発達障害のあるお子さんの
高校進学(東京都)
グレーゾーンや、診断がない場合も含みます。まず下の「大事なことを順に」を見てください。
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大事なことを順に
診断や手帳がなくても(グレーゾーンでも)、試験の配慮や入学後の支えは相談できます。上から順に見てください。
- 試験の配慮を中学校に相談する(いちばん急ぎ)
都立の申請の締切は12月18日(金)です。診断がなくても、まず中学校に「高校入試で配慮を相談したい」と伝えてください。都は配慮を「受検者の状況に応じ、個別に決定」するとしています。私立は学校ごとで、もっと早い学校もあります。
- 支えのある学校をさがす
学校の公式資料に書かれている支えで、学校をしぼり込めます。
- 入学後の支えを知っておく
都立高校には、発達障害などのある生徒が自分の学校で指導を受けられる「通級による指導」がありますが、入学してすぐには始まりません。授業や定期テストの配慮(合理的配慮)は、障害者手帳がなくても対象になります。中学校の「学校生活支援シート」を高校に引き継ぐこともできます。
- いつ何をするか・誰に相談するか
東京都教育相談センター 0120-53-8288(24時間。発達のことも相談でき、保護者だけでも大丈夫です)。
試験の配慮を希望するなら、早めに相談を
- 都立:申請(様式24)の締切は2026年12月18日(金)。チャレンジスクールも同じつもりで準備します。
- 私立:期限は学校ごと。10〜11月に期限がある学校もあります。過ぎていても学校に相談してみてください。
- 最初の一歩:中学校に「高校入試で配慮を相談したい」と伝える。難しいときは公的な相談窓口へ。
欠席が多い・毎日通うのがつらいときは、不登校のページもあわせて見てください。
入試:試験の配慮
試験の負担と、受けられる配慮
都立:試験の配慮の申請(様式24)
- 相談できること
- 読む・書く(拡大・ルビ・パソコン・代筆など)、時間(延長)、場所(別室)、話す(面接)などの負担
- 最初の一歩
- 中学校に「高校入試で配慮を相談したい」と伝える(診断がない場合も、まず相談してください)
- 締切
- 2026年12月18日(金)。私立は学校ごとで、もっと早い学校もあります
読み書きや集中、感覚の過敏さなどで通常の方法では受けにくい場合、配慮を申請できます。締切は2026年12月18日(金)。申請書(様式24)には保護者の署名欄と中学校長の記入欄があり、中学校と相談しながら準備して、中学校長を通して志願先の高校長に出します。書類づくりには時間がかかるので、11月中に中学校へ相談を始めてください。
- 要綱の例:問題・解答用紙の拡大、記号選択式での受検、パソコンなどICT機器の使用、代筆者・音読者などの介助者の同行、検査時間の延長(英語は最大70分、ほかの教科は最大75分。延長すると別室)、別室受検、座席の位置。面接や作文・小論文、英語のリスニングも対象です。
- 都教委の冊子は、発達障害の場合の配慮の例として「別室受検」「検査時間の延長」「ICT機器の使用」「記号選択式での受検」「問題用紙・解答用紙へのルビ振り」を挙げています。
- 実際の配慮は「在学する中学校等で受検者が現在受けている配慮の内容を十分参考にしながら、受検者の状況に応じ、個別に決定」されます。中学校の定期テストで別室や時間延長などを受けているなら、そのことを中学校と確認しておくと伝わりやすくなります。
- 診断書の添付は、要綱・様式に定めが見当たりません(確認した資料に記載なし)。診断がない場合も含め、何に困っているかを整理して中学校に相談し、必要な書類を確かめてください。問い合わせ:都教委 高等学校教育課 入学選抜担当 03-5320-6745。
私立の配慮の相談の期限は学校ごとに違います。「10月末日までに本校へお問い合わせください」「11月6日(金)までに…申請」と書く学校(明星)や、「試験日の2ヶ月前までに必ずご相談ください」と書く学校(新渡戸文化、2027年度高校入試の案内)もあります。候補の学校の期限は早めに確かめ、過ぎていても学校に相談してみてください。
推薦で申請したとき・志願変更・チャレンジスクール・様式26
- 推薦入試でも申請できます。推薦で申請した人が学力検査(一般入試)でも配慮を受けたいときは、改めて申請が必要です。志願先を変えたときも、変更先の高校へ申請書を出し直します。
