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物質の見分け方 ── 金属・有機物・無機物

机の上にあるコップ、消しゴム、はさみ。これらは「コップ・消しゴム・はさみ」という 物体であると同時に、ガラス・ゴム・鉄という 物質でできています。理科では「何でできているか」のほうに注目します。今回は、身のまわりの物質を 金属/有機物/無機物の3つに分ける、いちばん基本の物差しを身につけます。

物体と物質はちがう

まずは言葉の整理から。中1理科でいちばん最初につまずきやすいポイントです。

用語:物体
使い道・形に注目した呼び方
「コップ」「ペン」「机」のように、何に使うものか・どんな形かで呼ぶときの呼び方。
用語:物質
材料・中身に注目した呼び方
「ガラス」「プラスチック」「鉄」のように、それが何でできているかに注目した呼び方。
同じ物体でも物質はいろいろ
  • 同じ「コップ」という物体でも、ガラス製のコップ・プラスチック製のコップ・金属製のコップがある。
  • 逆に「鉄」という物質からは、くぎ・フライパン・はさみなど、いろいろな物体がつくれる。
  • 理科の実験で「この物質は何か?」と聞かれたら、答えは ガラス・鉄・砂糖 のように材料の名前。

金属の見分け方(5つの性質)

金属には、ほかの物質にはない共通の特徴があります。次の5つを覚えておけば、目の前の物質が金属かどうかをかなり正確に判断できます。

性質1
みがくと光る(金属光沢)
表面をみがくと、独特のツヤが出る。これを 金属光沢 という。
性質2
電気をよく通す
電気の通り道(導線)として使えるくらい、電気をよく通す。
性質3
熱をよく伝える
フライパンや鍋に金属が使われるのは、熱が早く伝わるから。
性質4
たたくと広がる/引っぱると伸びる
たたくと薄く広がる性質を 展性、引っぱると細く伸びる性質を 延性 という。アルミ箔や銅線が作れるのはこのため。
性質5(注意)
磁石につくのは「鉄など一部」だけ
「磁石につく=金属」とまとめてはいけない。磁石につくのは 鉄・ニッケル・コバルトなど一部だけ。アルミ・銅・金・銀は金属だが磁石につかない
つまずきポイント:磁石は金属の見分けに使えない
  • 10円玉(銅)も1円玉(アルミ)も金属だが、磁石にはつかない。
  • 金属かどうかを調べたいときは、金属光沢があるか・電気を通すか の2つで判断するのが正解。
  • 磁石はあくまで「鉄を含むかどうか」を調べる道具と思っておく。

有機物と無機物

金属でないものは、さらに「有機物」と「無機物」に分けます。見分け方は 「燃やしてみる」です。

用語:有機物
燃やすと二酸化炭素と水が出る物質
多くは 炭素(C)を含んでいる。例:紙・木・プラスチック・砂糖・ろう・エタノール。燃えるとこげて黒くなり、二酸化炭素と水ができる。
用語:無機物
有機物以外の物質
例:水・食塩・ガラス・金属・酸素。金属も大きく見ると無機物のなかま。
例外:炭(炭素そのもの)は無機物あつかい
  • 炭や黒鉛は炭素のかたまりだが、燃やしても 二酸化炭素しか出ず、水ができない
  • そのため、ふつう 無機物 に分類する。
  • 「炭素を含む=有機物」と機械的に覚えると、ここで間違える。

燃やしたときに何が出るか確かめる方法

有機物かどうかを調べるには、燃やして出てきた気体や水分を確認します。

確認のしかた
  • 二酸化炭素が出たかどうか:集めた気体を 石灰水 に通して振る。白くにごれば二酸化炭素が出ている。
  • 水ができたかどうか:燃焼させているガラス容器の 内側がくもる。または、塩化コバルト紙 をかざすと青色から赤色(うすい桃色)に変わる。
  • この2つが両方確認できれば、その物質は有機物だと言える。

3つの観点で物質を分ける

ここまでをまとめると、目の前の物質は次の順番で見分けられます。

調べたい物質 (目の前にあるもの) 問1:金属光沢があり、電気を通すか? (みがいて光る・電気が流れる) YES NO 金属 鉄・銅・アルミ・金 など 問2:燃やすと二酸化炭素と    水が出るか? YES NO 有機物 紙・木・砂糖・プラスチック 無機物 水・食塩・ガラス・炭 など
図1:物質を金属・有機物・無機物に分ける判別フロー

この順番で問いかけていけば、ほとんどの物質はきれいに3つのグループに分けられます。実験のときも、まず 金属かどうかを確認し、次に 燃やしてみるのが基本の流れです。

練習問題

問題1(分類)
次の8つの物質を、金属・有機物・無機物の3つに分類しなさい。

鉄/砂糖/水/プラスチック/銅/ガラス/木/食塩

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金属:鉄、銅

有機物:砂糖、プラスチック、木(燃やすと二酸化炭素と水が出る)

無機物:水、ガラス、食塩

※ 金属(鉄・銅)も大きく見れば無機物だが、中1理科では金属を独立した区分として扱う。

問題2(記述)
ある白い粉を燃やしたら、黒くこげて、出てきた気体を石灰水に通すと白くにごった。この物質は有機物か無機物か。理由とあわせて答えなさい。
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解答例:有機物である。

理由:燃やしたときに出た気体が石灰水を白くにごらせたことから、二酸化炭素が発生したことが分かる。また、黒くこげたことは炭素を含んでいる証拠である。燃やすと二酸化炭素が出る物質は有機物に分類されるため。

問題3(実験計画)
見た目が似た3つの白い粉、食塩・砂糖・小麦粉がある。これらを区別するには、どんな実験をすればよいか。少なくとも2つの方法を答えなさい。
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方法1:燃やしてみる。砂糖と小麦粉は有機物なので、燃えて黒くこげる。食塩は無機物なので燃えない。これで 食塩 を区別できる。

方法2:水に入れてかき混ぜる。食塩と砂糖は水によくとけて透明になる。小麦粉は水にとけず、白くにごる。これで 小麦粉 を区別できる。

方法3(参考):なめてみる。食塩はしょっぱい、砂糖は甘い、小麦粉は味がうすい。ただし、理科の実験では むやみに薬品をなめてはいけない。家庭科の調味料くらいに限られる方法。

※ 方法1と方法2を組み合わせれば、3つすべてを区別できる。

まとめ

  • 物体は使い道・形に注目した呼び方、物質は何でできているかに注目した呼び方。
  • 金属の特徴は 金属光沢・電気を通す・熱を伝える・展性/延性 の4つ。磁石につくのは鉄など一部だけで、金属の見分けには使わない。
  • 有機物は燃やすと 二酸化炭素と水が出る物質。紙・木・砂糖・プラスチックなど。
  • 無機物は有機物以外。水・食塩・ガラス・金属・炭など。
  • 確認方法:二酸化炭素は 石灰水を白くにごらせる、水は 容器の内側がくもる・塩化コバルト紙が青→赤に変わる