図でつかむ
先に「どの文字を消すか」を決め、係数をそろえてから足すか引くかを選びます。図のように、消える文字を目で確認してから計算すると符号ミスが減ります。
加減法とは
消去後は1元の方程式になり、解くだけで答えが出る。
加減法の基本手順
- 消したい文字を決める(係数が揃えやすい方)
- 2式の係数を揃える(必要なら整数倍)
- 2式を足すか引くかで1文字を消去
- 残った1元の方程式を解く
- 得た値を元の式に代入して、もう1文字も求める
係数が揃っている場合(最も簡単)
y の係数が +1 と −1 → 2式を 足すと y が消える
(x + y) + (x − y) = 5 + 1
2x = 6 → x = 3
x = 3 を 1式目に代入:3 + y = 5 → y = 2
→ (x, y) = (3, 2)
y の係数が +3 と −3 → 足すと y が消える
4x = 12 → x = 3
x = 3 を 1式目に代入:6 + 3y = 11 → 3y = 5 → y = 5/3
→ (3, 5/3)
係数を揃える必要がある場合
y の係数が 2 と 1 → 2式目を 2倍して係数を揃える
{ 3x + 2y = 14 / 2x + 2y = 12 }
1式から 2式を引く:x = 2
x = 2 を 2式目に代入:2 + y = 6 → y = 4
→ (2, 4)
同符号は引く、異符号は足す(重要原則)
消したい文字の係数が 同符号(両方+または両方−) → 引く
例:3x + 2y = ... と 5x + 2y = ... → 引いて y を消す
消したい文字の係数が 異符号(+と−) → 足す
例:3x + 2y = ... と 5x − 2y = ... → 足して y を消す
「同足異引」と覚える人もいる(実際は逆:同符号は引く、異符号は足す)
例題で確認
y の係数が同じ(同符号 +5)→ 引く(2式 − 1式)
x = 3
代入:3·3 + 5y = 16 → 5y = 7 → y = 7/5
→ (3, 7/5)
y の係数が +3 と −3(異符号)→ 足す
7x = 20 → x = 20/7
代入:5·(20/7) + 3y = 19 → 3y = 19 − 100/7 = 33/7 → y = 11/7
両方の係数を揃える
y を消すには、係数を最小公倍数 6 に揃える:
1式 × 3:9x + 6y = 39
2式 × 2:10x + 6y = 44
引く:x = 5(同符号6y で引く)
代入:15 + 2y = 13 → y = −1
→ (5, −1)
{ 2x + 5y = 13 / 3x + 7y = 19 }
x の係数を揃える:1式×3、2式×2 → 6x
1式×3:6x + 15y = 39
2式×2:6x + 14y = 38
引く:y = 1、代入で x = 4
どちらの文字を消すか選ぶ
- 係数が小さい方が計算が楽
- 係数の最小公倍数が小さい方の文字を消す
- 1の係数があれば、それを揃えやすい
- 分数や小数を避けられる方を選ぶ
- 「2式目を3倍」と決めたら、左辺も右辺も3倍する
- × 左辺だけ3倍、右辺はそのまま(不一致)
- 係数だけでなく 定数項も忘れずに
- 例:x + y = 5 を3倍 → 3x + 3y = 15(5も3倍)
- 同符号(++ or −−)→ 引くと消える
- 異符号(+−)→ 足すと消える
- 係数の絶対値が同じだけでなく、符号も確認
- x の値が出たら、元の式(変形前)に代入
- 変形後の式に代入してもよいが、計算が面倒になることも
- 係数の小さい式に代入する方が楽
この章でつまずきやすいところ
加減法は手順自体はシンプルですが、本文や問題を読みながら「同符号と異符号、どっち?」「何倍したっけ?」と途中で迷いやすい単元です。式を見ながら止まりがちな具体場面を整理して、止まらず最後まで解けるようにします。
同符号と異符号を逆に思い込んでしまう
- つまずく場面:本文を読んでいる途中で「3x+2y=14 と 2x+2y=12」を見て、y の係数が同じなのに反射的に足してしまい、消したかった y が +4y のまま残って手が止まってしまう場面です。
- 克服のコツ:見分け方として、消したい文字の係数の符号を2式で並べて確認します。消したい文字の係数が同符号なら2式を引く、異符号なら2式を足す。係数の絶対値だけでなく、必ず符号もペアで見るのがコツです。
