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歴史は、背景、できごと、社会の変化、後の時代への影響を順に並べると因果関係が見えます。
高度経済成長とは
用語
高度経済成長
1955年〜1973年の約20年間、日本の経済が 年率約10%で成長した時期。
- 背景:戦後復興、朝鮮戦争の特需、若い労働力、技術導入、政府の産業政策。
- 原因:企業が設備投資を進め、家庭の消費が増え、輸出産業も伸びた。
- 結果:生活水準が上がる一方、都市の過密、農村の過疎、公害問題が深刻になった。
朝鮮戦争と特需
特需景気
1950年〜1953年:朝鮮戦争
アメリカが日本で 軍需物資を調達 → 日本企業が大量受注
→ 特需景気で日本経済が復興
所得倍増計画
池田勇人内閣
1960年:池田勇人首相が「所得倍増計画」を提唱
10年で国民の所得を2倍にする目標
→ 目標を超える成長を達成
三種の神器と新三種の神器
- 三種の神器(1950年代後半):テレビ・洗濯機・冷蔵庫
- 3C(新三種の神器)(1960年代後半):カー(自動車)・クーラー・カラーテレビ
- これらが各家庭に普及し、生活水準が大きく向上
東京オリンピック
出来事
東京オリンピック
1964年10月10日開幕。アジア初のオリンピック。日本の復興を世界に示した。
- 同年10月1日:東海道新幹線開通(東京〜新大阪)
- 名神高速道路など、インフラ整備が進む
- カラー放送が本格化
1970年大阪万博
大阪万博(EXPO'70)
テーマ:「人類の進歩と調和」
「太陽の塔」(岡本太郎)が象徴
来場者 約6420万人(史上最多級)
公害問題
経済成長の影
急速な工業化の結果、4大公害病が発生:
水俣病(熊本)、新潟水俣病、イタイイタイ病(富山)、四日市ぜんそく(三重)
1967年:公害対策基本法 → 1971年:環境庁設置
高度経済成長の終わり
- 1973年:第1次石油危機(オイルショック)
- 第4次中東戦争で石油価格が4倍に
- 狂乱物価、トイレットペーパー騒動
- → 高度成長期が終わり、安定成長期へ
歴史的位置づけ
- 「東洋の奇跡」と世界から評価
- 1968年:GNPで西ドイツを抜き、世界第2位に
- 地方から都市への人口移動(過密と過疎)
- 核家族化、サラリーマン層の拡大
つまずきポイント:成長の光と影をセットで見る
- 光:所得が増え、家電・自動車・住宅などの消費が広がった。
- 影:工場排煙・排水による公害、交通渋滞、住宅不足、農村の人口流出が起きた。
- 入試では「高度成長=よいことだけ」と書かず、生活向上と社会問題を両方示す。
つまずきポイント:「三種の神器」と「3C」
- 三種の神器(1950後半〜):テ(テレビ)・洗・冷
- 3C(1960後半〜):カー・クーラー・カラーテレビ
- テレビが2回出ているのは、白黒 → カラーへ移行したから。
練習問題
問題1(所得倍増計画)
所得倍増計画を打ち出した首相は。何年か。
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池田勇人首相、1960年
問題2(三種の神器)
1950年代後半に普及した「三種の神器」を答えよ。
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テレビ・洗濯機・冷蔵庫
問題3(東京五輪)
東京オリンピック開催年と、同時期に開通した交通インフラは。
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1964年。東海道新幹線。
問題4(終焉)
高度経済成長を終わらせた1973年の出来事は。
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第1次石油危機(オイルショック)
問題5(説明)
高度経済成長が人々の生活と地域に与えた影響を、よい面と問題点に分けて説明しなさい。
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例:よい面では所得が増え、三種の神器や3Cが普及して生活が便利になった。問題点では、都市への人口集中で過密が進み、農村では過疎化が進んだ。また、急速な工業化で4大公害病などの公害問題が起こった。
まとめ
- 高度経済成長:1955〜1973年、年率約10%。
- 朝鮮戦争の特需 → 池田勇人の所得倍増計画。
- 三種の神器(テレビ・洗濯機・冷蔵庫)、3C(カー・クーラー・カラーテレビ)。
- 1964年 東京オリンピック・東海道新幹線。
- 影:過密・過疎、住宅不足、4大公害病。1973年 オイルショックで終焉。