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角柱・円柱の体積と表面積 ── 底面積×高さ

立体の大きさを測る2つの量:体積(中身)と 表面積(外側)。柱体(角柱・円柱)の場合は、底面積×高さという1つの公式で体積が計算できます。シンプルですがすべての柱体に通用する強力な公式です。

柱体の体積:底面積×高さ

公式
柱体の体積

体積 = 底面積 × 高さ

角柱・円柱共通。「底面を高さ分だけ積み重ねた」と考えるイメージ。

角柱の例

例1:底面が一辺 5cm の正方形、高さ 8cm の四角柱

底面積 = 5×5 = 25 cm²

体積 = 25×8 = 200 cm³

例2:底面が直角を挟む辺3cm,4cmの直角三角形、高さ10cmの三角柱

底面積(三角形)= 3×4÷2 = 6 cm²

体積 = 6×10 = 60 cm³

円柱の例

例3:底面の半径 4cm、高さ 7cm の円柱

底面積(円)= π × 4² = 16π cm²

体積 = 16π × 7 = 112π cm³

柱体の表面積:すべての面の合計

公式
柱体の表面積

表面積 = 底面積 × 2 + 側面積

底面が2つ(上下)と、側面の面積をすべて足す。

側面積の計算

  • 角柱:側面はいくつかの長方形(底面の各辺×高さ)。
    または、側面積 = 底面の周の長さ × 高さでまとめて計算可能。
  • 円柱:側面は1つの長方形。側面積 = 2πr × 高さ(底面の円周 × 高さ)。

計算例:角柱

例4:底面が3cm×4cmの長方形、高さ5cmの直方体(四角柱)

底面積 = 3×4 = 12 cm²

底面の周 = 2(3+4) = 14 cm

側面積 = 14×5 = 70 cm²

表面積 = 12×2 + 70 = 24 + 70 = 94 cm²

計算例:円柱

例5:底面の半径 3cm、高さ 8cm の円柱

底面積 = π × 9 = 9π cm²

側面積 = 2π × 3 × 8 = 48π cm² (円周 6π × 高さ 8)

表面積 = 9π × 2 + 48π = 18π + 48π = 66π cm²

円柱の表面積 = 底面積×2 + 側面積 底面 πr² ×2 + 側面積 2πr × 高さ = 表面積 2πr² + 2πrh
図1:円柱の表面積
つまずきポイント
  • 底面積×2 を忘れない:上下に2つあるので2倍する。
  • 側面積の計算:「底面の周×高さ」で覚えると、角柱でも円柱でも使える。
  • π はそのまま残す:「16π cm²」のように、πを残した形で答える。
  • 単位の確認:体積は cm³(立方センチ)、面積は cm²(平方センチ)。

柱体は「同じ底面が積み上がる」

  • 角柱・円柱の体積は、底面積×高さ。高さは底面に垂直な距離。
  • 表面積は、底面2枚分と側面積を足す。
  • 円柱の側面は長方形に展開できる。横の長さは底面の円周2πr、高さは円柱の高さ。
  • 単位は、面積ならcm²、体積ならcm³のように次元をそろえる。
例:半径3cm、高さ5cmの円柱

体積は π×3²×5=45πcm³。側面積は 2π×3×5=30πcm²。

この章でつまずきやすいところ

「底面積×高さ」というシンプルな公式の途中で、生徒は底面の取り違え・高さの読み違え・円柱の側面を展開したときの横の長さ(直径か円周か)の取り違えなどで手が止まりがちです。読みながら起きやすい迷いを場面ごとに整理します。

下にある面を底面と思い込んでしまう

  • つまずく場面:三角柱や横倒しの図を見たとき、机に接している面を反射的に底面にしてしまい、本文の「合同で平行な2面を選ぶ」という説明と一致せず、底面積を出す式が立てられなくなる場面。
  • 克服のコツ:底面は合同で平行な2面を探すのがコツ。位置関係で見分け、上下ではなく「同じ形が向かい合うペア」を底面、それ以外を側面と整理する。横倒しの図でも、対応する2面を底面にとり直す。
  • ミニ例:底面が直角三角形の三角柱を横に倒した図でも、合同な三角形2枚が底面。長方形の側面を底面と勘違いすると、底面積×高さの式が成り立たなくなる。

斜めの辺を高さと読み取ってしまう

  • つまずく場面:立体の見取り図で、目立つ斜めの辺の長さをそのまま「高さ」として公式に代入してしまう場面。本文に「高さは斜めの辺ではなく、底面間の垂直な距離」と書いてあるのに、図中の数字につられて取り違える。
  • 克服のコツ:高さは底面に垂直な距離と位置関係で見分ける。図中の長さが「2つの底面を結ぶ垂線」と一致しているかを確認し、斜めに見える辺は側面の辺なので高さに使わない。
  • ミニ例:底面が三角形、見取り図に斜辺5cm・垂直の長さ10cmと書かれた三角柱なら、体積の式に入れる高さは10cm。5cmは側面の辺なので高さではない。

