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植民地分割から独立までの流れと、いまも残る2つの問題を1本の線でつないだ図です。直線国境もモノカルチャー経済も、出発点は同じベルリン会議にあります。
アフリカ州の全体像
- 面積:約 3,000万 km²(世界2番目の大陸)
- 人口:約 14億人(急増中)
- 国数:54か国
- 地形:北部に サハラ砂漠(世界最大)、東部に 大地溝帯と キリマンジャロ山、中央に コンゴ盆地のジャングル、ナイル川・ニジェール川・コンゴ川などの大河
気候 ── 赤道を中心に左右対称
アフリカは赤道を中心に上下に広がる大陸。気候帯も赤道を中心に 南北で対称になっています。
- 赤道直下:熱帯雨林気候(コンゴ盆地)
- その南北:サバナ気候(草原と背の低い木)
- さらに外側:ステップ気候(短草)
- 北部・南西部:砂漠気候(サハラ・カラハリ)
- 地中海沿岸・南端:地中海性気候
サヘル ── サハラ砂漠の南縁で進む砂漠化
- 人口増加で 過放牧(家畜を増やしすぎて草を食い尽くす)
- 薪用に木を切りすぎる(燃料として)
- 地球温暖化による降水量減少
- 結果:土地が乾き、サハラ砂漠が 南へ拡大している
植民地時代と直線国境
19世紀末、ヨーロッパの国々がアフリカを 植民地として分割しました。1884〜85年のベルリン会議で「先に占領した国がそこを取る」というルールが決まり、地図上に 定規で線を引くように分割されました。多くの国では独立後も、宗主国だった国の言語(英語・フランス語・ポルトガル語など)が公用語として使われ続けている。
- 同じ民族・部族が 2つの国に分断される。
- 仲の悪い民族が 同じ国の中に押し込められる。
- 独立後の民族対立・内戦の原因に(ルワンダ虐殺・スーダン分裂など)。
独立 ── 1960年は「アフリカの年」
第二次世界大戦後、アフリカ諸国は次々と独立しました。1960年には17か国が一度に独立し、「アフリカの年」と呼ばれます。1990年代までにほぼ全ての国が独立を果たしました。
モノカルチャー経済 ── 1つの産物に頼る
コートジボワールカカオ豆
ケニア茶
ナイジェリア原油(石油)
ザンビア銅
南アフリカ金・ダイヤモンド・プラチナ
コンゴ民主共和国コバルトなどのレアメタル
近年は、スマートフォンや電気自動車のバッテリーに欠かせないレアメタル(希少金属)にも注目が集まっている。コンゴ民主共和国は世界のコバルト産出量の多くを占めており、新しいモノカルチャー的な輸出品になりつつある。
- 市場価格が下がると、国全体の収入が激減する。
- 不作・干ばつ・病気で生産量が落ちると、経済が大打撃を受ける。
- 近年は、AU(アフリカ連合)などで多角化を目指す動きがある。
主要国の特徴
- エジプト(首都カイロ):ナイル川流域に文明発祥。アスワンハイダムで治水。観光(ピラミッド)。
- ナイジェリア(首都アブジャ):アフリカ最大の人口(約2.2億人)と経済規模。原油輸出。
- 南アフリカ共和国(行政首都プレトリア):金・ダイヤモンドの宝庫。アパルトヘイト(人種隔離政策)を1994年に廃止。
- ケニア(首都ナイロビ):サバンナの観光(サファリ)。茶・コーヒー栽培。
- エチオピア(首都アディスアベバ):コーヒーの原産地。AU本部所在地。
アフリカの課題
- 貧困と飢餓:サヘル地域・東アフリカ・南スーダン
- 急激な人口増加:2050年には世界人口の25%がアフリカに住む見込み
- 感染症:マラリア・HIV・エボラ
- 砂漠化:植林事業(「グレートグリーンウォール」計画)で対応中
- 政治不安:内戦・クーデター・独裁政権
- 都市化とスラム:農村からの人口流入で、ラゴス(ナイジェリア)などの大都市が急速に膨張し、低所得者が密集するスラムが広がっている。
明るい兆し
- 携帯電話の急普及:固定電話を飛ばしてスマホ社会へ。送金サービス「M-PESA」がケニア発で世界に。
- 若い人口:中位年齢が約19歳。労働力として大きな可能性。
- 中国・インドの投資:道路・鉄道・港湾の建設が進む。
- NGOの支援:教育・医療の分野で活動する国際NGOに加え、生産者に適正な価格を保証するフェアトレードの取り組みも広がっている。
この章でつまずきやすいところ
アフリカ州の本文は、気候帯・植民地の歴史・モノカルチャー経済・サヘルなど要素が一気に出てくるので、読んでいる途中で位置や因果が混ざりやすい単元です。ここでは本文を追っている最中によく起きる迷いを4つ整理します。
アフリカ全体を砂漠だと思い込んでしまう
- つまずく場面:本文で「サハラ砂漠」「砂漠化」という語が続けて出てくるため、地図を見るときにアフリカ全体が乾いた大陸だと感じてしまい、コンゴ盆地の熱帯雨林やサバナの位置をうまく置けなくなる。
