図でつかむ
1989年末に日経平均株価が38,957円の最高値をつけた「山」と、1991年からの崩壊、その後の失われた30年とよばれる長期低迷を1本の曲線で表しました。曲線の下の年表で、阪神・淡路大震災(1995)・東日本大震災(2011)・令和への改元(2019)の位置も確認しましょう。
昭和から平成へ
1月7日:昭和天皇崩御 → 平成へ改元
同年:消費税3%導入(その後、5%(1997年)→8%(2014年)→10%(2019年)と税率が引き上げられた)
同年:ベルリンの壁崩壊(冷戦終結)
バブル経済(1986〜1991年)
その背景には、1985年のプラザ合意があります。行き過ぎたドル高を是正するため各国が協調介入し、急激な円高が進みました。この円高で日本の輸出産業は打撃を受け、日本銀行はその対策として金利を下げる低金利政策をとりました。行き場を失ったお金が土地や株に集中的に投資され、バブル経済を引き起こしていきます。
- 日経平均株価が4万円近くに(1989年末)
- 地価が高騰、「土地神話」
- 消費・投資が活発化、海外不動産買収
- 1991年〜:株価・地価が暴落 → バブル崩壊
失われた30年
1991年以降:金融不安、銀行の不良債権問題
1997年:山一證券・北海道拓殖銀行が破綻
1998年:日本長期信用銀行が国有化
2008年:リーマンショック
→ 経済成長率は 低成長(1〜2%以下)が続く
大震災
- 1995年1月17日:阪神・淡路大震災(兵庫県南部、6434人犠牲)
- 震災ではないが同じ1995年3月20日には、宗教団体オウム真理教による無差別テロ地下鉄サリン事件が東京の地下鉄で起こり、多数の死傷者を出した。1995年は自然災害と事件の両面で日本社会に衝撃を与えた年として記憶されている。
- 2011年3月11日:東日本大震災(東北地方、約2万人犠牲)
- 福島第一原発事故 → エネルギー政策の転換
- 2016年:熊本地震、2024年:能登半島地震
政治の動き
- 1991年:湾岸戦争が起こると、日本は多国籍軍に多額の資金協力を行ったが、人的な協力がなく「顔の見えない支援」と国際的な批判を受けた。この経験から1992年にPKO協力法が成立し、自衛隊がカンボジアなどの国連平和維持活動(PKO)に派遣されるようになった。
- 1993年:55年体制(1955年に自由民主党が結成されて成立し、自民党の長期単独政権と日本社会党などの野党という対立構図が続いた体制)が崩壊(自民党分裂、細川連立内閣)
- 2009年:民主党政権誕生(鳩山由紀夫首相)
- 2012年:自民党復権(安倍晋三首相、最長政権)
- 2019年:天皇譲位 → 令和に改元
令和の出来事
2019年4月30日:天皇退位(上皇明仁)を経て、5月1日に令和へ
2020年〜:新型コロナウイルスのパンデミック
2020年→2021年に東京オリンピック延期開催
2022年〜:ロシアのウクライナ侵攻、世界情勢の変化
物価高、円安、デジタル化・AI技術の急速な広がり
少子高齢化と人口減少
- 2008年:日本の人口がピーク(1億2808万人)
- その後人口減少へ転換
- 65歳以上の割合が高く、世界でも高齢化が進んだ国の一つ
- 少子化対策・働き方改革・外国人材の受け入れ・社会保障の持続が課題
- 人口・高齢化率・物価などの数値は毎年変わるため、教科書や資料集では「傾向」を押さえる。
- 平成以降の経済は、バブル崩壊、不良債権問題、金融危機、世界金融危機などが重なって長期低迷した。
- 令和の出来事は現在進行中なので、原因と結果がまだ評価途中のものもある。
- 昭和:1926〜1989(64年間)
- 平成:1989〜2019(30年間)
- 令和:2019〜現在
- テストで「平成何年」が出題される。元号と西暦を換算できるように。
この章でつまずきやすいところ
平成・令和の単元は、できごとの数が多くて時期も近いので、本文を読みながら「いつの話?」「これは平成?令和?」と迷いやすいところです。読みながら詰まりやすい場面を4つ取り上げ、整理のコツを示します。
バブル経済とバブル崩壊の時期を取り違えてしまう
- つまずく場面:本文に「1986〜1991年」と「1991年〜」が近い場所に出てきて、どちらがバブル経済でどちらが崩壊か分からなくなる場面。「バブル=崩壊」のイメージが強く、好景気だった時期を見落としてしまう。
- 克服のコツ:時系列で押さえると迷いにくいです。1986〜1991年が「バブル経済」(株価・地価が高騰した好景気)、1991年以降が「バブル崩壊」とその後の長期低迷と、年で区切って読みます。本文の数値が「上がっている」のか「下がっている」のかも目印になります。
- ミニ例:本文では1989年末に日経平均株価が史上最高値の約3万9千円(1989年12月29日の38,957円)まで上がったのがバブル経済の頂点。そこから1991年以降に株価・地価が暴落してバブル崩壊、と読みます。
阪神・淡路大震災と東日本大震災の年と場所が混ざってしまう
- つまずく場面:本文に大震災が複数並んでいる箇所で、「1995年は東北だっけ?」「2011年が関西だっけ?」と読みながら混乱する場面。どちらも「大震災」と呼ばれるため、年・場所・関連する出来事が結びつきにくい。
- 克服のコツ:位置関係と時系列をセットで覚えます。1995年1月17日=阪神・淡路(兵庫県南部)、2011年3月11日=東日本(東北地方)。さらに、東日本大震災のときに福島第一原発事故が起き、エネルギー政策の見直しにつながったという因果まで読むと区別がはっきりします。