- チャレンジスクールの要綱には配慮の申請についての独自の定めがなく、「本実施要綱に定めるもののほか、必要な事項は、都立高校の実施要綱の規定を準用する」とあります。都立高校と同じく様式24を12月18日までに出すつもりで準備し、提出先と必要な書類を中学校から志望校に確かめてもらってください。
事故や病気などで通常の方法では受けにくい場合(「軽度の障害」を含む)は、様式26という別の申請もあります(締切は同じ12月18日。12月19日以降に事故や病気が起きた場合は、起きてすぐに中学校長を通して申請)。どの申請を使うかは中学校に確認してください。
出典:実施要綱 第6-1・第6-2、様式24、都教委の冊子 p.80、都教委「障害のある生徒の受検上の配慮」、チャレンジスクール要綱 第4-3
通学が難しい場合の「選考の特例」(様式25)
都の要綱の「障害のある受検者に対する配慮」の中に、試験の配慮とは別に「選考の特例」があります。住んでいる所から通いやすい都立高校を希望し、ほかの都立高校に通うのが難しいと認められる人について、志願した高校で個別面談をして、選考で個別面談点を加える仕組みです(第一次募集・分割前期募集)。申請は都教委へ、締切は12月18日です。対象になるかは、中学校か都教委の入学選抜担当(03-5320-6745)にたずねてください。
入試 › 試験の配慮
診断がない・中学校で配慮を受けていないとき
診断があるかどうか、これまで配慮を受けてきたかどうかだけで、申請できるかをご家庭で決めてしまわないでください。都は配慮を「受検者の状況に応じ、個別に決定」するとしています。不登校で定期テストを受けていない場合も、困っていることを中学校に伝え、申請の方法と必要な書類を確かめてください。
中学校(または都教委の入学選抜担当 03-5320-6745)に、困る場面(例:字を書くのに時間がかかる、人が多いと集中できない)、家や中学校で試して助けになった方法、試験で希望する対応を伝え、必要な書類をたずねてください。
入学後の支えは入学後(通級による指導、普段の授業や定期テストで困るとき)に、発達のことを相談できる窓口は相談先(東京都教育相談センター 0120-53-8288、24時間)にあります。
本人が書くのが難しいとき
チャレンジスクールの志願申告書(八王子拓真が公開している令和8年度の様式、A3)は、「入学を希望する理由」「将来の夢・希望」「高校生活への抱負(教科の学習/教科以外での活動)」「自己PR」を書く形です。
自己PRカード・チャレンジスクールの志願申告書・自己申告書は本人が書くのが原則ですが、「事故や病気、障害等により志願者本人による記入が困難な場合は、保護者等による記入を認める」と定められています。その場合は用紙の下に、理由と、書いた人と志願者との関係を書きます。手書きのほか、電子ファイルに入力して印刷することもできます。
出典:細目 第1-2
面接・作文の中身(時間・字数・形式)
学校ごとの面接・作文の時間と字数(表)
| 学校 | 面接 | 作文・小論文など |
|---|---|---|
| チャレンジスクール(共通) | 個人面接。志願者が多いと2日にわたることがある | 作文50分。学校によっては作文の後いったん校外へ出て、面接の時刻に集まり直す(大江戸の令和8年度の案内) |
| 六本木 | 約15分の個人面接(令和7年度募集要項) | 令和8年度の問題は2問とも「201字以上250字以内」 |
| 世田谷泉 | 確認した資料に記載なし | 令和5〜7年度の過去問は2問とも「三〇〇字程度」 |
| 八王子拓真(チャレンジ枠) | 個人面接10〜15分程度(令和8年度の入学者選抜概要)。令和9年度の面接日は2月22日(要綱) | 作文50分・600字程度(令和8年度の入学者選抜概要) |
| 蒲田(エンカレッジ) | 個人面接の一部で2分程度の自己PRスピーチ(原稿・物品の持ち込み不可) | 作文50分・500字程度 |
| 足立東(エンカレッジ) | 1分以上1分30秒以内の自己PRスピーチ(原稿の持ち込み不可) | 作文50分(令和8年度 第一次募集の問題用紙) |
| 東村山(エンカレッジ) | 1分程度の自己PRスピーチ | 小論文。実技検査は文書を読んで設問に答える(30分程度) |
| 秋留台(エンカレッジ) | 2分程度の自己PRスピーチ(原稿を読むことはできない) | 小論文。令和6年度は50分・600字(令和7年度募集要項のQ&A) |
| 中野工科(エンカレッジ) | 面接の最初に2〜3分の「パーソナル・プレゼンテーション」(持ち込み不可) | 実技検査(指示に従って簡単な作業) |
| 練馬工科(エンカレッジ) | 2〜3分程度のパーソナル・プレゼンテーション | 作文50分・600字程度(第一次) |
