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連立方程式とグラフ ── 2直線の交点

「連立方程式の解」と「2直線のグラフの交点」は 同じもの。これは中2数学の 美しい統一性。代数(式)と幾何(図)が結びつく瞬間で、ここを理解すると数学が一段と楽しくなります。

図でつかむ

交点 = 解 (x, y) 式1式2
図1:連立方程式の解は2直線の交点

この図は、式や定理を読む前に全体像をつかむための補助図です。問題を解くときも、まず同じような簡単な図を自分で描いてから条件を書き込むと、見落としが減ります。

2元連立方程式 = 2直線の交点

公式
連立方程式とグラフの関係
2元1次連立方程式の解は、それぞれの式が表す直線の 交点の座標
逆に、2直線の交点を求めるには連立方程式を解けばよい。

なぜそうなるのか

理由

1つの2元1次方程式 → グラフは 1本の直線(その式を満たす全 (x, y) の集まり)

2つの式を 同時に満たす (x, y) → 両方の直線の上にある (x, y)

→ それは2直線の 交点

→ 交点の座標 = 連立方程式の解

交点を求める ── 連立方程式を解く

例1:y = 2x + 1 と y = −x + 4 の交点

2直線の交点を求める = 連立方程式を解く

y を等しいと置く(どちらも y)

2x + 1 = −x + 4

3x = 3 → x = 1

y = 2·1 + 1 = 3

→ 交点 (1, 3)

例2:3x + 2y = 12 と x − y = 1 の交点

代入法:x = y + 1 を 1式目に代入

3(y + 1) + 2y = 12 → 5y = 9 → y = 9/5

x = 9/5 + 1 = 14/5

→ 交点 (14/5, 9/5)

3つのケース ── 解の数

条件幾何(グラフ)代数(解)
傾きが違う交点 1 つ解は 1 組
傾きが同じ、切片が違う平行(交点なし)解なし
傾きも切片も同じ2直線が 一致解は無数

ケース① 1つの解(普通)

例3:{ y = x + 3、y = 2x }

傾きが異なる(1 と 2)→ 交点1つ

2x = x + 3 → x = 3、y = 6

→ 交点 (3, 6)

ケース② 解なし(平行)

例4:{ y = 2x + 1、y = 2x + 3 }

傾き 2 が同じだが切片が違う → 2直線は 平行

→ 交点なし

→ 連立方程式の 解なし

代数的に確認:2x + 1 = 2x + 3 → 1 = 3(矛盾)

→ 解が存在しない

ケース③ 無数の解(一致)

例5:{ y = 2x + 1、2y = 4x + 2 }

2式目を2で割ると:y = 2x + 1(1式目と同じ)

→ 同じ直線

→ 直線上の すべての点が解

無数の解(解は y = 2x + 1 上のすべての (x, y))

グラフから連立方程式の解を読む

グラフで読み取る

2直線が描いてあるグラフから、交点の座標を読む

交点が (2, 5) なら、連立方程式の解は x = 2, y = 5

グラフが正確でないと座標が読みにくいので、代数的に解くほうが正確

2直線の平行条件・一致条件

条件のまとめ

2直線が平行 ⇔ 傾きが同じで切片が違う

 例:y = 2x + 1 と y = 2x + 3

2直線が一致 ⇔ 傾きも切片も同じ

 例:y = 2x + 1 と 2y = 4x + 2

2直線が交わる ⇔ 傾きが異なる

 例:y = 2x + 1 と y = x + 3

応用 ── ax + by = c の形

y = ax + b に変形してから

問題が ax + by = c の形なら、y について解いて y = ax + b の形に

例:3x + 2y = 6 → y = −(3/2)x + 3

傾き −3/2、切片 3

こうしてからグラフを描く

つまずきポイント①:グラフと代数の対応
  • 連立方程式の問題:解けるかどうかを グラフで確認すると理解が深まる
  • 交点を求める = 連立方程式を解く(代数)
  • 逆も真:連立を解く = 交点を求める(幾何)
  • 2直線が 平行なら解なし、一致なら無数
つまずきポイント②:解なしの場合の対応
  • 連立を解いたとき「1 = 3」のような 矛盾が出たら、解なし(平行)
  • 「0 = 0」のような恒等式が出たら、解は無数(一致)
  • 「x = 1」のように1つの値が出たら、通常の1組の解
つまずきポイント③:式の形の統一
  • 2式の形がバラバラ → 統一して比較
  • × y = 2x + 1 と 2y − 4x = 2 を別物と思う
  • ○ 後者を整理:2y = 4x + 2、y = 2x + 1 → 前者と同じ

練習問題

問題1(交点)
  1. y = x + 3 と y = 2x の交点を求めよ。
  2. y = −x + 4 と y = 2x − 2 の交点を求めよ。
答えを見る

(1) 2x = x + 3 → x = 3、y = 6 → (3, 6)

(2) 2x − 2 = −x + 4 → 3x = 6 → x = 2、y = 2 → (2, 2)

問題2(平行判定)

次の2直線は平行か、交わるか、一致するか答えよ。

  1. y = 3x + 1 と y = 3x + 5
  2. y = 2x + 4 と y = −2x + 4
  3. y = x + 2 と 2y = 2x + 4
答えを見る

(1) 傾き 3 が同じで切片が違う → 平行(解なし)

(2) 傾きが異なる(2 と −2)→ 交わる

(3) 2y = 2x + 4 → y = x + 2 → 1式と同じ → 一致(無数の解)

問題3(連立で交点)

2x + y = 5 と x − y = 1 の2直線の交点を求めよ。

答えを見る

足す:3x = 6 → x = 2、y = 1 → (2, 1)

問題4(解の判定)

{ 2x − y = 3、4x − 2y = 8 } の解はどうなるか。

答えを見る

2式÷2:2x − y = 4。1式 2x − y = 3 と矛盾 → 解なし(2直線は平行)

まとめ

  • 連立方程式の解 = 2直線の 交点の座標
  • 3パターン:
  •  ・1つの解(傾き異なる)
  •  ・解なし(平行)
  •  ・無数の解(一致)
  • 代数と幾何の 架け橋
  • 連立で矛盾 → 解なし、恒等式 → 無数の解。