中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

アジア州 ── 中国・東南アジア・西アジア

アジア州は世界の人口の 約6割が暮らす最大の地域。人口が非常に多いインド、経済規模の大きい中国、製造業の集積地・東南アジア、石油資源と結びつきの深い西アジア ── 多様な顔を持っています。人口やGDP順位は変わり得るため、資料集で確認しながら 5つの地域に分けて整理します。

図でつかむ

アジアは人口と経済成長の地域 位置 自然 産業 暮らし アジアは広く多様なので、東・東南・南・西アジアに分けて考 えます。
アジアは人口と経済成長の地域

アジアは広く多様なので、東・東南・南・西アジアに分けて考えます。

アジア州の全体像

  • 面積:約 3,100万 km²(世界最大)
  • 人口:約 46億人(世界の約58%)
  • 地域区分:東アジア・東南アジア・南アジア・中央アジア・西アジア
  • 地形:ヒマラヤ山脈(世界最高峰エベレストを含む)/ゴビ砂漠長江・ガンジス川・メコン川などの大河/太平洋・インド洋に面した広い海岸線

気候 ── モンスーン(季節風)の影響

用語
モンスーン(季節風)
夏と冬で 向きが逆になる風。アジアの広い地域で、夏は海から大量の雨を運び、冬は大陸から乾いた風が吹く。稲作の発達に大きく貢献した。
モンスーンと米作り

夏:海から湿った風 → 雨が大量に降る → 米(稲)の生育に必要な水

冬:大陸から乾いた風 → 米の収穫期

結果:東〜南アジアは 世界の米の90%以上を生産

① 東アジア ── 中国・日本・韓国

  • 中国:人口は14億人規模。経済規模が大きく、沿岸部(上海・深圳など)に工業地帯が集中。一人っ子政策(1979〜2015)の影響で 少子高齢化が進行。
  • 韓国・北朝鮮:朝鮮戦争(1950〜53)以来分断状態。韓国は サムスン・ヒュンダイなどの大企業で経済発展(K-POP・韓流文化も世界的)。
  • モンゴル:内陸国。遊牧が今も生きている。
中国の地域差

沿岸部(上海・北京など):高い工業力・所得が高い

内陸部(西部):所得が低く農村が多い

この格差を縮めるため、「西部大開発」を進めている。

② 東南アジア ── ASEAN 10か国

  • 主な国:タイ・ベトナム・インドネシア・フィリピン・マレーシア・シンガポール・ミャンマー・カンボジア・ラオス・ブルネイ
  • ASEAN(東南アジア諸国連合):10か国による経済協力組織。日本企業の工場進出が多い。
  • 気候:熱帯。雨が多い。稲作が中心。
  • 近年:ベトナム・インドネシアが 「世界の工場」として急成長。スマートフォン・自動車の組立てが集中。
シンガポール
  • 東南アジア最小の国(面積約720km²、東京23区とほぼ同じ)。
  • 人口は約580万人だが、一人あたりGDPは日本を上回る経済大国。
  • 多民族国家(中国系・マレー系・インド系)。公用語は 英語・中国語・マレー語・タミル語

③ 南アジア ── インドが中心

  • インド:人口は14億人規模で、近年は世界最多とされる。ヒンドゥー教徒が多い。IT・ソフトウェア産業が成長し、バンガロールはインドのシリコンバレーと呼ばれる。
  • パキスタン・バングラデシュ:イスラム教徒が多数。インドとは長年対立。
  • スリランカ:仏教徒が多数。紅茶の名産地。
  • カースト制:ヒンドゥー教に由来するインドの身分制度。法的には廃止されたが、社会的影響は残る。

④ 中央アジア ── 旧ソ連の遺産

  • カザフスタン・ウズベキスタン・キルギス・タジキスタン・トルクメニスタンの5か国。
  • 1991年のソビエト連邦解体で独立。
  • 気候は乾燥帯。遊牧の伝統がいまも残る。
  • 天然資源(石油・天然ガス・ウラン)が豊富。

⑤ 西アジア ── 石油の宝庫

  • 主な国:サウジアラビア・イラン・イラク・トルコ・イスラエル・UAE(アラブ首長国連邦)
  • 気候:乾燥帯。砂漠地帯が広がる。
  • 石油:ペルシャ湾沿岸が世界最大の産油地。OPEC(石油輸出国機構)の中心。
  • 宗教:イスラム教徒がほとんど(イスラエルはユダヤ教徒)。
  • 聖地:メッカ(イスラム教)/エルサレム(ユダヤ・キリスト・イスラムの三宗教の聖地)。
石油から見た西アジア

世界の 確認された石油埋蔵量の大きな割合が西アジアに集中。

サウジアラビア:世界有数の 原油輸出国

UAEのドバイ:石油で得た資金を観光・金融に投資し、世界都市に変身。

アジアの主要産業

  • 農業:東〜南アジアで米(稲)。気候に合うため。
  • 工業:中国=総合的な世界の工場。東南アジア=電子機器・自動車の組立て。インド=IT・ソフトウェア。
  • 資源:西アジア=石油。中央アジア=石油・天然ガス。インドネシア=天然ガス・パーム油。

練習問題

問題1(地域区分)
次の国はアジア州のどの地域か。
  1. サウジアラビア
  2. ベトナム
  3. カザフスタン
  4. インド
  5. 韓国
答えを見る

(1) 西アジア

(2) 東南アジア

(3) 中央アジア

(4) 南アジア

(5) 東アジア

問題2(モンスーン)
夏と冬で向きが逆になる風を何というか。アジアの米作りとどう関係するか。
答えを見る

風:モンスーン(季節風)

関係:夏のモンスーンが海から大量の雨を運ぶ。これが 米(稲)の栽培に必要な水になるため、東〜南アジアで米作りが発達した。

問題3(中国の人口政策)
中国で1979〜2015年に行われた人口を抑える政策は何か。今その影響で起きている問題は?
答えを見る

政策:一人っ子政策

影響:少子高齢化の進行。近年、人口規模でインドが中国を上回ったとされる。

問題4(石油)
世界の石油埋蔵量の大きな割合が集中している地域、そこに加盟する国々が作る組織名を答えなさい。
答えを見る

地域:西アジア(ペルシャ湾沿岸)

組織:OPEC(石油輸出国機構)

まとめ

  • アジア州は世界最大の人口規模を持つ州。正確な人口は最新統計で確認。
  • 東アジア(中国・日本・韓国)・東南アジア(ASEAN10か国)・南アジア(インド)・中央アジア・西アジアの5地域。
  • モンスーン(季節風)が東・南アジアの米作りを支える。
  • 中国は経済規模が大きく、インドは近年人口が世界最多とされる。順位は資料集で確認。
  • 西アジアは 世界の石油埋蔵量の大きな割合を占める。OPECの中心。