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アフリカ州 ── モノカルチャー経済とサヘル

アフリカは54か国・約14億人。世界の人口の約18%を占めますが、いまも経済発展に苦しむ国が多くあります。直線で引かれた国境、特定の作物や資源に頼る経済、サハラ砂漠の南で進む砂漠化 ── すべてが歴史と気候に深く関わっています。今回はアフリカ州を、地形・植民地の歴史・モノカルチャー経済・現在の課題まで一段くわしく整理します。

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アフリカは自然・資源・開発課題を結びつける 位置 自然 産業 暮らし 気候帯の広がりと資源、人口増加を合わせて見ると特色がつか めます。
アフリカは自然・資源・開発課題を結びつける

気候帯の広がりと資源、人口増加を合わせて見ると特色がつかめます。

アフリカ州の全体像

  • 面積:約 3,000万 km²(世界2番目の大陸)
  • 人口:約 14億人(急増中)
  • 国数:54か国
  • 地形:北部に サハラ砂漠(世界最大)、東部に 大地溝帯キリマンジャロ山、中央に コンゴ盆地のジャングル、ナイル川・ナイジェル川・コンゴ川などの大河

気候 ── 赤道を中心に左右対称

アフリカは赤道を中心に上下に広がる大陸。気候帯も赤道を中心に 南北で対称になっています。

  • 赤道直下:熱帯雨林気候(コンゴ盆地)
  • その南北:サバナ気候(草原と背の低い木)
  • さらに外側:ステップ気候(短草)
  • 北部・南西部:砂漠気候(サハラ・カラハリ)
  • 地中海沿岸・南端:地中海性気候

サヘル ── サハラ砂漠の南縁で進む砂漠化

用語
サヘル
サハラ砂漠の 南縁に広がるステップ気候の帯状地域。雨季と乾季があり、もともと牧畜と簡単な農業が行われていた。砂漠化が深刻に進行中。
サヘルの砂漠化の原因
  • 人口増加で 過放牧(家畜を増やしすぎて草を食い尽くす)
  • 薪用に木を切りすぎる(燃料として)
  • 地球温暖化による降水量減少
  • 結果:土地が乾き、サハラ砂漠が 南へ拡大している

植民地時代と直線国境

19世紀末、ヨーロッパの国々がアフリカを 植民地として分割しました。1884〜85年のベルリン会議で「先に占領した国がそこを取る」というルールが決まり、地図上に 定規で線を引くように分割されました。

直線国境がもたらした問題
  • 同じ民族・部族が 2つの国に分断される。
  • 仲の悪い民族が 同じ国の中に押し込められる。
  • 独立後の民族対立・内戦の原因に(ルワンダ虐殺・スーダン分裂など)。

独立 ── 1960年は「アフリカの年」

第二次世界大戦後、アフリカ諸国は次々と独立しました。1960年には17か国が一度に独立し、「アフリカの年」と呼ばれます。1990年代までにほぼ全ての国が独立を果たしました。

モノカルチャー経済 ── 1つの産物に頼る

用語
モノカルチャー経済
国の 輸出を1つか2つの作物・資源に頼る経済。「モノ」=1つ「カルチャー」=栽培。植民地時代に 宗主国が必要なものだけを作らせた 名残。
主な国の輸出

コートジボワールカカオ豆

ケニア

ナイジェリア原油(石油)

ザンビア

南アフリカ金・ダイヤモンド・プラチナ

モノカルチャー経済の弱さ
  • 市場価格が下がると、国全体の収入が激減する。
  • 不作・干ばつ・病気で生産量が落ちると、経済が大打撃を受ける。
  • 近年は、AU(アフリカ連合)などで多角化を目指す動きがある。

主要国の特徴

  • エジプト(首都カイロ):ナイル川流域に文明発祥。アスワンハイダムで治水。観光(ピラミッド)。
  • ナイジェリア(首都アブジャ):アフリカ最大の人口(約2.2億人)と経済規模。原油輸出。
  • 南アフリカ共和国(行政首都プレトリア):金・ダイヤモンドの宝庫。アパルトヘイト(人種隔離政策)を1994年に廃止。
  • ケニア(首都ナイロビ):サバンナの観光(サファリ)。茶・コーヒー栽培。
  • エチオピア(首都アディスアベバ):コーヒーの原産地。AU本部所在地。

アフリカの課題

  • 貧困と飢餓:サヘル地域・東アフリカ・南スーダン
  • 急激な人口増加:2050年には世界人口の25%がアフリカに住む見込み
  • 感染症:マラリア・HIV・エボラ
  • 砂漠化:植林事業(「グレートグリーンウォール」計画)で対応中
  • 政治不安:内戦・クーデター・独裁政権

明るい兆し

  • 携帯電話の急普及:固定電話を飛ばしてスマホ社会へ。送金サービス「M-PESA」がケニア発で世界に。
  • 若い人口:中位年齢が約19歳。労働力として大きな可能性。
  • 中国・インドの投資:道路・鉄道・港湾の建設が進む。

練習問題

問題1(地形)
アフリカ北部にある世界最大の砂漠と、その南縁の地域名を答えなさい。
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砂漠:サハラ砂漠

南縁:サヘル

問題2(直線国境)
アフリカの国境に直線が多い理由と、それが今もたらしている問題を答えなさい。
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理由:19世紀末にヨーロッパ諸国が植民地として分割した際、現地の民族・部族の境を無視して定規で線を引いたから。

問題:同じ民族が分断され、仲の悪い民族が同じ国に押し込められた結果、独立後の民族対立や内戦の原因になった。

問題3(モノカルチャー)
モノカルチャー経済とは何か、また弱点を答えなさい。
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1〜2種類の作物や資源の輸出に国の経済が依存している状態。植民地時代の名残。

弱点:市場価格の変動や不作で、国の収入が一気に減るリスクがある

問題4(アフリカの年)
「アフリカの年」と呼ばれるのは何年か。理由は?
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1960年。この年に 17か国が一度に独立を果たしたから。

まとめ

  • アフリカは54か国・約14億人。赤道を中心に対称に気候帯が分布。
  • サハラ砂漠の南縁 サヘルで砂漠化が進行(過放牧・伐採・温暖化)。
  • 植民地時代の 直線国境が、民族対立・内戦の根源となっている。
  • 1960年がアフリカの年。17か国が一度に独立。
  • 多くの国が モノカルチャー経済に依存。1つの作物・資源に頼り、市場変動に弱い。
  • 人口急増・若い世代の多さ・スマホの普及など、伸びしろも大きい。