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6章 確率 ── 章末31問問題集

6章の総まとめ 31問。サイコロ・コイン・くじ・カード・玉・じゃんけんなどの定番パターンを総復習。確率の計算と樹形図の扱いをマスターしましょう。

復習のポイント

  • 確率 = (求める場合の数) / (全体の場合の数)
  • 0 ≦ P ≦ 1(必ず起こる=1、絶対起こらない=0)
  • 樹形図・表で漏れなく数える
  • 独立試行:掛け算(戻すとき)
  • 余事象:「少なくとも」は 1 − P(起こらない)
  • 戻すか戻さないか問題文で確認

確率問題の数え方

  • 最初に「1回引く」「戻す」「戻さない」「順序を区別する」の条件を確認する。
  • 起こりうる場合が同様に確からしいかを見てから、全体の場合の数を決める。
  • 2個のサイコロは、同じ和でも出方の数が違う。和だけを並べて数えない。
  • 「少なくとも1回」は、全部から「1回も起こらない」を引くと速い。
例:2枚の硬貨で少なくとも1枚が表

全体は HH, HT, TH, TT の4通り。表が1枚以上は HH, HT, TH の3通り。

または、1−「表が0枚」=1−1/4=3/4。

この章でつまずきやすいところ

確率の問題を解いていると、「これは戻すんだっけ?」「和で数えていいんだっけ?」と途中で手が止まりやすい単元です。ここでは、問題文を読んでいる最中に多くの中学生が迷う4つの場面と、その整理のコツを取り上げます。

サイコロ2個の和を「和の種類」で数えてしまう

  • つまずく場面:「サイコロを2個振って和が5になる確率」を読んだ瞬間、和は2から12までの11通りだから1/11ではないか、と数えてしまう場面。和ごとに出方の数が違うことを忘れて、和の種類だけで分母を決めてしまう迷いが起きます。
  • 克服のコツ:位置関係で整理します。サイコロ2個は「1個目の目」と「2個目の目」を区別して並べると、全体は6×6=36通り。和ごとに数えるのではなく、(1個目, 2個目)の組を一つひとつ書き出して、条件を満たす組だけを分子にする、と順番を決めておきます。
  • ミニ例:和が5になるのは (1,4)(2,3)(3,2)(4,1) の4通り。全体は36通りなので 4/36=1/9。和の種類で割った1/11は誤りです。

「戻す」「戻さない」を読み飛ばしてしまう

  • つまずく場面:「赤2白3の袋から2個取る」という問題で、いつも通り (2/5)×(2/5) と計算してから、よく見ると「戻さずに」と書いてあり手が止まる場面。試行の条件を確認する前に、見慣れた掛け算に飛びついてしまう迷いです。
  • 克服のコツ:時系列で整理します。1回目を引いた直後に「玉は袋に戻ったか?」を必ず自問します。戻したなら2回目も分母は元のまま、戻さないなら分母も分子も1ずつ減る、と分けて計算する手順をいつも先に決めてしまいます。
  • ミニ例:赤2白3で2個取り赤2個の確率は、戻すなら (2/5)(2/5)=4/25、戻さないなら (2/5)(1/4)=1/10。同じ見た目の問題でも答えが変わります。

「少なくとも1回」を正面から数えようとして詰まる

  • つまずく場面:「サイコロを4回振って少なくとも1回6が出る確率」を読み、ちょうど1回・2回・3回・4回の場合をそれぞれ数え始めて、計算量が多くて途中で迷子になる場面。直接数える方針を選んでしまうことによるつまずきです。
  • 克服のコツ:因果関係で整理します。「少なくとも1回起こる」の反対は「1回も起こらない」。直接数えにくいときは、まず反対の事象(余事象)を数えて、1から引くと決めておきます。これだけで計算手数が大きく減ります。
  • ミニ例:4回とも6が出ない確率は (5/6)⁴=625/1296。よって少なくとも1回6が出る確率は 1 − 625/1296 = 671/1296。直接数えるより圧倒的に速く整理できます。

