のふくらんだ部分の中にある、種子のもとになる粒を何というか。
- 花粉がめしべの柱頭につくことを何というか。
- 花粉から花粉管が伸びて、胚珠の中の卵細胞と合わさることを何というか。
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(1) がく → 花びら → おしべ → めしべ
(2) 柱頭
(3) 胚珠(その外側のふくらみは「子房」)
(4) 受粉
(5) 受精
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解答例:子房は 果実 に、胚珠は 種子 に変わる。受精によって胚珠の中に新しい植物の赤ちゃん(胚)ができるため、それを守るために胚珠そのものが種子になる。同時に、種子を包んでいる子房がふくらんで果実になり、種子を守ったり、動物に食べられて種子を遠くへ運んでもらったりする役割を持つ。
タンポポ・マツ・サクラ・イチョウ・スギ・アブラナ
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被子植物:タンポポ、サクラ、アブラナ
裸子植物:マツ、イチョウ、スギ
分類の決め手:胚珠が子房に包まれているのが被子植物、子房がなく胚珠がむき出しになっているのが裸子植物。被子植物は果実ができるが、裸子植物は果実ができない。
まとめ
- 花は外側から がく → 花びら → おしべ → めしべ。それぞれに「支える」「虫を呼ぶ」「花粉をつくる」「種子をつくる」という役割がある。
- 受粉は花粉が柱頭につくこと、受精は花粉管を通って卵細胞と合わさること。受粉と受精は別の段階。
- 受精後、子房は果実に、胚珠は種子に変わる。リンゴの実は子房、種は胚珠だったもの。
- 胚珠が子房に包まれているのが 被子植物(タンポポ・サクラ・アブラナなど)、むき出しなのが 裸子植物(マツ・スギ・イチョウなど)。裸子植物には果実がない。
- マツは雌花・雄花が分かれた風媒花で、まつぼっくりは果実ではなく 種子の集まり。