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1991年のソ連解体後、EU発足(1993)やユーロ導入(1999)に代表される「つながる力」と、9.11同時多発テロ(2001)・米中対立・ウクライナ侵攻(2022)などの「分断する力」が同時に進んできたことを左右で対比しました。下段の気候変動やパンデミックのように、一国では解決できない課題があることもあわせておさえましょう。
冷戦後の世界
- 1991年:ソ連解体 → 一極支配のアメリカ
- 1990年代:グローバル化の加速
- 2001年:9.11同時多発テロ → 「テロとの戦い」
- 2008年:リーマンショック → 世界金融危機
- 2010年代:中国の台頭、米中対立
- 2020年代:コロナ禍、ウクライナ侵攻、生成AIなどのデジタル技術の広がり
EU(欧州連合)
- 27か国加盟(2024年時点、イギリスは2020年離脱)
- EUは 「国を超えた連合」 の実験
- 2020年:イギリスのEU離脱(Brexit)
9.11同時多発テロ(2001年)
2001年9月11日、アメリカで同時多発テロ
ハイジャックされた航空機がWTCビル・ペンタゴンに突入
死者約 3000人
アメリカが「テロとの戦い」を宣言、アフガニスタン・イラク戦争
新興国の台頭(BRICS)
- 中国:2010年に GDP で日本を抜き世界第2位
- インド:人口規模が大きく、IT産業や製造業で存在感が増している
- 新興国の経済力が世界経済や国際政治を動かす時代へ
米中対立
2010年代後半〜:米中の貿易戦争
技術覇権(AI・5G・半導体)
人権問題(香港・新疆ウイグル)
台湾問題
→ 経済・軍事・技術での 新たな対立構造
ウクライナ侵攻(2022年〜)
- 2014年:ロシアがクリミア半島を併合
- 2022年2月:ロシアがウクライナに全面侵攻
- 欧米が経済制裁、ウクライナを軍事支援
- 世界的なエネルギー・食料価格高騰
気候変動とパンデミック
- 気候変動:地球温暖化、異常気象。パリ協定で対応。
- 新型コロナ(2019年末〜):パンデミックで世界が変わる
- 感染症、気候変動など 一国では解決できない課題
日本の現代外交
アメリカとの同盟(日米安保)が基軸
中国・韓国との関係改善が課題
G7・G20での国際協調
ODA・PKO・環境問題でリーダーシップを発揮
AI時代の幕開け
- 2020年代:生成AIなどのデジタル技術が急速に広がる
- 仕事・教育・生活で、情報の作成・検索・判断の方法が変化
- 便利さと同時に、著作権、個人情報、偽情報、雇用への影響が議論される
- 現代社会の学習では、技術そのものよりも「社会のしくみがどう変わるか」を見る
- 20世紀末〜:グローバル化の進展(人・モノ・お金・情報の自由化)
- 21世紀:反グローバル化、ナショナリズム回帰の動きも
- 2つの相反する力が同時に進行している。
この章でつまずきやすいところ
現代の国際情勢は、年号や事件名が次々と並ぶうえに「グローバル化」と「分断」が同時に進むので、本文を読む途中で頭の中がこんがらがりやすい単元です。読みながら起きがちな迷いの場面を、整理のコツとあわせて確認しましょう。
EUとBrexitを「同じ年代の話」として混同してしまう
- つまずく場面:本文に「1993年マーストリヒト条約でEU発足」「1999年ユーロ導入」「2020年イギリス離脱」と複数の年が並んだとき、どれが始まりでどれが分かれた話なのか頭の中で順番が混ざってしまう場面。
- 克服のコツ:時系列で押さえます。「発足→共通通貨→離脱」の3段で、1993年マーストリヒト条約でEU発足、1999年にユーロ導入、そして2016年の国民投票を経て2020年にイギリスがEUを正式に離脱(Brexit)、と段差をつけて読みます。年号は「順番のものさし」として使うと覚えやすくなります。
- ミニ例:本文の「1993年」「1999年」「2020年」を見たら、心の中で「発足→ユーロ→Brexit」と言い直す。EUは国を超えた連合の実験で、Brexitはその実験から一国が抜けた出来事、と整理できる。
「冷戦終結=平和になった」と読み取ってしまう
- つまずく場面:「1991年ソ連解体」「冷戦終結」と本文で読んだ直後に、すぐあとで9.11テロやウクライナ侵攻が出てきて、「冷戦が終わったのに、なぜ対立や戦争が続くの?」と止まってしまう場面。
- 克服のコツ:因果関係で整理します。冷戦終結で米ソの直接対立は一段落したものの、地域紛争・民族対立・テロといった別タイプの対立が前面に出てきた、と教科書では整理します。「冷戦の終わり=世界の対立の終わり」ではなく、前面に出る対立の種類が変わったと読むのがコツです。
- ミニ例:「1991年ソ連解体」のあとに「2001年9.11」「2022年ウクライナ侵攻」が並ぶのは、対立の主役と形が変わりながら続いてきたことを示している、と読み取れる。
「グローバル化」と「分断」のどちらか一方だけを答えてしまう
- つまずく場面:練習問題で「グローバル化と分断が同時に進んでいるとは?」と問われ、本文を読み直したのに、貿易や情報の話だけ、または対立や制裁の話だけになってしまい、片方しか書けずに迷う場面。
- 克服のコツ:因果関係を「+(プラス)と-(マイナス)の二本立て」で整理します。結びつきを強める動き(貿易・金融・情報通信・EU)と、対立を強める動き(テロ、米中対立、ウクライナ侵攻、経済制裁)を本文から1つずつ拾い、両方を並べて書くと答えがそろいます。BRICSや中国の台頭は、結びつきと分断のどちらにも関わる多極化の動きとして位置づけられます。