順序を考える問題と組合せの問題を混同する

  • つまずく場面:「3人から2人選ぶ」と「3人から2人選んで並べる」を読み比べているとき、どちらも 3×2=6 通りで同じだと思って書いてしまい、答えが合わずに迷う場面。「並べる」と「選ぶだけ」の違いが本文を読む途中で曖昧になります。
  • 克服のコツ:見分け方で整理します。問題文に「並べる」「順に」「1番目・2番目」とあれば順序を区別、「選ぶ」「組」「2人組」とあれば順序を区別しない、と読み取りの合図を決めておきます。順序ありなら n×(n-1)、順序なしならそれを2で割る、と手順化します。
  • ミニ例:A,B,Cから2人を並べると AB,BA,AC,CA,BC,CB の6通り。2人を選ぶだけなら AB,AC,BC の3通り。同じ「3人から2人」でも数え方が変わります。
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A サイコロ・コイン(10問)
  1. サイコロで1が出る確率
  2. サイコロで3以下が出る確率
  3. サイコロを2個振って和が5の確率
  4. サイコロを2個振って同じ目の確率
  5. サイコロ2個の目の差が1の確率
  6. コインを3回投げて全部表の確率
  7. コイン2枚で1枚以上表の確率
  8. サイコロ2個で目の積が12以上の確率
  9. サイコロを4回振って少なくとも1回6が出る確率(余事象で)
  10. コイン4回で表ちょうど2回の確率
答えを見る

(1) 1/6 (2) 3/6=1/2

(3) (1,4)(2,3)(3,2)(4,1) = 4 → 4/36=1/9

(4) 6/36=1/6(11,22,33,44,55,66)

(5) (1,2)(2,1)(2,3)(3,2)(3,4)(4,3)(4,5)(5,4)(5,6)(6,5) = 10 → 10/36=5/18

(6) (1/2)³=1/8 (7) 1 − (1/4) = 3/4

(8) 積が12未満を数えると19通りなので、36−19=17通り → 17/36

(9) 1 − (5/6)⁴ = 1 − 625/1296 = 671/1296

(10) 4C2/2⁴ = 6/16 = 3/8

B くじ・カード・玉(10問)
  1. 当たり2はずれ8のくじで当たる確率
  2. 赤3白2の袋から1個取って赤の確率
  3. 1〜10のカードから1枚引いて偶数の確率
  4. 1〜10のカードから1枚引いて5以下か7以上の確率
  5. 赤2白3から2個取り(戻さず)赤2個の確率
  6. 赤2白3から2個取り(戻して)赤2個の確率
  7. 1〜20から1枚で3の倍数の確率
  8. トランプ52枚からエースを引く確率
  9. トランプ52枚から絵札(J,Q,K)を引く確率
  10. 1〜10から1枚で素数の確率
答えを見る

(1) 2/10=1/5 (2) 3/5 (3) 5/10=1/2

(4) 5以下5個+7以上4個=9個 → 9/10 (5) (2/5)(1/4)=1/10

(6) (2/5)(2/5) = 4/25 (7) 6/20 = 3/10(3,6,9,12,15,18)

(8) 4/52 = 1/13 (9) 12/52 = 3/13(絵札は3種×4枚)

(10) 2,3,5,7 → 4/10 = 2/5

C 並べ方・組合せ(5問)
  1. A、B、Cの3人を1列に並べる場合の数
  2. 3人から2人選んで並べる場合の数
  3. 5人から3人を並べる場合の数
  4. 3人A,B,Cから2人選ぶ場合の数(順序なし)
  5. 5人から2人選ぶ場合の数(順序なし)
答えを見る

(1) 3! = 6通り(ABC, ACB, BAC, BCA, CAB, CBA)

(2) 3×2 = 6通り (3) 5×4×3 = 60通り

(4) AB, AC, BC → 3通り (5) 5×4/2 = 10通り

D 文章題・応用(6問)
  1. 赤2白3の袋から1個取り、戻さずもう1個取る。1個目赤、2個目白の確率
  2. 同じ袋で、2個取って違う色の確率
  3. 当たり3はずれ7のくじを2人で順に1本ずつ引く(戻さず)。1人目当たり、2人目当たり以外の確率
  4. 1〜6のカードから2枚引いて積が偶数の確率
  5. サイコロ2個振って積が10以上の確率
  6. A、Bの2人でじゃんけんを1回する。あいこ(同じ手)になる確率を求めなさい。
答えを見る

