中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

動詞 ── 活用と種類

「行く・行か・行き・行け」── 動詞は後ろに何が来るかで 語尾 が変わります。これが 活用。中1で学ぶ動詞には 5つの活用の種類6つの活用形があり、最初は迷子になりがち。でも見分けには 「ない・ます・とき・ば」をつける という強力な方法があります。今回はそこから一段くわしく整理します。

動詞とは ── 動作・存在を表す用言

用語
動詞
動作・作用・存在を表す 自立語で活用する 単語。言い切りの形がウ段(u音)で終わる。例「歩く・食べる・走る・ある」。

動詞は 述語になれます。「彼は走る。」「鳥がいる。」── どちらも述語が動詞です。

動詞は活用する ── 後ろの言葉で語尾が変わる

活用とは、後ろにつく言葉によって 語尾 が規則的に変わることです。

「書く」の語尾変化

書か(ない) ── ア段

書き(ます) ── イ段

書く(。) ── ウ段(言い切り)

書く(とき) ── ウ段

書け(ば) ── エ段

書け(!) ── エ段(命令)

変わらない部分(「書」)を 語幹(ごかん)、変わる部分(「か・き・く・け」)を 活用語尾といいます。

6つの活用形

後ろにつく言葉ごとに、活用形には名前がついています。

活用形 主な後続 「書く」
未然形ない・う・よう書か(ない)
連用形ます・た・て書き(ます)
終止形言い切り(。)書く(。)
連体形体言(とき・人など)書く(とき)
仮定形書け(ば)
命令形命令で言い切り書け(!)

「ない・ます・とき・ば」をつけてみれば、活用形が見分けられます。これが 活用形判定の基本テクニックです。

5つの活用の種類

動詞は活用のしかたで 5種類に分けられます。

  1. 五段活用 ── 語尾がア・イ・ウ・エ・オの5段で変わる。例「書く・話す・読む」
  2. 上一段活用 ── 語尾が「イ段」中心。例「見る・起きる・着る」
  3. 下一段活用 ── 語尾が「エ段」中心。例「食べる・寝る・受ける」
  4. カ行変格活用(カ変) ── 「来る」のみ。例外的な活用。
  5. サ行変格活用(サ変) ── 「する」と「〜する」の複合動詞。例「勉強する」

活用の種類を見分ける ──「ない」をつける

動詞に 「ない」をつけて、その直前の音を見るのが見分けの王道です。

テクニック
「ない」テスト
動詞に「ない」をつけて、直前の音が…
  • ア段五段活用(書かない
  • イ段上一段活用(見ない=「み」はイ段)
  • エ段下一段活用(食べない=「べ」はエ段)
「来ない」「しない」は変則 → カ変/サ変
判定例

「歩く」 ── 歩ない(ア段) → 五段

「起きる」 ── 起ない(イ段) → 上一段

「受ける」 ── 受ない(エ段) → 下一段

「来る」 ── 来ない(「来」を「こ」と読む) → カ変

「勉強する」 ── 勉強しない → サ変

五段活用の全活用

もっとも代表的な五段活用「書く」を例に、6つの活用形をすべて並べます。

「書く」の活用

未然:書(ない)・書(う)

連用:書(ます)・書(た) ※「い」は音便

終止:書(。)

連体:書(とき)

仮定:書(ば)

命令:書(!)

音便(おんびん)に注意
  • 「書き+て」 → 「書い」(イ音便)
  • 「読み+て」 → 「読ん」(撥音便)
  • 「立ち+て」 → 「立っ」(促音便)
  • これらも連用形の一種。形は変わっても活用形は連用形のままです。

上一段・下一段の特徴

上一段は 「い」段、下一段は 「え」段 の音が中心。両者とも、語幹と語尾の切れ目が ル の前で起きます。

「見る」(上一段)と「食べる」(下一段)

見る → 見(ない)/見(ます)/見る(。)/見る(とき)/見れ(ば)/見ろ(!)

食べる → 食べ(ない)/食べ(ます)/食べる(。)/食べる(とき)/食べれ(ば)/食べろ(!)

語尾の音が「イ段」だけ/「エ段」だけで動くのが特徴。

カ変・サ変は丸暗記

「来る」と「する」は完全に特殊なので、活用表を覚えるのが早道です。

「来る」(カ変)

未然:こ(ない) 連用:き(ます) 終止:くる 連体:くる 仮定:くれ 命令:こい

読み方が「こ・き・く・く・くれ・こい」と変わるのが特徴。漢字「来」の読みも変わる。

「する」(サ変)

未然:し(ない)・せ(ぬ)・さ(れる) 連用:し(ます) 終止:する 連体:する 仮定:すれ 命令:しろ・せよ

未然形が3種類(し・せ・さ)あるのが要注意。

教科書で確認した動詞判定の軸

  • 動詞は動作・作用・存在を表し、言い切りがウ段の音で終わる。
  • 活用の種類は「ない」を付けた形で見る。五段はア段、上一段はイ段、下一段はエ段に変わる。
  • 「来る」「する」は数が少ないので、カ変・サ変としてそのまま覚える。
つまずき:活用形と活用の種類は別
  • 未然形・連用形などは後ろに続く言葉で決まる形。
  • 五段・上一段などは、その動詞そのものの変わり方の種類。

練習問題

問題1(活用の種類)
次の動詞の活用の種類を答えなさい。
  1. 泳ぐ
  2. 起きる
  3. 受ける
  4. 来る
  5. 勉強する
答えを見る

(1) 泳が(ない)=ア段 → 五段活用

(2) 起き(ない)=イ段 → 上一段活用

(3) 受け(ない)=エ段 → 下一段活用

(4) カ行変格活用

(5) サ行変格活用

問題2(活用形)
下線部の動詞の活用形を答えなさい。
  1. 本を読みます。
  2. 明日来れば会える。
  3. 早く歩け
  4. 笑うときに手が動く。 ── 「笑う」の活用形
答えを見る

(1) 「ます」が続く → 連用形

(2) 「ば」が続く → 仮定形

(3) 命令で言い切り → 命令形

(4) 体言「とき」を修飾 → 連体形

問題3(活用表)
「歩く」の6つの活用形を、上から順に書きなさい。
答えを見る

未然:歩か(ない)/歩こ(う)

連用:歩き(ます)/歩い(た)

終止:歩く(。)

連体:歩く(とき)

仮定:歩け(ば)

命令:歩け(!)

まとめ

  • 動詞は 言い切りがウ段 で終わる、活用する自立語。
  • 活用形は 未然・連用・終止・連体・仮定・命令 の6つ。後ろにつく「ない・ます・とき・ば」で見分ける。
  • 活用の種類は 五段・上一段・下一段・カ変・サ変 の5種類。
  • 見分けは 「ない」テスト。直前の音がア段=五段、イ段=上一段、エ段=下一段。
  • 「来る」「する」は変則。活用表を丸暗記する。