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二次方程式とは ── ax²+bx+c=0

「x² = 4」── これを満たす x は 2 と −2 の2つ。一次方程式は解が1つだったのに、二次方程式は 解が2つになることがあるのが大きな違いです。今回は二次方程式の定義と、解の意味、4つの解き方の概観までを整理します。

二次方程式の定義

用語
二次方程式
未知数 x の 2乗を含む方程式。一般形:ax² + bx + c = 0(a ≠ 0)。
例:いろいろな二次方程式

x² = 4 → x² − 4 = 0

x² + 5x + 6 = 0

3x² − 2x − 1 = 0

(x − 1)² = 9 → x² − 2x − 8 = 0

なぜ a ≠ 0 か

もし a = 0 なら、ax² の項が消えて bx + c = 0、つまり 一次方程式になってしまう。だから「二次」を名乗るには x² の係数が0でないことが必須。

注意:二次方程式かどうか判別

2x² − 3x = 5 → 2x² − 3x − 5 = 0 ○ 二次

3x + 2 = 0 × 一次

x² + 2x + 1 = (x + 1)² ○ 整理すると 0 = 0、これは方程式ではなく恒等式

解とは ── 等式を成り立たせる x

方程式を 成り立たせる x の値を「解」という。二次方程式の解は最大 2つ

例:x² − 5x + 6 = 0 の解の確認

x = 2 を代入:4 − 10 + 6 = 0 ◯

x = 3 を代入:9 − 15 + 6 = 0 ◯

よって解は x = 2, 3 の 2つ

解の個数 ── 3パターン

  • 異なる2つの解(基本パターン):例 x² − 5x + 6 = 0 → x = 2, 3
  • 重解(解が1つだけ):例 (x − 2)² = 0 → x = 2 のみ
  • 実数解なし(中3では「解なし」と扱う):例 x² + 1 = 0
重解の例

x² − 4x + 4 = 0

→ (x − 2)² = 0 → x − 2 = 0 → x = 2(重解)

解なしの例

x² + 4 = 0 → x² = −4

2乗して負になる実数はない → 解なし

一次方程式との違い

一次二次
ax + b = 0ax² + bx + c = 0
解の個数1つ0〜2つ
解き方移項のみ4つの方法

解き方の4つの選択肢(次回以降)

  1. 平方根を利用(x² = k や (x + p)² = q の形)
  2. 平方完成((x + p)² = q の形に変形)
  3. 因数分解で解く(積 = 0 を利用)
  4. 解の公式(万能だが計算がやや手間)

問題によって最適な方法は変わる。因数分解できれば最速、できないときは 解の公式に頼る、というのが基本の使い分け。

つまずきポイント①:「整理してから判別」
  • x² + 2x + 1 = (x + 1)² のように、整理したら方程式ではなく恒等式(常に成り立つ式)になることもある。
  • 「二次方程式の形にして」と言われたら、右辺 = 0 に整えるのが最初の作業。
  • (x + 3)² = 16 のような形は、そのまま平方根で解けるので「無理に展開しない」のも大事。
つまずきポイント②:解の個数
  • 二次方程式の実数解は 0, 1, 2個のいずれか
  • 解2つ:x² = 9 → x = ±3
  • 解1つ(重解):(x − 5)² = 0 → x = 5(1つだけ)
  • 解なし:x² + 4 = 0 → x² = −4 で実数なし
つまずきポイント③:方程式と関数
  • 方程式:「x の値を求める」(解を出す)
  • 関数:「x の値に対応する y を見る」(グラフを描く)
  • x² + 3x + 2 = 0 は方程式(x = −1, −2)
  • y = x² + 3x + 2 は関数(放物線のグラフ)
  • 関数のグラフが x 軸と交わる点が方程式の解

二次方程式として見るポイント

  • 二次方程式は、整理すると ax²+bx+c=0(a≠0)の形になる方程式。
  • まず右辺を0にし、同類項をまとめて次数を確認する。
  • x²の項が消えるなら二次方程式ではなく一次方程式になる。
  • 解は、代入したときに等式を成り立たせるxの値。出た答えは元の式で確認する。
例:(x+1)(x−4)=0

積が0なので、x+1=0 または x−4=0。解は x=−1, 4。

練習問題

問題1(二次方程式かどうか)
次のうち二次方程式はどれか。
  1. 2x + 3 = 0
  2. x² = 9
  3. x² + 2x + 1 = (x + 1)²
  4. 3x² − x = 2
答えを見る

(1) 一次方程式 (2) 二次方程式(x² − 9 = 0) (3) 整理すると 0 = 0 で恒等式、方程式ではない (4) 二次方程式(3x² − x − 2 = 0)

問題2(解の確認)

次のうち、x² − 5x + 6 = 0 の解はどれか。すべて選べ。

  1. x = 1
  2. x = 2
  3. x = 3
  4. x = 6
答えを見る

代入して 0 になるもの:(2) と (3)

(1) 1−5+6 = 2 × (2) 4−10+6 = 0 ◯ (3) 9−15+6 = 0 ◯ (4) 36−30+6 = 12 ×

問題3(解の個数)
  1. x² = 9 の解は何個? 値は?
  2. (x − 5)² = 0 の解は何個? 値は?
  3. x² + 4 = 0 の実数解は?
答えを見る

(1) 2個、x = ±3

(2) 1個(重解)、x = 5

(3) なし(x² = −4 となり実数解なし)

まとめ

  • 二次方程式:ax² + bx + c = 0(a ≠ 0) の形。
  • 解は 最大2つ。重解1つ、解なし0つ、もありえる。
  • 解き方は 平方根/平方完成/因数分解/解の公式 の4種。
  • 最初の作業は 右辺 = 0 に整えること。
  • 解の確認は 代入して 0 になるか でチェックできる。