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電子はマイナスの電気をもつ粒子です。電子線やX線は、性質と使い道を分けて整理します。
原子の構造
用語
原子の構造
原子は中心の 原子核と、その周りを回る 電子からなる。
- 原子核:陽子(+)と中性子(電気なし)からなる
- 電子:-の電気を持つ、原子核の周りを回る
- 通常は陽子の数=電子の数で電気的に中性
- 原子の大部分はほとんど何もない空間
電子と電流の関係
重要
電流の正体
電流の正体は 電子の流れ。
電流の向きと電子の向き
電流の向き:+ → −(電池の+極から−極へ)
電子の向き:− → +(電子は−なので逆)
→ 電流と電子の流れは逆向き
歴史的な理由:電子の発見前に電流の向きが決められたため
陰極線(電子線)の発見
クルックス管の実験
真空にした管に高電圧をかける
→ 陰極(−)から陽極(+)へ何かが飛ぶ
→ これが 陰極線(電子線)
→ 1897年 トムソンが「電子」を発見
昔のテレビ(ブラウン管)はこの原理
陰極線の性質
- 直進する
- 磁石を近づけると曲がる
- 電場(電圧)で曲がる(−の電気を持つから)
- 蛍光物質を光らせる(テレビの画面)
放射線とは
用語
放射線
物質を通り抜けたり、物質を変化させたりする力をもつ 高エネルギーの粒子や電磁波。原子核から出るものや、装置で発生させる X線などがある。
放射線の種類
| 名前 | 正体 | 透過力 | 遮蔽 |
|---|---|---|---|
| α(アルファ)線 | ヘリウム原子核 | 小 | 紙 |
| β(ベータ)線 | 電子 | 中 | アルミ板 |
| γ(ガンマ)線 | 電磁波(短波長) | 大 | 鉛・分厚いコンクリート |
| X線 | 電磁波 | 大 | 鉛 |
| 中性子線 | 中性子 | 非常に大 | 水素を含む物質 |
放射性物質と半減期
- 放射性物質:放射線を出す物質(ウラン、ラジウム、ヨウ素131 など)
- 半減期:放射性物質の量が半分になる時間
- ヨウ素131:約 8日 / セシウム137:約 30年 / ウラン238:約 45億年
放射線の利用
- 医療:レントゲン(X線)、CT、放射線治療(がん)
- 工業:金属の検査、厚さ測定
- 食品の殺菌:ジャガイモの芽止め
- 原子力発電:ウランの核分裂を利用
- 年代測定:炭素14法など
放射線と安全
放射線の影響
少量:自然放射線として常に浴びている(宇宙から、大地から、食物から)
大量:細胞を傷つける、がんのリスク
2011年 福島第一原発事故 → 放射線への関心高まる
単位:ベクレル(Bq)=放射能の強さ、シーベルト(Sv)=人体への影響
安全メモ:放射線は「便利だが管理が必要」
- X線撮影や放射線治療は、必要な量を管理して使う医療技術である。
- 放射線は見えないため、距離をとる・時間を短くする・遮へいするという考え方で安全を保つ。
- 「放射線はすべて危険」でも「少量なら何でも安全」でもなく、量と使い方で判断する。
つまずきポイント①:電流と電子の方向
- 電流:+極 → −極(昔の決め事)
- 電子:−極 → +極(実際の流れ)
- 逆向きであることに注意。
つまずきポイント②:α線・β線・γ線の透過力
- α線:紙で止まる(最も弱い透過)
- β線:アルミ板で止まる
- γ線:鉛・コンクリートが必要(最も強い透過)
- X線:γ線と同程度の透過力
練習問題
問題1(電子)
電流の向きと電子の流れる向きの関係は。なぜか。
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逆向き(電流は+→−、電子は−→+)。電子の発見前に電流の向きが決められたため、後から発見された電子と逆向きになった。
問題2(放射線)
- レントゲン撮影に使う放射線
- 紙で止まる放射線
- 最も透過力が強い放射線
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(1) X線 (2) α線 (3) γ線(中性子線もとても強い)
問題3(原子の構造)
原子はどんな粒子からできているか。
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中心に原子核(陽子+中性子)があり、そのまわりを電子が回る。
まとめ
- 原子=原子核(陽子+中性子)+電子。
- 電流の正体は 電子の流れ。
- 電流の向きと電子の流れは 逆。
- 陰極線:真空中で電子が飛ぶ → ブラウン管の原理。
- 放射線:α・β・γ・X線。医療・治療・発電に利用。
- 放射線量の単位:ベクレル(強さ)、シーベルト(人体影響)。