- ミニ例:本文の「1995年1月17日:阪神・淡路大震災(兵庫県南部、6434人犠牲)」と「2011年3月11日:東日本大震災(東北地方、死者・行方不明者あわせて約2万2千人)」を、年→場所→影響の順でひと続きに読む練習をします。
政権交代を「自民党がずっと与党」と思い込んでしまう
- つまずく場面:本文を読みながら「平成は自民党の時代」というイメージで進めてしまい、1993年の55年体制崩壊や2009年の民主党政権の部分で、流れがつかめなくなる場面。「細川」「鳩山由紀夫」「安倍晋三」と人名が続いて誰がいつの首相か分からなくなる。
- 克服のコツ:時系列で「与党がどう動いたか」を線で追います。1993年:55年体制が崩れて細川連立内閣→2009年:民主党政権(鳩山由紀夫)→2012年:自民党が政権に戻る(安倍晋三、最長政権)と三段で押さえると、平成の政治の波が見えてきます。
- ミニ例:本文の流れで言えば、1993年(自民党分裂)→2009年(民主党政権誕生)→2012年(自民党復権)。教科書では平成の政治を「政権交代が複数回起きた時代」と整理します。
「平成何年?」の換算でつまずいてしまう
- つまずく場面:本文や問題に「1995年は平成何年?」「2011年は平成何年?」と元号・西暦の換算が出てきたときに、開始年を間違えて1〜2年ずれてしまう場面。昭和・平成・令和の境目の年が重なって見え、どこから数え直せばいいか迷う。
- 克服のコツ:時系列の基準年を3つだけ覚えます。昭和:1926〜1989/平成:1989〜2019/令和:2019〜。1989年は1月7日まで昭和64年、1月8日以降が平成元年、2019年は4月30日まで平成31年、5月1日以降が令和元年と、改元日で同じ年の中に元号の切り替わりがあることを意識すると、換算ミスが減ります。
- ミニ例:1995年は平成7年(1995−1988=7)、2011年は平成23年(2011−1988=23)。1989年が平成元年なので、西暦から1988を引けば平成何年かが分かります。
練習問題
バブル経済が崩壊したのは何年頃か。
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1991年(〜1992年にかけて)
- 1995年に起きた大震災
- 2011年に起きた大震災
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(1) 阪神・淡路大震災 (2) 東日本大震災
平成から令和に改元された年と月は。
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2019年5月(4月30日譲位、5月1日改元)
バブル崩壊後の日本経済が長期低迷した理由を、金融不安と消費・投資の変化にふれて説明しなさい。
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例:株価や地価が下がって企業や銀行に不良債権が増え、金融不安が広がった。企業は投資を控え、人々も消費に慎重になったため、景気回復が遅れ、低成長が長く続いた。
まとめ
- 平成:1989〜2019、令和:2019〜。
- バブル経済(1986〜91)とその崩壊 → 失われた30年。
- 阪神・淡路大震災(1995)、東日本大震災(2011)。
- 政権交代:1993年(細川)、2009年(民主党)、2012年(自民党復権)。
- 少子高齢化・人口減少・社会保障・働き方の変化が大きな課題。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
出生率は過去最低に──少子化のいま時事
2025年(令和7年)の合計特殊出生率は1.14で、統計をとり始めてから過去最低となり、10年連続で低下しました。生まれた子どもの数も約67万1千人で過去最少です。教科書がいう「少子高齢化」が現在も進行中であることを示す最新の数字です。
高齢化率は約29%で過去最高時事
2025年9月時点で、65歳以上の高齢者は3619万人、総人口に占める割合(高齢化率)は29.4%と、いずれも過去最高になりました。日本はおよそ3.4人に1人が高齢者で、世界でもとくに高齢化が進んだ国の一つです。年金や医療、働き手の不足など、社会のしくみ全体に関わる課題です。
18歳で「大人」に──2022年の成年年齢引き下げ発展
2022年4月、民法が改正され、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これは1876年(明治9年)以来146年ぶりの変更で、18歳になると親の同意なしに契約などができるようになります。令和の社会で若い世代の自立や社会参加を後押しするねらいがありますが、契約トラブルに注意する力も求められています。
2050年カーボンニュートラル宣言発展
2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すと宣言しました。これは排出量から森林などによる吸収量を差し引いて、合計を実質ゼロにするという考え方です。東日本大震災後のエネルギー政策の見直しに続く、令和の大きな環境目標です。
暮らしのデジタル化──マイナ保険証への移行時事
2024年12月2日から、これまでの健康保険証は新たに発行されなくなり、マイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保険証」を基本とするしくみに切りかわりました。情報通信技術(ICT)の発展が、医療や行政の手続きといった日常生活にまで広がっていることを示す、令和ならではの変化です。
