図でつかむ
枝の先を数えれば全体の場合の数になります。途中で順番を変えたり、同じ段に違う操作を混ぜたりしないことが、数え漏れを防ぐコツです。
樹形図とは
すべての場合を 漏れなく重なりなく数えるためのツール。
樹形図の例
1回目:表(H) か 裏(T)の 2通り
2回目:それぞれの場合に、表か裏
1回目 H → HH、HT
1回目 T → TH、TT
→ 全 4通り(= 2 × 2)
1回目:H/T(2通り)
2回目:それぞれに H/T → 4通り
3回目:それぞれに H/T → 8通り
全 8通り(= 2³)
HHH、HHT、HTH、HTT、THH、THT、TTH、TTT
表を使う方法 ── 2要素のとき便利
縦に1個目(1〜6)、横に2個目(1〜6)の表を作る
→ 6 × 6 = 36通り
36個のマスの中から、目的の場合をマークして数える
和が7になる場合:(1,6), (2,5), (3,4), (4,3), (5,2), (6,1) → 6通り
確率 = 6 / 36 = 1/6
和が偶数 = (偶,偶) または (奇,奇)
(偶,偶):3 × 3 = 9通り
(奇,奇):3 × 3 = 9通り
合計 18通り → 確率 18/36 = 1/2
縦にAさんの手(グー・チョキ・パー)、横にBさんの手(グー・チョキ・パー)の表を作る
→ 3 × 3 = 9通り
あいこ(2人が同じ手)になる場合:(グー,グー), (チョキ,チョキ), (パー,パー) → 3通り
確率 = 3 / 9 = 1/3
場合の数の「掛け算」
合計の場合の数 = a × b 通り。
シャツ 3種類、ズボン 4種類 → 3 × 4 = 12 通りのコーディネート
シャツ 3、ズボン 4、靴 2 → 3 × 4 × 2 = 24 通り
順列の考え方(並べる)
n 個から k 個を順番に選ぶ:n × (n−1) × ... × (n−k+1) 通り。
1番目:3通り(A, B, C のどれか)
2番目:残り2通り
3番目:残り1通り
→ 3 × 2 × 1 = 6通り
ABC, ACB, BAC, BCA, CAB, CBA
1番目:5通り、2番目:4通り、3番目:3通り
→ 5 × 4 × 3 = 60通り
場合の数の応用 ── 確率計算
全場合:2³ = 8通り
表が2回:(表表裏), (表裏表), (裏表表) → 3通り
確率 = 3/8
場合の数:4 × 3 = 12通り
A が最初にくる場合:A__、残り3人から1人 → 3通り
確率:3/12 = 1/4
カードを引く問題
場合の数:5 × 4 = 20通り(1枚目 5通り、2枚目 4通り)
2桁の偶数になる場合:1の位が偶数(2か4)
→ 1の位は 2通り、10の位は残り 4通り = 8通り
確率:8/20 = 2/5
「順番なし」の組合せ(参考)
並べる順番を区別しない
例:5人から3人を 選ぶ(順番なし)
→ 5C3 = 10通り(高校で学ぶ・参考)
中2では「並べる」のほうを中心に
- 「A→B」と「B→A」を 別物とみなす → 順列(並べる)
- 「A, B」と「B, A」を 同じとみなす → 組合せ(選ぶ、高校で学ぶ・参考)
- 問題文をよく読み、どちらかを判定
- 「並べる」「左から」「順番に」 → 順列
- 「選ぶ」「組」 → 組合せ
- 樹形図は すべての場合を描く
- 「他は同じ」と省略しない(途中で誤りやすい)
- 大きな数になる場合は表や掛け算で求める
- 2枚のコインを区別する場合:HH、HT、TH、TT の4通り
- 区別しない場合:HH、HT(=TH)、TT の3通り
- 確率の計算では 区別するのが普通(同様に確からしいため)
この章でつまずきやすいところ
樹形図と表は、場合の数をもれなく重なりなく数えるための道具です。けれど中学生が本文を読んでいる途中や問題を解いている途中には、「順番を区別するの?」「同じものを使えるの?」と手が止まりがち。ここでは数えている途中に起こる迷いに絞って整理します。
「A→B」と「B→A」を同じものと思い込んでしまう
- つまずく場面:「A, B, C の3人を1列に並べる」という問題を読んでいる途中、樹形図を書き始める前に「ABとBAって同じだよね」と感じて枝を減らしてしまう場面。順番を区別するかどうかを決めないまま、なんとなく数え始めて迷子になる。
- 克服のコツ:見分け方で整理します。問題文に「並べる」「左から」「順番に」が出てきたら順序を区別するので AB と BA は別物。「選ぶ」「組」と書かれていたら順序を区別しないので AB と BA は同じ。樹形図を書く前に、まずここを確認してから枝を伸ばすと数え漏れが減ります。
- ミニ例:「A, B, C を1列に並べる」は順序を区別するので 3×2×1=6通り。一方「A, B, C から2人を選んで組にする」は順序を区別しないので AB と BA が同じになり、樹形図の途中で重複を消す必要が出てきます。
