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2章 連立方程式 ── 章末40問問題集

2章の総まとめ 40問。計算・応用に分けて、テスト前の総復習に最適。連立方程式の解き方と文章題のパターンを体に染み込ませましょう。

復習のポイント

  • 加減法:係数を揃えて足し引きで1文字を消去
  • 代入法:「y = …」の形をもう一方の式に代入
  • 分数・小数:先に整数化(×6、×10など)
  • かっこ:展開して整理
  • 文章題:x, yを決めて、2つの式を立てる → 解く → 吟味

連立方程式の見通し

  • 係数がそろっている、またはすぐそろうなら加減法。片方の式が x=... や y=... なら代入法が速い。
  • 分数や小数は、先に両辺へ同じ数をかけて整数に直すとミスが減る。
  • 文章題は、求めたい2つの量を x, y とし、条件を2本の式に分ける。
  • 解いたあとは、元の2式の両方に代入して確認する。片方だけでは符号ミスに気づけないことがある。
選び方の例

2x+y=7, x−y=2 は y の係数が +1 と −1 なので、足せば y が消える。

x=3y+1, 2x+y=11 は、x の式をそのまま代入する。

この章でつまずきやすいところ

連立方程式の章末問題を解いている途中、「どっちの解き方を使う?」「分数や小数はどう処理する?」と手が止まる場面は多いです。ここでは、本文や問題を見ている最中に起こる迷いを4つ取り上げ、見分け方のコツを整理します。

加減法か代入法かで手が止まる

  • つまずく場面:「2x+y=7、x−y=2」と「x=3y+1、2x+y=11」のような連立式を前に、どちらの方法で解き始めればよいか迷い、最初の一手が出ずに時間を使ってしまう場面。
  • 克服のコツ:見分け方で整理する。片方の式が x=… や y=… の形に近いなら代入法、係数がそろっている/そろえやすいなら加減法と決める。式を見た瞬間に「1文字が単独で表されているか」をまずチェックすると、選択に迷わなくなる。
  • ミニ例:「x=3y+1、2x+y=11」は x が単独なので代入法。「2x+y=7、x−y=2」は y の係数が +1 と −1 なので、足せば y が消える加減法が速い。

片方の式だけに数を掛けるとき全項を見落とす

  • つまずく場面:加減法で「3x+y=10、x+y=4」を解こうとして、y の係数をそろえるためにどちらかの式を何倍かする途中、左辺だけ掛けて右辺の定数項を掛け忘れたまま引き算を始めてしまう場面。
  • 克服のコツ:因果関係で整理する。等式は両辺を同じ数で掛けてこそ成り立つ。式を何倍かすると決めたら、x の項・y の項・定数項すべてに同じ数を掛けると声に出して確認する。掛け忘れは符号ミスより気づきにくく、答えが整数解にならない原因になりやすい。
  • ミニ例:「x+2y=7」を 3 倍するなら、左辺の x と 2y だけでなく右辺の 7 も 3 倍して 21にする。「3x+6y=21」と書ききって初めて、もう一方の式と引き算できる。

代入したあとのかっこを外し忘れる

  • つまずく場面:「y=2x+1、3x+y=6」を代入法で進める途中、3x+y の y に 2x+1 を入れて「3x+2x+1=6」と書いてしまい、本当は (2x+1) とかっこで囲むべきだったと気づかないまま符号や項をずらしてしまう場面。
  • 克服のコツ:位置関係で整理する。代入する式は必ずかっこで囲むと決めておく。とくに代入する式に − 符号や複数項があるときは、かっこを外す瞬間に符号が変わる。「y=−x+5」を 2x−y に代入するなら、2x−(−x+5) と書いてから外す。
  • ミニ例:「y=−x+5、2x−y=4」では、2x−(−x+5)=4 と書く。かっこを外すと 2x+x−5=4 になり、3x=9、x=3、y=2 と進める。かっこを省くと符号を逆にしてしまう。