- ミニ例:「世界はつながりが強まる一方で、対立も目立つ」と書き出し、つながり側にEUや貿易・情報通信、分断側に9.11や米中対立を当てはめ、BRICSや中国の台頭は多極化の動きとして両方にまたがると添えると、教科書の整理に沿った説明になる。
BRICSと「米中対立」の中国を別ものとして読んでしまう
- つまずく場面:本文の前半でBRICSの一国として「中国」が出て、後半で「米中対立」「2010年に中国がGDP世界第2位」と出てくると、新興国の中国と対立相手の中国が別の話に見えて、つながりが分からなくなる場面。
- 克服のコツ:因果関係でつなぎます。新興国として経済力をつけた結果、中国の存在感が大きくなり、それが米中の貿易や技術をめぐる新たな対立構造につながった、と教科書では整理します。「成長→影響力増大→対立の表面化」と一本の線で読みます。
- ミニ例:「BRICSの中国」→「2010年にGDP世界第2位」→「2010年代後半〜米中の貿易戦争・技術をめぐる競争」と並べると、同じ一国の歩みとして読み解けるようになる。
練習問題
- EUの発足
- EUの共通通貨
- 2020年にEUを離脱した国
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(1) 1993年(マーストリヒト条約) (2) ユーロ (3) イギリス
- 2001年9月11日にアメリカで起きた事件
- 2008年に世界金融危機を引き起こした出来事
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(1) 同時多発テロ (2) リーマンショック
BRICSの5か国を答えよ。
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ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ
冷戦後の世界で「グローバル化」と「分断」が同時に進んでいるとは、どういうことか説明しなさい。
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例:貿易・金融・情報通信の発達で国境を越えた結びつきは強まった。一方で、テロ、地域紛争、米中対立、ロシアのウクライナ侵攻などにより、国どうしの対立や経済制裁も目立つようになった。
まとめ
- 冷戦後:グローバル化の進展、9.11、リーマンショック。
- EU(1993年〜)、ユーロ導入(1999年)、Brexit(2020年)。
- 新興国(BRICS)の台頭、中国がGDP世界2位に。
- 米中対立、ウクライナ侵攻、気候変動、パンデミック。
- 生成AIなどのデジタル技術も広がる。世界は グローバル化と分断が同時進行。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
BRICSが10か国に拡大(2024年)時事
教科書で覚える基本のBRICS5か国(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)に、2024年1月からエジプト・エチオピア・イラン・アラブ首長国連邦などが加わり、加盟国は約10か国に広がりました。新興国・途上国どうしが結びつきを強め、欧米中心の国際秩序とは別の枠組みをつくろうとする動きとして注目されています。
世界の避難民が過去最多の1億2000万人超時事
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、紛争や迫害で故郷を追われた人は2024年末で約1億2320万人となり、12年連続で増え過去最多になりました。ウクライナやスーダンなどの紛争が背景にあり、難民問題が一国では解決できない地球規模の課題であることを示しています。
SDGsは折り返しで「軌道に乗らず」時事
国連の『SDGs報告2024』は、2030年を期限とする17の目標について、達成に向け順調なターゲットは全体の約17%にとどまると警告しました。気候変動や紛争、資金不足が原因で、貧困や飢餓に苦しむ人がコロナ禍後に増えたことも指摘されています。
COP28で初の『化石燃料からの移行』に合意発展
2023年にドバイで開かれた気候変動の国際会議COP28では、エネルギー分野で化石燃料から移行していくことが各国の合意文書に初めて明記されました。同時にパリ協定の進捗を点検する作業が初めて行われ、世界全体ではまだ目標達成の軌道に乗っていないことも確認されました。
出典:外務省
日本のODAは世界第4位(2024年)時事
外務省によると、2024年の日本の政府開発援助(ODA)実績は約167億ドルで、アメリカ・ドイツ・イギリスに次ぐ世界第4位でした。資金協力に加え、技術や人材を通じた協力も行い、日本は1954年の国際協力開始から70年にわたり途上国の発展を支えています。
出典:外務省
南スーダンPKOで司令部要員の派遣を継続発展
日本は国連南スーダンミッション(UNMISS)に陸上自衛隊の施設部隊を派遣し、道路の整備などの活動を行いましたが、その活動は2017年に終了しました。一方で司令部要員(数名)の派遣は今も続いており、人的な国際貢献の形が、現場での施設作業から運営・調整の役割へと移ってきています。