| 都立通信制(一橋・新宿山吹・砂川) | 都の別表に面接の記載なし。各校の募集要項で確かめてください | 国語・数学・英語の学力検査(3教科を合わせて一橋・砂川60分、新宿山吹70分)と調査書 |
前年度以前の資料の値は、令和9年度に変わることがあります。話すことや書くことに難しさがある場合は、上の配慮の申請とあわせて、志望校の説明会で検査の様子をたずねてください。
出典:チャレンジスクール要綱 第1-7、別表6 実技検査等の内容 p.218〜222、別表(定時制・通信制) p.135、六本木高校「R7 募集要項」「令和8年度作文問題」、大江戸高校 入試案内、世田谷泉高校「入選作文過去問題」、八王子拓真高校「令和8年度 入学者選抜概要(修正版)」、足立東高校「令和8年度 第一次募集 作文」、秋留台高校「R7 募集要項」
英語スピーキングテスト(ESAT-J)
都内の公立中学校の3年生が受け、結果が都立高校の第一次募集の点に加わります(20点満点)。都内公立の特別支援学校中学部と、公立中学校の特別支援学級に在籍している生徒は、希望する人が受けます(受けない場合の措置の申請書は不要)。チャレンジスクール、エンカレッジスクール、英語の学力検査をしない学校、第二次募集では使いません。
- 受けるときの配慮:区分に発達障害・識字障害、対人恐怖などの心理面があります。保護者と中学校で申請書(様式1)を作り、中学校長の確認を受けて、受験申込のときに保護者用マイページからアップロードします。都の配慮の案内書は「受験上の配慮申請期間を過ぎてしまうと、申請を受け付けることができなくなります」としています。窓口 0120-803-883(月〜金 10時〜19時。11月の土曜・祝日、12月5日・12日、11月22日・12月13日の試験日も受付)。
- 本試験を病気などで受けられなかったとき:12月13日の追試験を受けるには、保護者用マイページからの「追試験受験申請」が必要です(11月25日 9時〜11月30日 17時。診断書などの画像を付けます)。
- 本試験も追試験も受けられそうにないとき(「登校したくてもできない状況にある場合」も事由の例にあります)は、早めに中学校へ相談してください。中学校長が「結果活用に関する措置」を申請できます。
受けられなかったときの「結果活用の措置」と仮の結果
- 受けられなかったとき:申し込んだのに受けられなかった場合、中学校長が「結果活用に関する措置」を申請できます。本試験日に受けられず、追・再試験(12月13日)も受けるのが難しいと判断されるときは第3次(11月24日〜12月11日)、本試験も追・再試験も受けられなかったときは第4次(12月14日〜18日)です。追・再試験を待たずに、早めに中学校に相談してください。事由の例に、場面緘黙・吃音などのほか「登校したくてもできない状況にある場合」があります。承認されると承認書が出て、出願書類に付けます。
- 承認書がある人は、ほかの受検者の結果から計算した「仮の結果」が加点されます。都内の公立中学校に在籍していて、承認書がないまま受けなかった場合は加点されません。都内の公立中学校に在籍していない人(私立中・都外など)は、受験の申込をしていなければ申請なしで仮の結果の対象です。ただし、申込をしてから受けられなかった場合は、公立中学校の人と同じく措置の申請が必要です。
- まだ申し込んでいない場合:受験の申込をしない人向けの申請(第1次・第2次)の期間は10月23日までで終わっていますが、それで加点がなくなると決まったわけではありません。申込期間の後に都内の公立中学校へ転入した人は、教育庁グローバル人材育成部へ連絡すると要項にあります。それ以外で締切後に申請が必要になった場合の扱いは確認した資料に記載なしなので、中学校から都教委(教育庁グローバル人材育成部)に確認してもらってください。
出典:令和8年度 ESAT-J YEAR 3 実施要項 第1-9、第2-5、実施要綱 第2-10-1(3)、第6-8、都教委の冊子 p.56
私立高校の受験上の配慮
調べた 180 校のうち、95 校が受験上の配慮について公式資料に何か書いていました。(このガイドの集計)。「障がい等があって、受験上の配慮…を必要とする場合…必ず事前にご相談ください」のように、事前の相談を求める書き方の学校があり、「希望する対応が難しいこともある」と書く学校もあります。出願を決める前に相談してください。学校ごとの記載は一覧にあります。
入学後の支え
受けられる支え(都立)
普段の授業や定期テストで困るとき