分数や小数の式で片方の辺だけ整数化してしまう

  • つまずく場面:「x/3+y/2=3」や「0.3x+0.2y=1.4」を見て、係数を整数に直そうとする途中、左辺の分数・小数だけに 6 や 10 を掛けて、右辺の 3 や 1.4 をそのまま残してしまう場面。
  • 克服のコツ:因果関係で整理する。分母を払う・小数を消すのは「両辺に同じ数を掛ける」操作。分数なら分母の最小公倍数、小数なら10倍・100倍を、必ず右辺の定数項にも掛ける。先に整数の式に直してから加減法・代入法に進むと、ミスがぐっと減る。
  • ミニ例:「x/3+y/2=3」は両辺に 6 を掛けて 2x+3y=18。「0.3x+0.2y=1.4」は両辺を 10 倍して 3x+2y=14。右辺の 3 や 1.4 を掛け忘れると、答えが合わない。
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A 加減法・代入法(15問)
  1. { x+y=10、x−y=2 }
  2. { 2x+y=8、x−y=1 }
  3. { x+2y=7、3x+2y=11 }
  4. { 3x+y=10、x+y=4 }
  5. { y=2x+1、3x+y=6 }
  6. { x=y+3、2x+y=12 }
  7. { y=−x+5、2x−y=4 }
  8. { 2x+3y=12、5x+3y=18 }
  9. { 3x−2y=5、x+y=5 }
  10. { 4x+y=11、3x−y=3 }
  11. { x/2+y=4、x−y=2 }
  12. { 0.7x+0.3y=1.7、x−y=1 }
  13. { 2(x+y)=14、x−y=3 }
  14. { x−2y=4、3x+y=5 }
  15. { x+y=20、x=2y+2 }
答えを見る

(1) x=6, y=4 (2) x=3, y=2 (3) x=2, y=5/2

(4) x=3, y=1 (5) x=1, y=3 (6) x=5, y=2

(7) x=3, y=2 (8) x=2, y=8/3 (9) x=3, y=2

(10) x=2, y=3 (11) x=4, y=2 (12) x=2, y=1

(13) x=5, y=2 (14) x=2, y=−1 (15) x=14, y=6

B かっこ・分数・小数(10問)
  1. { 3(x−1)+y=5、x+2y=6 }
  2. { 2x−(y+1)=3、x+y=4 }
  3. { x/3+y/2=3、x+y=6 }
  4. { 0.3x+0.2y=1.4、x+y=5 }
  5. { x−y=2、(x+y)/2=4 }
  6. { 0.1x+0.5y=2、x+2y=8 }
  7. { (x+1)/2=y、3x+y=10 }
  8. { 2(x+y)=10、3(x−y)=6 }
  9. { x/4+y/3=1、x+y=5 }
  10. x+2y = 3x−y = 9(A=B=C 形)
答えを見る

(1) 3x−3+y=5、x+2y=6 → x=2, y=2 (2) 2x−y=4、x+y=4 → x=8/3, y=4/3

(3) 2x+3y=18、x+y=6 → x=0, y=6

(4) 3x+2y=14、x+y=5 → x=4, y=1

(5) x−y=2、x+y=8 → x=5, y=3

(6) x+5y=20、x+2y=8 → 3y=12 → y=4、x=0

(7) x+1=2y、3x+y=10 → x=19/7, y=13/7

(8) x+y=5、x−y=2 → x=7/2, y=3/2

(9) 3x+4y=12、x+y=5 → x=8, y=−3

(10) x+2y=9、3x−y=9 → x=27/7, y=18/7

C 文章題:個数・金額(5問)
  1. 大小の数2つ、合計20、差は4。2数は?
  2. 120g と 80g のおもりを合計10個で1000g。それぞれ何個?
  3. 10円玉と50円玉合わせて30枚で1100円。それぞれ何枚?
  4. シャツ500円、ズボン300円、合わせて5着で1900円。それぞれ何着?
  5. 大人 a円、子ども b円、合計5人で3150円。大人は子どもの倍料金で、大人2人と子ども3人
答えを見る

(1) 12, 8

(2) 120g × 5個、80g × 5個

(3) 10円玉10枚、50円玉20枚

(4) シャツ2着、ズボン3着

(5) a=2b、2a+3b=3150 → 4b+3b=3150 → b=450、a=900。大人900円、子ども450円

D 文章題:割合・速さ・年齢(10問)
  1. 濃度4%と8%の食塩水を混ぜて、6% 200gを作る
  2. 5%と10%の食塩水で7%の500gを作る
  3. 時速4kmで歩き、時速6kmで走り、合計1時間で5km
  4. A町からB町まで、行きは時速4km、帰りは時速6km、合計5時間。片道?
  5. 父子合わせて50歳、20年後父は子の2倍。今の年齢?
  6. 2桁の数、各桁の和7、入れ替えると元より9大きい
  7. 2桁の数、各桁の和が8、十の位の3倍が一の位より4大きい。元の数を答えよ
  8. 連続する2偶数の和が30、2数は?
  9. 連続する2奇数の差は2、和は20。奇数は?
  10. あるクラス40人、男子の60%と女子の40%が部活、合計20人。男子・女子は?
答えを見る