(1) (2/5)(3/4) = 6/20 = 3/10

(2) 赤白+白赤 = (2/5)(3/4) + (3/5)(2/4) = 6/20 + 6/20 = 12/20 = 3/5

(3) (3/10)(7/9) = 21/90 = 7/30

(4) 余事象「両方奇」= (3/6)(2/5) = 1/5 → 偶数: 1−1/5 = 4/5

(5) 積が10以上:2の列2通り、3の列3通り、4の列4通り、5の列5通り、6の列5通り → 19/36

(6) 全体はグー・チョキ・パーの組が3×3=9通り。あいこは(グーグー)(チョキチョキ)(パーパー)の3通り → 3/9=1/3

テスト前のチェックリスト

  • □ 確率 = 求める場合 / 全場合
  • □ 樹形図・表で漏れなく数える
  • □ サイコロ2個 → 36通り
  • □ コイン n 回 → 2ⁿ 通り
  • □ 戻す → 確率は変わらず、掛け算
  • □ 戻さない → 全体数が減る
  • □ 「少なくとも」は余事象で(1 − P(起こらない))
  • □ 順列:n×(n-1)×... 、組合せ:n×(n-1)/2(中3で詳しく)
つまずきポイントの再確認
  • 「同様に確からしい」が前提(公平なサイコロ、偏りなし)
  • 戻すか戻さないかを必ず確認
  • 同時に取り出す=戻さずに連続で2個
  • 順序を区別するかで計算が変わる
  • 余事象を使うと楽になることが多い(特に「少なくとも」)

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

天気予報の「降水確率60%」の本当の意味実生活

気象庁は降水確率を、一定時間内に1mm以上の雨や雪が降る確率の平均値と定義しています。降水確率60%とは「その予報を100回出すと約60回で1mm以上の雨が降る」という意味で、雨の強さや降る面積を表すものではありません。授業で習う『確率=起こる場合÷全部の場合』が、過去の似た気象データの統計から計算されています。

出典:気象庁「降水確率予報との比較」

1つの予報では決めない「アンサンブル予報」発展

気象庁は、観測値にわずかなばらつきを与えた初期値から多数の予報を同時に計算し、その平均やばらつき具合から現象の起こりやすさを確率としてとらえています。多くの予報が同じ結果なら可能性が高く、バラバラなら予測の信頼度が低い、と判断できます。樹形図で全部の場合を数えるのと同じく、複数の場合をまとめて確率にする考え方です。

出典:気象庁「予測に伴う誤差とアンサンブル予報」

生命保険の土台になる「生命表」と死亡率実生活

厚生労働省の生命表は、各年齢の人が1年以内に亡くなる確率(死亡率)や、あと何年生きられるかの平均(平均寿命)を示します。令和6年の簡易生命表では男性81.09年、女性87.13年でした。この死亡率という確率をもとに、生命保険の保険料は計算されています。

出典:厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」

23人いれば同じ誕生日が約50%という直感外れ発展

「誕生日のパラドックス」は、23人集まると同じ誕生日のペアがいる確率が約50.7%と50%を超える、という話です。1年は365日もあるのに意外に高いのは、特定の2人ではなく『どの2人か』の組合せが人数とともに急増するからです。これは『少なくとも1組が一致』を、余事象『全員バラバラ』から1を引いて求める考え方そのものです。

出典:明治大学 数学講義ノート「誕生日のパラドックス」

メンデルの遺伝の法則は確率そのもの発展

メンデルが見つけた分離の法則では、Aとaの遺伝子を半分ずつもつ生殖細胞がランダムに受精し、孫の組合せはAA:Aa:aa=1:2:1の比になります。その結果、見た目の形質は3:1の確率比で現れます。サイコロや玉を取り出す確率と同じく、起こりうる場合を数えて比で表す考え方が、生き物の遺伝の説明にも使われています。

出典:NHK for School「遺伝の規則性」(中学理科)