通級の対象になるかどうかとは別に、毎日の授業・定期テスト・教室での過ごし方で困ることを、入学前に整理して高校に伝えておくと相談が始めやすくなります。
都が示す支援の例と、合理的配慮
都の保護者向けチラシには、支援の例として、読み書きに困難のある生徒にイラストを使った授業をすること、場面緘黙のある生徒に授業中に口頭で答えることを求めないこと、提出物を教室のカレンダーに書き出すこと、意見をICT機器に書き込んでほかの生徒に代読してもらうことなどが載っています。内容は「お子さまの状況や願いに合わせ」て検討するとされています。
都の資料では、合理的配慮(障害による困りごとをなくすための個別の変更・調整)の対象は「いわゆる障害者手帳の所持者に限りません」。都立学校向けの事例集には、定期考査で考査時間を延長する例やパソコンでの解答を認める例(上肢の障害などの場合)、人前での発表が難しい生徒に「レポートを提出させたり、発表を録画したもので学習評価を行う」例が載っています。入学前には、たとえば次のようにたずねます。
「教室に入りにくい日に使える部屋はありますか。定期テストで時間の延長や別室、読み上げなどを相談できますか。困ったときに最初に相談する先生はどなたで、対応はどう決まりますか。」
通級による指導
発達障害などのある生徒が、自分の都立高校で、困りごとに合わせた指導を受けられる仕組みです(全日制・定時制・通信制、学科を問わない)。対象は、知的障害がなく、通常の授業におおむね参加でき、本人と保護者が希望し、学校と都教委が必要と認めた生徒です。教科の補習はしません。「進学や就職に不利になることはありません」。
申し込みから指導開始まで「数カ月かかる場合があります」。都は「進学先の高校等へ早めにご相談ください」としています。都の手引き(令和6年2月)では、高校での様子を把握したうえで学校が決めるため「入学後すぐに通級による指導は実施できません」とされ、都教委の判定委員会は「年に3回実施されます」。目標を十分に達成できたと校長が判断すると、単位が認定されます。
申請・検査・問い合わせ・実施の状況
申請には発達検査(WISC-Ⅳ・WAIS-Ⅳなど)の結果が必要です。都の手引きでは、入学後に校内委員会で必要と判断したうえで、本人・保護者の同意を得て心理士が検査をする流れが示されています。六本木高校は「検査は無料で受けることができます」と書いています。都の手引きには「すでに公的機関や医療機関で実施した発達検査がある場合は、その検査結果を使用できることがあります」とあります。
都教委は「どの都立高等学校に進学しても、発達障害等のある生徒が、特別な指導を受けられる環境を整備しています」としています。
問い合わせ:都教委 特別支援教育課 発達障害教育推進担当 03-5320-7838。都の報告では、令和7年度は「高校等において、51校(52課程)の192人に通級による指導を実施」しています(実施校の名前の一覧は、確認した資料に記載なし)。学校の公式資料に通級の実施や計画を書いている例は、学校一覧のカード(「発達障害(通級)」のタグ)で確かめられます。これは実施校のすべてではありません。2027年度の対象・実施方法は各校にたずねてください。
中学校からの引き継ぎ
中学校の「学校生活支援シート(個別の教育支援計画)」を進学先に渡すと、支援の内容を引き継げます。出すかどうかは任意で、支援を受けても成績に不利にはならないと都は説明しています。シートがない場合も、中学校と高校の両方に希望を伝えれば引き継ぎをします。何をどこまで伝えるかは、本人の気持ちも聞いて決めてください。
相談できる人
スクールカウンセラー(SC)は、心理面の相談を受ける専門職です。ユースソーシャルワーカー(YSW)は、都教委が学校に派遣する福祉の専門職です。都は平成25年度から「全ての…高等学校等にスクールカウンセラーを配置」し、都立高校の生徒が「どの課程に在籍していても、スクールカウンセラーに相談できる体制を整備した」としています。都のチャレンジサポートプランでは、チャレンジスクールなどでSCの勤務日数を増やし、不登校や中途退学が多い学校にYSWを継続して派遣するとしています。
出典:リーフレット「都立高校の通級による指導」、保護者向けチラシ Q1・Q3〜Q5・支援の例、都立高校における発達障害教育の手引き p.8・p.32、六本木高校「相談体制」、都教委 通級のページ、都立高校におけるチャレンジサポートプラン、都教委 報告(令和8年9月)、都立学校における障害者差別解消ハンドブック・事例集(中高一貫教育校・高等学校編)、都教委の施策資料(第8章 きめ細かいサポートの充実)
当日体調などで受けられなかったときは当日行けなかったときへ。