- ミニ例:3x+2y=14 と 2x+2y=12 では y の係数が 同じ +2(同符号)なので 引く。引けば 2y−2y=0 となり、x=2 が残ります。
式を整数倍するとき右辺を倍にし忘れる
- つまずく場面:「2式目を3倍して係数をそろえよう」と決めて式を書き直す途中で、左辺の x と y は3倍したのに、右辺の数だけそのまま写してしまい、後の計算で答えが合わなくなる場面です。
- 克服のコツ:因果関係として、「両辺に同じ数をかける」から等式は保たれます。左辺だけ倍にすると等式が崩れるので、整数倍したら必ず右辺も同じ倍率にする。式を書く前に「両辺×3」と頭に置いてから書き始めると忘れません。
- ミニ例:x+y=5 を3倍するときは、左辺だけでなく 右辺の 5 も3倍して 3x+3y=15 とします。3x+3y=5 と書くのは誤りです。
消す文字を係数の大きい方で選んでしまう
- つまずく場面:問題を解く途中で {3x+4y=25, 2x−5y=−2} のような式を見て、なんとなく先に出てきた x を消そうとしたものの、y の係数の最小公倍数が大きく、途中の計算が分数まみれになって手が止まる場面です。
- 克服のコツ:見分け方として、x を消す場合と y を消す場合の係数の最小公倍数をそれぞれ出し、小さい方の文字を消すと決めます。1の係数があればそれを使うのも楽です。式を倍にする前に一度立ち止まるのがコツです。
- ミニ例:{3x+4y=25, 2x−5y=−2} では、x を消すのに必要な係数の最小公倍数は lcm(3,2)=6、y を消す場合は lcm(4,5)=20。小さい 6 で済む x を消す方が計算が楽で、ミスが減ります。
代入する式を変形後の式に戻してしまう
- つまずく場面:x の値が出てホッとした直後、「どの式に代入しよう」と迷い、係数をそろえるために整数倍した変形後の式に代入してしまって、数字が大きくなり計算ミスが増える場面です。
- 克服のコツ:時系列で整理すると、代入は変形する前の元の式に戻すのが基本です。変形後でも答えは同じですが、係数が大きくなりがちで計算量が増えます。係数が小さい方の元の式に代入すると一番楽になります。
- ミニ例:{3x+2y=14, x+y=6} で x=2 が出たら、変形後の 2x+2y=12 ではなく、元の x+y=6 に代入。2+y=6 から y=4 とすぐ求まります。
練習問題
次を解け。
- { x + y = 8、x − y = 2 }
- { 2x + y = 7、3x − y = 8 }
- { x + 2y = 9、3x + 2y = 13 }
答えを見る
(1) 足す:2x=10 → x=5、y=3
(2) 足す:5x=15 → x=3、y=1
(3) 2式−1式:2x=4 → x=2、1式:2+2y=9 → y=7/2
- { 2x + 3y = 12、x + y = 5 }
- { 3x + 2y = 16、5x + 4y = 30 }
- { 4x − 3y = 10、2x + y = 5 }
答えを見る
(1) 2式×2:2x+2y=10、1式から引く:y=2、x=3
(2) 1式×2:6x+4y=32、2式から引く:x=2、y=5
(3) 2式×3:6x+3y=15、1式と足す:10x=25 → x=5/2、y=0
{ 5x + 2y = 4、3x − 4y = −21 } を解け。
答えを見る
1式×2:10x + 4y = 8
足す(y の係数が +4 と −4 で異符号):13x = −13 → x = −1
代入:−5 + 2y = 4 → y = 9/2
{ 3x + 4y = 25、2x − 5y = −2 } で、x と y のどちらを先に消すと楽か?
答えを見る
x の係数 3 と 2 の最小公倍数 6(1式×2、2式×3)
y の係数 4 と −5 の最小公倍数 20(1式×5、2式×4)
→ x を消す方が小さい数で計算でき、楽
まとめ
- 加減法:2式を 足す or 引くで1文字消去。
- 同符号は 引く、異符号は 足す。
- 係数を揃えるため両式を 整数倍することも(最小公倍数)。
- 両辺すべてに同じ数を掛ける(右辺も忘れずに)。
- 1文字を求めたら、元の式に代入してもう1文字も求める。
- どちらの文字を消すかは、係数の最小公倍数が小さい方を選ぶ。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
加減法は「ガウスの消去法」へつながる発展
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