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三審制は慎重に判断するしくみ、違憲審査は憲法を守るしくみです。
裁判所の種類
- 最高裁判所:1か所、最終審
- 高等裁判所:8か所
- 地方裁判所:50か所
- 家庭裁判所:家族・少年問題
- 簡易裁判所:軽い事件
三審制
用語
三審制
同じ事件を 3回まで裁判できる仕組み。判決に不服があれば上の裁判所に上訴。
第一審 → 控訴(第二審)→ 上告(第三審)
第一審 → 控訴(第二審)→ 上告(第三審)
三審制の流れ
第一審:地方裁判所(または簡易・家庭)
第二審:高等裁判所
第三審:最高裁判所
→ 慎重な判断、誤審を防ぐ
刑事裁判 vs 民事裁判
| 刑事裁判 | 民事裁判 | |
|---|---|---|
| 事件 | 犯罪 | 個人間の紛争 |
| 原告 | 検察官 | 個人・団体 |
| 被告 | 被告人 | 被告 |
| 結果 | 刑罰(懲役・罰金) | 損害賠償・契約解除 |
裁判員制度
用語
裁判員制度
2009年から始まった、一般国民が刑事裁判に参加する制度。重大な刑事事件が対象。
- 裁判員 6人 + 裁判官 3人 で審理
- 有罪・無罪、量刑を判断
- 対象:殺人・強盗致死傷など 重大な刑事事件のみ
- 裁判員は 18歳以上の国民から無作為抽出
- 守秘義務がある
違憲審査権
用語
違憲審査権
法律・命令・処分が 憲法に違反していないかを判断する権限。すべての裁判所が持つが、最終決定は最高裁。
「憲法の番人」
最高裁判所は違憲審査の最終決定者として「憲法の番人」と呼ばれる。
違憲判決の例:尊属殺重罰規定違憲判決、薬事法違憲判決など
司法権の独立
- 裁判官の独立:裁判官は良心に従い、独立して職務を行う
- 裁判官は 身分が保障されている(罷免は弾劾裁判のみ)
- 外部からの圧力(政府・世論)に屈してはならない
最高裁判所の特徴
- 15人の裁判官(長官 1人 + 判事 14人)
- 長官は 天皇が任命(内閣が指名)
- 判事は 内閣が任命、天皇が認証
- 国民審査:衆議院議員総選挙の際、最高裁判所裁判官を辞めさせるべきか国民が審査する
裁判の流れ(刑事)
刑事裁判の手順
① 事件発生 → 警察が捜査
② 逮捕・取り調べ(警察)
③ 起訴(検察官が判断)
④ 公判(裁判所での審理)
⑤ 判決(有罪・無罪と量刑)
⑥ 不服があれば 控訴・上告
被告人の権利
- 弁護人を依頼する権利:刑事被告人の権利(憲法37条)
- 黙秘権:自分に不利な供述を強制されない(憲法38条)
- 推定無罪の原則:有罪判決まで無罪と推定される
- 遡及処罰の禁止:行為時の法律で裁かれる(後から作った法律で罰しない)
- 一事不再理:同じ事件で再び裁判されない
裁判員制度の意義
市民参加の理由
→ 市民の 常識や感覚を裁判に反映
→ 司法への信頼を高める
→ 市民が 司法を理解する機会
→ アメリカの陪審制と違い、裁判官と一緒に判断
→ 死刑判決も裁判員が関わる場合がある(精神的負担が課題)
違憲審査の実例
- 尊属殺重罰規定違憲判決(1973):親殺しに重罰は違憲
- 薬事法違憲判決(1975):薬局の距離制限は職業の自由に違反
- 愛媛玉ぐし料訴訟(1997):政教分離違反
- 婚外子相続差別違憲判決(2013):相続の格差は法の下の平等に違反
- 再婚禁止期間違憲判決(2015):6か月の再婚禁止は違憲
- これまで 違憲判決は十数件と少数
つまずきポイント①:刑事 vs 民事
- 刑事裁判:「犯罪」を裁く。検察官が起訴。
- 民事裁判:「個人間の紛争」を解決。個人が訴える。
- 裁判員制度は 刑事裁判のみ、民事には参加しない。
つまずきポイント②:三審制と上訴の名前
- 第一審から第二審 → 控訴
- 第二審から第三審 → 上告
- 名前を間違えやすい:「控(こ)→上(じょう)」の順
つまずきポイント③:裁判員と裁判官の役割
- 裁判員 6人+裁判官 3人 = 計 9人で審理
- 有罪・無罪と 量刑を一緒に判断(裁判員も量刑に関わる)
- 多数決だが、有罪には 裁判官1人以上の賛成が必要
練習問題
問題1(三審制)
三審制の3つの段階を答えよ。
答えを見る
第一審 → 控訴 → 上告
問題2(裁判員制度)
- 裁判員制度はいつから始まったか
- 裁判員と裁判官は何人ずつ参加するか
- どんな事件が対象か
答えを見る
(1) 2009年 (2) 裁判員6人・裁判官3人 (3) 重大な刑事事件
問題3(違憲審査)
違憲審査の最終決定をする裁判所を何と呼ぶか。
答えを見る
最高裁判所(憲法の番人)
まとめ
- 裁判所:司法権を持つ。最高裁+下級裁判所。
- 三審制:第一審 → 控訴 → 上告。誤審を防ぐ。
- 刑事裁判(犯罪)と民事裁判(紛争)。
- 裁判員制度(2009〜):重大刑事事件に国民が参加(6人)。
- 違憲審査権:最高裁が「憲法の番人」。