中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

世界の気候帯 ── 熱帯から寒帯まで

「暑い国」「寒い国」── 単純な言い方ですが、地理ではこれを 5つの気候帯で分類します。赤道に近い熱帯から、北極・南極の寒帯まで、緯度に沿ってルールがあります。今回はケッペンの気候区分による 熱帯・乾燥帯・温帯・冷帯・寒帯 の5つ+高山気候を、それぞれの特徴と暮らしを含めて一段くわしく整理します。

図でつかむ

気候帯は気温と降水量で見る 位置 自然 産業 暮らし 気候は人々の住居・衣服・農業に直結するので、生活と結びつ けて覚えます。
気候帯は気温と降水量で見る

気候は人々の住居・衣服・農業に直結するので、生活と結びつけて覚えます。

気候は緯度で決まる ── 基本ルール

地球上の気候は、第一に 緯度(赤道からの距離) で決まります。赤道近くは太陽が真上に近く、年中暑い。両極へ向かうほど寒くなる。

  • 赤道付近:太陽の熱が強く、暑くて雨が多い → 熱帯
  • 南北回帰線付近(緯度20〜30°):下降気流で雨が降りにくい → 乾燥帯
  • 中緯度(30〜60°):四季がはっきり → 温帯
  • 高緯度(50〜70°):冬が長く寒い → 冷帯(亜寒帯)
  • 極地(70°以上):年中氷雪 → 寒帯

① 熱帯 ── 1年中暑い

気候帯
熱帯(ねったい)
年中、月平均気温が 18℃以上。雨の降り方で2つに分かれる。
  • 熱帯雨林気候:年中高温多雨。ジャングル。例:アマゾン(ブラジル)、コンゴ盆地、インドネシア。
  • サバナ気候:雨季と乾季がはっきり。草原と背の低い木。例:アフリカのサバンナ、インド。
熱帯の暮らし

高床式の家(湿気・洪水対策)/焼畑農業/タロイモ・キャッサバなどイモ類が主食

② 乾燥帯 ── 雨が少ない

気候帯
乾燥帯
蒸発量が降水量を上回り、雨が少ない。砂漠化が進む地域。
  • 砂漠気候:年降水量250mm未満。例:サハラ砂漠、アラビア半島、ゴビ砂漠。
  • ステップ気候:少しだけ雨があり、丈の短い草原。例:モンゴル、中央アジア、サヘル地域。
乾燥帯の暮らし

オアシス農業(砂漠の中の水源で農業)/遊牧(ヤギ・羊・ラクダを連れて移動)/日干しレンガの家

③ 温帯 ── 四季がはっきり

気候帯
温帯
最寒月の気温が -3〜18℃、最暖月が10℃以上。四季がはっきり していて、人類の多くが住む地域。
  • 温帯湿潤気候:年中雨が降る。例:日本(東京)、アメリカ東部、中国南部。
  • 地中海性気候:夏は乾燥、冬に雨。例:地中海沿岸、カリフォルニア、南アフリカケープタウン。
  • 西岸海洋性気候:1年中穏やか、夏も冬もマイルド。例:イギリス・西ヨーロッパ。
温帯の暮らし

米・小麦・ぶどう・オリーブなどの農業/世界の人口の多くが集中/工業も発達

④ 冷帯(亜寒帯) ── 冬が長く寒い

気候帯
冷帯(亜寒帯)
最寒月の平均気温が -3℃未満、最暖月が10℃以上。北半球にしかない(南半球の同緯度には大陸がほぼない)。
  • 例:ロシア(シベリア)、北欧、カナダ、アラスカ。
  • タイガと呼ばれる針葉樹(マツ・モミ・トウヒ)の大森林が広がる。
  • 夏は短いが日が長い。冬は -40℃まで下がる地域も。
冷帯の暮らし

木造の家(タイガの木材を使う)/二重窓・二重扉で寒さ対策/じゃがいも・ライ麦などの栽培

⑤ 寒帯 ── 年中とても寒い

気候帯
寒帯
最暖月でも10℃未満。北極圏・南極大陸に分布。
  • ツンドラ気候:短い夏に地表の氷が解けてコケや地衣類が生える。例:北極圏のアラスカ・シベリア北部。
  • 氷雪気候:1年中氷に覆われる。例:南極大陸、グリーンランド内陸。
寒帯の暮らし

イヌイットの伝統的なイグルー(氷の家)/トナカイの遊牧/生肉中心の食事(ビタミン摂取)

⑥ 高山気候 ── 標高でできる気候

緯度ではなく 標高で寒くなった地域。低緯度でも、高地は涼しく住みやすい。

  • 例:アンデス山脈の高地(ペルー・ボリビア)/チベット高原/ヒマラヤ山脈の麓
  • 赤道直下の ボリビアのラパス(標高3,600m以上)は、年中春のような気候。
  • リャマ・アルパカを飼う/イモ類が主食

5つの気候帯のまとめ

気候帯 特徴 代表地
熱帯年中18℃以上アマゾン、東南アジア
乾燥帯雨が少ない、砂漠やステップサハラ、モンゴル
温帯四季がある日本、ヨーロッパ
冷帯(亜寒帯)冬が長くて寒い、タイガシベリア、カナダ
寒帯年中ほぼ凍結北極圏、南極

練習問題

問題1(気候帯の判定)
次の地域はどの気候帯か。
  1. アマゾン川流域
  2. サハラ砂漠
  3. イギリス
  4. シベリア
  5. 南極大陸
答えを見る

(1) 熱帯(熱帯雨林気候)

(2) 乾燥帯(砂漠気候)

(3) 温帯(西岸海洋性気候)

(4) 冷帯(亜寒帯)

(5) 寒帯(氷雪気候)

問題2(冷帯の偏り)
冷帯が北半球にしかない理由を答えなさい。
答えを見る

南半球の同じ緯度(南緯50°以上)には、ほとんど大陸がないから。 冷帯は陸地で成り立つ気候だが、南緯50〜70°の領域はほぼ海と南極大陸の周辺のみ。

問題3(暮らしの工夫)
熱帯と乾燥帯で見られる伝統的な家のしくみを比べなさい。
答えを見る

熱帯高床式の家(湿気・洪水・害虫から守る)

乾燥帯日干しレンガの家(熱を逃がさず、厚い壁で日射を遮る)

まとめ

  • 世界の気候帯は 熱帯/乾燥帯/温帯/冷帯(亜寒帯)/寒帯 の5つ+ 高山気候
  • 気候は 緯度でほぼ決まる。赤道→熱帯、極地→寒帯。
  • 冷帯は北半球にしかない(南半球の同緯度に陸地が少ないため)。
  • 気候は 家・服・食べ物・農業 に大きく影響する。