- 克服のコツ:位置関係で押さえると整理しやすいです。赤道を中心に南北で対称に気候帯が並び、赤道直下が熱帯雨林、その外側にサバナ、さらに乾燥するとステップ・砂漠が分布し、大陸の北縁と南西端には地中海性気候が見られる、という大きな配置で外へ広がります。
- ミニ例:コンゴ盆地は赤道直下の熱帯雨林、サハラは北側の砂漠帯、カラハリは南西側の砂漠帯と、赤道からの距離で並べると位置が混ざりません。
サヘルをサハラ砂漠そのものだと思い込んでしまう
- つまずく場面:「サヘル」と「サハラ」が字面も近く、本文で砂漠化の話題と一緒に出てくるため、サヘル=砂漠の真ん中と読み違えてしまい、過放牧や薪の伐採がなぜ問題になるのかが結びつかなくなる。
- 克服のコツ:位置関係で区別します。サハラは大陸北部の砂漠そのもの、サヘルはその南縁に帯状に広がるステップ気候の地域です。もともと牧畜や簡単な農業が行われていた半乾燥地で、そこが乾いて砂漠化が進む、という順序で読みます。
- ミニ例:本文では「過放牧」「薪用の伐採」「干ばつなど気候の変動」が原因に挙げられます。これはもともと植生があった土地=サヘルだから起きる現象だ、と押さえます。
直線的な国境を自然に決まったものと読み流してしまう
- つまずく場面:地図で国境の直線部分を見たとき、川や山と同じ感覚で「自然の境界」と読み流してしまい、独立後の民族対立や内戦が本文に出てきても、国境の話と結びつかなくなる。
- 克服のコツ:因果関係でつなぎます。19世紀末の植民地分割で、欧州諸国が緯線・経線などにそって機械的に国境を引いた結果、民族・部族の境を無視→独立後に同じ民族が分断、仲の悪い民族が同じ国に同居→対立や内戦の要因、という流れで整理します。
- ミニ例:本文では、独立後も民族対立や内戦が続く国があると説明されます。教科書では植民地時代の国境の引き方が現代の課題につながっていると整理されています。
資源が豊富なら経済も安定すると思い込んでしまう
- つまずく場面:ナイジェリアの原油、ザンビアの銅、南アフリカの金やダイヤモンドなど、資源国の例が並ぶ場面で、資源が多い=豊か、と読んでしまい、そのあとに出てくる「収入が激減する」という説明と矛盾して感じる。
- 克服のコツ:因果関係で読み解きます。植民地時代に宗主国が必要な作物や資源を中心に作らせた名残で、特定の農産物や鉱産資源の輸出に依存する状態(モノカルチャー経済)になり、その品目の市場価格や生産量が下がると国全体の収入が一気に落ちる、という弱さが残ります。
- ミニ例:カカオ豆や原油など、特定の品目に輸出が偏ってきた国が多く、結果として価格変動の影響を受けやすい、と教科書では整理されます。
練習問題
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砂漠:サハラ砂漠
南縁:サヘル
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理由:19世紀末にヨーロッパ諸国が植民地として分割した際、現地の民族・部族の境を無視して定規で線を引いたから。
問題:同じ民族が分断され、仲の悪い民族が同じ国に押し込められた結果、独立後の民族対立や内戦の原因になった。
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1〜2種類の作物や資源の輸出に国の経済が依存している状態。植民地時代の名残。
弱点:市場価格の変動や不作で、国の収入が一気に減るリスクがある。
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1960年。この年に 17か国が一度に独立を果たしたから。
まとめ
- アフリカは54か国・約14億人。赤道を中心に対称に気候帯が分布。
- サハラ砂漠の南縁 サヘルで砂漠化が進行(過放牧・伐採・温暖化)。
- 植民地時代の 直線国境が、民族対立・内戦の根源となっている。
- 1960年がアフリカの年。17か国が一度に独立。
- 多くの国が モノカルチャー経済に依存。1つの作物・資源に頼り、市場変動に弱い。
- 人口急増・若い世代の多さ・スマホの普及など、伸びしろも大きい。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
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出典:外務省
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2050年、世界の4人に1人がアフリカの人々に発展
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出典:国連広報センター