円柱の側面の横を直径と思い込んでしまう

  • つまずく場面:円柱の展開図を見ながら側面積を計算するとき、長方形の横の長さに底面の直径2rを当てはめてしまう場面。本文の「横の長さは底面の円周2πr」という説明が頭に残らず、πが式から消えてしまう。
  • 克服のコツ:円柱の側面を展開すると長方形になり、横は底面の円周2πr、縦は円柱の高さ、という対応で覚えるのがコツ。直径2rと円周2πrは別物で、間にπが入ることを必ず確認する。
  • ミニ例:半径3cm・高さ5cmの円柱なら、側面の長方形の横は2π×3=6π cm。横の長さ6π cmからπを落として6cmと書いてしまい、側面積を6×5=30cm²としないように、π を残して 6π×5=30π cm² と書く。

体積と表面積で単位を取り違えてしまう

  • つまずく場面:「体積を求めなさい」「表面積を求めなさい」を続けて解いていると、計算は合っているのに答えに cm² と書いたり、表面積に cm³ と書いたりしてしまう場面。求める量が「中身」か「外側」かの区別が途中で曖昧になる。
  • 克服のコツ:求めている量で見分ける。体積=中身=cm³、表面積=外側の面積の合計=cm²とセットで覚える。式の最後に「長さの単位を何回かけたか」を確認し、3回かけたら cm³(立方センチメートル)、2回なら cm²(平方センチメートル)と単位をそろえる。
  • ミニ例:半径3cm・高さ5cmの円柱で、体積は45π cm³、側面積は30π cm²。同じ立体でも、求める量が違えば単位も変わると確認する。

練習問題

問題1(角柱の体積)
底面が縦 4cm、横 6cm の長方形、高さ 10cm の直方体の体積を求めなさい。
答えを見る

底面積 = 4×6 = 24 cm²

体積 = 24×10 = 240 cm³

問題2(円柱)
底面の半径 5cm、高さ 12cm の円柱について求めなさい。
  1. 体積
  2. 表面積
答えを見る

(1) 底面積 = π×25 = 25π cm²、 体積 = 25π×12 = 300π cm³

(2) 側面積 = 2π×5×12 = 120π cm²、 表面積 = 25π×2 + 120π = 50π + 120π = 170π cm²

問題3(三角柱)
底面が直角を挟む辺 6cm、8cm の直角三角形、高さ 10cm の三角柱の体積を求めなさい。
答えを見る

底面積 = 6×8÷2 = 24 cm²

体積 = 24×10 = 240 cm³

まとめ

  • 柱体の体積:底面積 × 高さ。角柱・円柱共通。
  • 柱体の表面積:底面積 × 2 + 側面積。
  • 側面積:底面の周 × 高さ(角柱)、2πr × 高さ(円柱)。
  • π は残したまま、単位は cm³ / cm² を使い分ける。

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

水道メーターの「m³」と体積の単位実生活

水道料金の検針票では、使った水の量が立方メートル(m³)で書かれています。水は1m³=1000リットル=約1トン(1000kg)なので、底面積×高さで求めた体積がそのまま「何トンの水か」につながります。

出典:山形市上下水道部

ダムの貯水量はとても大きな体積実生活

ダムにためられる水の量も体積(m³)で表されます。国内で総貯水容量が最大の徳山ダム(岐阜県)は約6.6億m³で、これは1辺が約870mの立方体に入る水の量に相当します。柱体の体積と同じ単位で身近な水道とダムがつながっています。

出典:国土交通省 関東地方整備局 相模川水系広域ダム管理事務所(日本のダム・総貯水容量順ランキング)

飲料缶が円柱なのはなぜ?表面積と省資源実生活

アルミ缶が円柱形なのは、少ない材料で多くの中身を入れやすく、丸い形は圧力にも強いからです。日本のアルミ缶は工夫を重ねて1999年と比べ約6%軽くなり、材料や輸送のエネルギーを減らす省資源につながっています。

出典:一般社団法人 日本アルミニウム協会

アルキメデスが誇った円柱と球の体積比2:3発展

古代ギリシャのアルキメデスは、円柱の中にぴったり入る球の体積が、その円柱の体積のちょうど3分の2(球:円柱=2:3)になることを発見しました。彼はこの発見を特に誇りに思い、円柱と球の図を自分の墓に刻ませたと伝えられています。

出典:新興出版社啓林館(数学なんでもQ&A)

高校で学ぶ「カヴァリエリの原理」発展

斜めにかたむいた柱(斜柱)でも、各高さでの切り口の面積が同じなら体積は変わりません。これはカヴァリエリの原理とよばれ、「底面積×高さ」で体積が求まる理由を支える、高校数学にもつながる考え方です。

出典:コトバンク(日本大百科全書ほか)