樹形図の途中で「あとは同じ」と省略してしまう
- つまずく場面:コインを3回投げる問題で樹形図を書いている途中、1回目が表(H)の枝を書き終えたところで「裏(T)のときも同じだから省略していいや」と思ってしまう場面。実際に書かないと、全体で何通りあるのか頭の中だけでは追いきれなくなる。
- 克服のコツ:位置関係で整理します。樹形図はすべての場合を描ききることが原則。1回目の枝を H と T の2本に分け、それぞれの先にまた H と T の2本を伸ばす――この「枝の位置」が全部そろってはじめて全体の場合の数になります。途中で省略したくなったら、枝の本数を掛け算(2×2×2)で確認するのも有効です。
- ミニ例:コインを3回投げる場合、全部の枝を描くと HHH, HHT, HTH, HTT, THH, THT, TTH, TTT の8通り。途中で省略すると「表が2回」の場合が3通りあること(HHT, HTH, THH)を見落としやすくなります。
「同じものを2回使えるか」を考えずに枝を伸ばしてしまう
- つまずく場面:「1〜5のカードから2枚を引いて並べる」という問題で樹形図を書いている途中、1枚目に1を選んだ後、2枚目にもう一度1を伸ばしてしまう場面。「カードを戻すのか戻さないのか」を確認せず、サイコロの感覚のまま枝を増やしてしまう。
- 克服のコツ:因果関係で整理します。「カードを引く」「人を選ぶ」のように同じものを2回使えない場合は、2枚目の枝から1枚目で使ったものを除く。「サイコロを2回振る」「コインを2回投げる」のように毎回独立な場合は、同じ目や同じ面が出てもよいので枝を減らさない。この区別を最初にメモしてから樹形図に入ると安全です。
- ミニ例:1〜5のカードから2枚引いて並べる場合は 5×4=20通り(1枚目5通り、2枚目は残り4通り)。一方サイコロを2回振る場合は 6×6=36通りで、(1,1) や (3,3) のようなゾロ目も含まれます。
表を書く途中で行と列を取り違えてしまう
- つまずく場面:「2個のサイコロを振って和が7になる確率」を求めている途中、6×6の表を書き始めたものの、行が1個目なのか2個目なのかが途中で曖昧になり、(1,6) と (6,1) を同じマスに書いてしまう場面。表の意味があいまいなまま数え始めて混乱する。
- 克服のコツ:位置関係で整理します。表を書くときは縦が1個目、横が2個目のように軸の意味を最初に決めて書き込むのが鉄則。確率の計算では2個のサイコロを区別するのが普通なので、(1,6) と (6,1) は別のマスとして扱います。表の左上に「縦=1個目」「横=2個目」とメモしておくと、途中で迷ってもすぐ戻れます。
- ミニ例:和が7になるのは (1,6), (2,5), (3,4), (4,3), (5,2), (6,1) の6通り。(1,6) と (6,1) を同じマスにまとめてしまうと3通りに減ってしまい、確率が 6/36=1/6 ではなくなってしまいます。
練習問題
3人 A, B, C を1列に並べる並べ方は何通り?
答えを見る
3 × 2 × 1 = 6通り
ABC, ACB, BAC, BCA, CAB, CBA
2個のサイコロの目の和が10以上になる確率を求めよ。
答えを見る
和10:(4,6),(5,5),(6,4) 和11:(5,6),(6,5) 和12:(6,6)
合計 6通り。確率 = 6/36 = 1/6
コインを4回投げる。表がちょうど3回出る確率は?
答えを見る
全場合:2⁴ = 16通り
表が3回(=裏が1回):裏の位置が4通り → HHTH、HHHT、HTHH、THHH
確率 = 4/16 = 1/4
1〜5のカードから2枚を引いて並べ、2桁の数を作る。3の倍数になる確率は?
答えを見る
全:5×4 = 20通り
3の倍数:12, 15, 21, 24, 42, 45, 51, 54 など、和が3の倍数になる組
(1,2),(1,5),(2,1),(2,4),(4,2),(4,5),(5,1),(5,4) → 8通り
確率 = 8/20 = 2/5
まとめ
- 樹形図:枝分かれで 漏れなく数える。
- 表:2要素の組合せに便利(縦×横)。
- 独立な操作の場合の数:掛け算(a × b)。
- 順列:n × (n−1) × … で順番を区別する数え方。
- 「順番あり」と「順番なし」の区別が大切。
- 確率 = 場合の数 / 全体の場合の数。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
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出典:みずほ銀行 ロト6
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