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気象観測 ── 気温・湿度・気圧

天気を理解するための第一歩は 観測すること。気温・湿度・気圧・風向風速 ── これら4つの「気象要素」を測り続けることで、天気図が描かれ、明日の天気予報が生まれます。

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天気は複数の観測値で読む 反応前 条件 粒子変化 反応後 天気図を読む前に、気温・湿度・気圧・風向風速を同時に見る 習慣をつけます。
天気は複数の観測値で読む

天気図を読む前に、気温・湿度・気圧・風向風速を同時に見る習慣をつけます。

気象要素 ── 天気を決める4つの量

用語
気象要素
天気を決める基本的な量。気温・湿度・気圧・風の4つが中心。これに 雲量・降水量を加えて観測する。
  • 気温:℃(セ氏度)。地上 1.5m の高さで、直射日光を避けて測る
  • 湿度:%。空気中の水蒸気の割合
  • 気圧:hPa(ヘクトパスカル)。空気の重さによる圧力
  • 風向:風が吹いてくる方角(16方位)
  • 風速:m/s(メートル毎秒)または風力(0〜12)
  • 雲量:空全体を10とした時、雲が占める割合(0〜10)
  • 降水量:mm(雨や雪が積もる深さ)

気温の測り方

気温の正しい計測

地上から 1.5m の高さで測る(人の顔の高さ)

直射日光を避ける → 百葉箱(白色・通気性あり)

アスファルトの上は実際より高くなるので避ける

1日の最高気温:午後2時頃/最低気温:夜明け前

日本の四季の気温変化が大きい:冬 -5〜10℃/夏 25〜35℃

気圧 ── 空気の重さによる力

用語
気圧
大気の重さによって生じる圧力。地表で標準は 約 1013 hPa(1気圧)。高い場所ほど気圧は低くなる。
気圧と天気の関係

高気圧:周りより気圧が高い → 空気が 下降 → 雲ができにくい → 晴れ

低気圧:周りより気圧が低い → 空気が 上昇 → 雲ができやすい → くもりや雨

高さ100m上がると気圧は約 12 hPa 下がる

山に登るとお菓子の袋がパンパンになる ← まわりの気圧が低くなったから

気圧の単位の歴史

古い単位:mb(ミリバール)、現在の単位:hPa(ヘクトパスカル)

1 hPa = 1 mb なので数字は同じ

1013 hPa = 1013 mb = 1気圧 = 760 mmHg(水銀柱の高さ)

湿度 ── 空気中の水蒸気

公式
湿度
湿度(%)= (空気中の実際の水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量) × 100
飽和水蒸気量:その温度で空気が含むことのできる水蒸気の最大量。
飽和水蒸気量と気温

気温が高いほど、空気はたくさんの水蒸気を含める

気温 10℃ → 飽和水蒸気量 約 9.4 g/m³

気温 20℃ → 飽和水蒸気量 約 17.3 g/m³

気温 30℃ → 飽和水蒸気量 約 30.4 g/m³

→ 夏のほうがジメジメするのは飽和水蒸気量が大きいから

例題:湿度計算

気温 20℃、空気 1m³ に水蒸気が 12g 含まれている

飽和水蒸気量 17.3 g/m³ なので

湿度 = 12 / 17.3 × 100 ≒ 69 %

湿度の測り方 ── 乾湿計

乾湿計(乾湿球温度計)

2本の温度計を並べる

乾球:そのまま気温を測る

湿球:水でぬれたガーゼで包む

湿球の方が低い(気化熱で冷える)

2つの差から「湿度表」を見て湿度を読む

空気が乾燥しているほど差が大きい

風 ── 向きと速さ

用語
風向と風力
風向:風が吹いてくる方向(16方位)。「北風」は北から吹く風。
風力:0〜12の階級(ビューフォート風力階級)。風速 m/s で表すことも。
風力風速 m/s名称様子
00〜0.3静穏煙がまっすぐ上がる
33.4〜5.4軟風木の葉が揺れる
610.8〜13.8雄風傘がさしにくい
920.8〜24.4大強風屋根瓦が飛ぶ
1232.7〜颶風(ぐふう)家屋に甚大な被害

天気図の記号

天気記号
快晴○(白丸、雲量 0〜1)
晴れ○の中に縦線(雲量 2〜8)
くもり◎(中黒丸、雲量 9〜10)
●(黒丸)
※(アスタリスク)
三本の横線
稲妻のマーク
風向・風力の書き方

天気の記号に を付ける(矢羽根のついた線)

矢の向き:風が吹いてくる方向

矢羽根の数:風力

例:北西の風、風力3 → 記号から北西の方向に線を引き、矢羽根を3つ付ける

天気図の読み方

等圧線

気圧が同じ地点を結んだ線(4 hPa ごとが基本)

→ 等圧線の間隔がせまい:気圧の変化が大きい → 風が強い

→ 等圧線の間隔が広い:気圧の変化が小さい → 風がおだやか

H:高気圧の中心 L:低気圧の中心

高気圧 → 時計回りに風が吹き出す

低気圧 → 反時計回りに風が吹き込む

つまずきポイント①:風向の表記
  • 「北風」とは 北から吹いてくる風(風が向かう先は南)
  • 矢の向きは「吹いてくる方向」を示す
  • 矢印を「風が向かう先」と読まないよう注意
つまずきポイント②:湿度と「ジメジメ」
  • 湿度が同じ 60%でも、気温が違えば実際の水蒸気量は違う
  • 気温30℃で湿度60% → 18g/m³
  • 気温10℃で湿度60% → 5.6g/m³
  • 夏のほうがずっとジメジメ感じる理由
つまずきポイント③:高気圧と低気圧
  • 「高気圧 = 気圧が高い」ではなく、まわりより高いこと
  • 標高が高いと気圧は低くなるが、それは「高気圧」ではない
  • 同じ高度で比べて高い・低いを判断する

練習問題

問題1(気圧)
  1. 地表での標準大気圧は何 hPa か。
  2. 高気圧と低気圧、晴れになりやすいのはどちらか。
  3. 標高が高くなると気圧はどうなるか。
答えを見る

(1) 約 1013 hPa (2) 高気圧(下降気流で雲ができにくい) (3) 低くなる(空気の柱が短くなる)

問題2(湿度)

気温 25℃の空気 1m³ 中に水蒸気が 15g 含まれている。25℃の飽和水蒸気量を 23.1 g/m³ として、湿度を求めよ。

答えを見る

湿度 = 15 / 23.1 × 100 ≒ 64.9 %

問題3(風向)

「南東の風」とは、風が どの方角から吹いてきてどこへ向かう風か。

答えを見る

南東から吹いて、北西へ向かう風。

問題4(天気図)

等圧線の間隔がせまい地域では、風はどうなるか。

答えを見る

気圧の変化が大きいので、強い風が吹く。

まとめ

  • 気象要素:気温・湿度・気圧・風(+雲量・降水量)。
  • 気圧:標準 1013 hPa。高気圧=下降気流=晴れ/低気圧=上昇気流=雨。
  • 湿度 = (実際の水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量) × 100。
  • 飽和水蒸気量は気温が高いほど大きい。
  • 風向は「吹いてくる方向」。北風は北から南へ。
  • 等圧線がせまい → 風が強い。高気圧 H、低気圧 L。