この章でつまずきやすいところ
データの問題を解いている最中、「これは平均で答える?中央値?」「相対度数は小数?%?」と手が止まる場面があります。読みながら迷いがちな具体場面を整理し、ペンを動かす前に判断できるようにしましょう。
中央値を求める前に並べ替えるのを忘れてしまう
- つまずく場面:「次のデータの中央値を求めなさい:3, 5, 7, 9, 11」のような問題で、数字がすでに並んで見えると、別の問題でもそのまま真ん中の数を選びにいってしまい、並べ替え工程をスキップしてしまう迷いです。
- 克服のコツ:見分け方は手順の順番で固定します。中央値の合図を見たら、(1)小さい順に並べ替える→(2)個数を数える→(3)奇数なら真ん中、偶数なら真ん中2つの平均、と必ず3ステップで進めましょう。問題文の数字の見た目に惑わされず、手を動かして並べ替える習慣が安全です。
- ミニ例:「7, 3, 11, 5, 9」の中央値は、まず3, 5, 7, 9, 11と並べ替えてから真ん中の7。並べ替え前に「真ん中は11」としないことが大切です。
相対度数を%と小数で取り違えてしまう
- つまずく場面:「クラス40人で度数が10。相対度数は?」と読みながら、答えを「25」と書くか「0.25」と書くか「25%」と書くか迷い、合計が1になるはずなのに合わない…と手が止まる場面です。
- 克服のコツ:見分け方は定義の式に戻ること。相対度数は「その階級の度数÷合計度数」で、合計すると1になる小数で答えるのが基本です。%は小数を100倍した表記。問題文で「割合」「相対度数」とあれば小数、「何%」とあれば百分率、と書き分けましょう。
- ミニ例:度数10/合計40なら相対度数は10÷40=0.25。これを%にすると25%。同じ意味でも、答え方は問われ方に合わせます。
平均値だけで「ふつう」を判断してしまう
- つまずく場面:「平均600万円、中央値400万円」のような応用問題を読みながら、平均が大きいから多くの人が高所得だと早合点してしまう場面です。外れ値の存在に気づかず、「平均=代表的な値」と思い込んで設問の意図を取り違えてしまいます。
- 克服のコツ:因果関係で整理します。極端に大きい(小さい)値があると、平均はそちらに引っぱられて動きやすい一方、中央値は順番の真ん中なので影響を受けにくい。平均と中央値がずれているときは、外れ値が片側にある可能性を疑い、「どちらが実態に近いか」を答えに含めましょう。
- ミニ例:テスト点数65, 70, 80, 100, 25では、平均は68点でも中央値は70点。25点が平均を下げており、「ふつう」の感覚に近いのは中央値です。
階級値と階級の幅を取り違えてしまう
- つまずく場面:「150以上 155未満の階級値は?」と読んで、つい「幅の5」と答えてしまったり、逆に「階級の幅は?」で「152.5」と答えてしまったりする迷いです。似た言葉が並ぶと、どちらを聞かれているか一瞬わからなくなります。
- 克服のコツ:位置関係で覚えるのがコツ。階級値=階級の真ん中の値(両端の平均)、階級の幅=階級の大きさ(上端−下端)です。「値」とあれば真ん中の点、「幅」とあれば長さ、と頭の中で図にしてから答えると取り違えにくくなります。
- ミニ例:「150以上 155未満」では、階級値は(150+155)÷2=152.5、階級の幅は155−150=5。同じ階級でも問われる量が違うことを意識しましょう。
基本(20問)── 用語・代表値の計算
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標準(20問)── 度数分布表からの計算
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応用(10問)── 統計的判断・記述
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もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
日本の所得は平均値より中央値の方が「ふつう」に近い実生活
厚生労働省の国民生活基礎調査では、1世帯あたりの平均所得金額は536万円ですが、ちょうど真ん中にあたる中央値は410万円です。平均より下の世帯が約6割を占めるため、一部の高所得世帯が平均を押し上げており、「ふつうの暮らし」を知るには中央値の方が実感に近いとわかります。
外れ値があるときは代表値を使い分ける発展
総務省統計局によると、平均値・中央値・最頻値の3つの代表値で最も外れ値の影響を受けやすいのは平均値で、中央値や最頻値は影響をほとんど受けません。だからデータに極端な値が混じるときは、目的に合わせてどの代表値で語るかを選ぶ必要があります。
天気予報の「平年並み」は30年間の平均値実生活
気象庁が使う「平年値」とは、気温や降水量などを直近30年間(例:1991〜2020年)で平均した値で、10年ごとに更新されます。テレビでよく聞く「平年並み」「平年より高い」という言葉は、この長期平均と今の値を比べた表現なのです。
データのばらつき(範囲)は工場の品質管理に役立つ実生活
総務省統計局は、平均値が同じでもデータの散らばり方が違えば特徴は別物だと説明しています。たとえば製品の抜き取り検査で測定値の散らばりが大きくなったら、製造機械のどこかに問題があると推測できます。範囲などでばらつきを見ることが品質管理の手がかりになるのです。
サイコロの相対度数は回数を増やすほど確率に近づく発展
サイコロやくじで「ある目が出た回数÷全体の回数」を相対度数といい、試行を何度も繰り返すと相対度数はその目の起こりやすさ(確率)に近づいていきます。これは大数の法則と呼ばれ、たとえばサイコロを振る回数を増やすほど1の目が出る割合は6分の1に近づいていきます。