(1) 4%を100g、8%を100g

(2) 5%を300g、10%を200g

(3) 歩き x時間、走り y時間:x+y=1、4x+6y=5 → x=1/2, y=1/2(距離は2km, 3km)

(4) 片道12km(x/4+x/6=5 → x=12)

(5) 父 x歳、子 y歳:x+y=50、x+20=2(y+20) → x=40、y=10

(6) 元の数 34(3+4=7、43−34=9)

(7) 十の位 a、一の位 b:a+b=8、3a=b+4 → a=3、b=5。元の数 35

(8) 14, 16(連続偶数)

(9) 9, 11(連続奇数)

(10) 男子 x人、女子 y人:x+y=40、0.6x+0.4y=20 → x=20, y=20

テスト前のチェックリスト

  • □ 加減法と代入法の使い分け
  • □ 分数 → 分母の最小公倍数を掛ける
  • □ 小数 → 10倍・100倍
  • □ かっこ → 展開してから整理
  • □ 文章題:x, y を決める → 2式立てる → 解く → 吟味
  • □ 答えは (x, y) の組で書く
  • □ 整数解になるかどうか確認
つまずきポイントの再確認
  • 分数の処理:分母を払うとき、右辺の定数項にも掛ける
  • 代入時のかっこ:y=2x+1 を代入するとき、(2x+1) とかっこをつける
  • 文章題の解の吟味:個数なら正の整数、年齢なら正の数
  • 2桁の数 = 10a+b(a+b ではない)

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

連立方程式のルーツは古代中国にあった発展

今みなさんが習う連立方程式は、近代の発明ではなく古代中国の数学にさかのぼります。13世紀の中国で生まれた「天元術」という方程式の解法が日本に伝わり、江戸時代の和算が発展する土台になりました。連立方程式は世界の数学者が長い時間をかけて磨いてきた知恵なのです。

出典:国立国会図書館「江戸の数学」コラム 中国の数学の影響

未知数を「消す」工夫は江戸の天才が完成させた発展

中国から伝わった天元術は、もともと未知数が1個の場合しか扱えませんでした。江戸時代の数学者・関孝和は「傍書法」という新しい書き方を考え出し、複数の未知数を1つの式で表せるようにして、未知数を消去する連立方程式の解法を大きく前進させました。みなさんが使う加減法・代入法の発想は、こうした工夫の延長線上にあります。

出典:国立国会図書館「江戸の数学」第2章 関孝和

関孝和は「行列式」を西洋より先に見つけていた発展

関孝和は未知数が2個以上の連立方程式を解くために「交式」「斜乗」という計算法を1683年に発表しましたが、これは現代でいう「行列式」の展開法とほぼ同じものでした。西洋でライプニッツが同じ着想を記したのは1693年とされ、関は10年ほど先んじていました。連立方程式を整理して解く考え方は、のちに高校・大学で学ぶ行列へとつながっていきます。

出典:nippon.com「太平の世に花開いた日本の数学“和算”」

食塩水を混ぜる計算は理科や料理でも同じ考え方実生活

章末問題に出てくる「4%と8%の食塩水を混ぜて6%を作る」ような問題は、食塩水全体の重さの式と、含まれる食塩の重さの式という2本の関係から連立方程式を立てて解きます。混ぜる前の重さの合計が混ぜた後の重さになり、含まれる食塩の合計も同じように保たれる、という事実が立式の根拠です。この「全体」と「中身」を別々に式にする考え方は、理科の濃度や調理での薄め方など実生活の場面でそのまま使えます。

出典:文部科学省「中学校学習指導要領 理科」第1分野「水溶液」(質量パーセント濃度)

経済の波及効果も連立した式で計算する実生活

国や都道府県は「産業連関表」という表を使い、ある産業への需要が増えたとき、ほかの産業の生産がどれだけ増えるかを計算しています。これは1936年にアメリカの経済学者レオンチェフが考え出したもので、各産業の生産と投入のつり合いを表す多くの式を同時に満たす値を求める、連立方程式と同じ仕組みでできています。中学で習う「2本の式を同時に満たす解」を求める考え方が、社会全体の規模に広がったものといえます。

出典:総務省「産業連関表の歴史」

産業連関表は政策の効果予測に実際に使われている実生活

産業連関表からは、ある産業に新しい需要が生まれたときに必要となる各産業の生産を順々にたどる「波及効果」を求められます。公共投資や企業の立地が地域経済にどれだけ効果を及ぼすかの予測に使われ、国や自治体、大学、研究機関で広く活用されています。連立方程式を解く力は、こうした社会の意思決定を支える土台になっているのです。

出典:総務省「産業連関表の仕組み」