中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

副詞・連体詞 ── 修飾だけする品詞

ゆっくり歩く」「この本」── 主語にも述語にもならず、ひたすら他の言葉を くわしくする だけの品詞があります。それが 副詞連体詞。どちらも活用しません。違いは 修飾する相手です。さらに副詞には3つのタイプがあり、特に 呼応の副詞 はテストの定番。今回はそこまで一段くわしく整理します。

副詞と連体詞 ── 似ているが相手が違う

  • 副詞:用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾する。連用修飾語になる。
  • 連体詞:体言(名詞)を修飾する。連体修飾語になる。
  • 両方とも 活用しない自立語。主語にも述語にもならない。

副詞 ── 用言をくわしくする

用語
副詞
用言(動詞・形容詞・形容動詞)や他の副詞を修飾する自立語。活用しない。「どのように」「どのくらい」を表すことが多い。
副詞の例

ゆっくり歩く ── 動詞「歩く」を修飾

とても美しい ── 形容詞「美しい」を修飾

たいへん静かだ ── 形容動詞「静かだ」を修飾

もっとゆっくり ── 副詞「ゆっくり」を修飾

副詞の3分類

  1. 状態の副詞:「どのように」を表す。ようすや動作の様子。
    例:ゆっくり・じっと・はっきり・もう・すぐ
  2. 程度の副詞:「どのくらい」を表す。
    例:とても・たいへん・もっと・少し・かなり
  3. 呼応の副詞(陳述の副詞):決まった言い方を後ろに 呼び寄せる
    例:決して〜ない/たぶん〜だろう/もし〜なら

呼応の副詞 ── テストの定番

呼応の副詞は、「文末がどう終わるか」 をあらかじめ決めてしまうのが特徴。穴埋め問題で頻出です。

覚える
代表的な呼応の副詞
  • 決して〜ない(打消し)
  • もし〜たら/なら(仮定)
  • たとえ〜ても(仮定・逆接)
  • たぶん/きっと〜だろう(推量)
  • まるで〜ようだ(比喩)
  • なぜ/どうして〜か(疑問)
  • まさか〜ない/〜まい(打消・推量)
  • ぜひ〜たい/〜てください(願望・依頼)
穴埋め問題の例

問:(  )忘れない。── 「決して」

問:(  )雨が降っても行く。── 「たとえ」

問:(  )明日は晴れるだろう。── 「たぶん/きっと」

連体詞 ── 体言(名詞)だけをくわしくする

用語
連体詞
体言(名詞)を修飾する自立語。活用しない。連体修飾語にしかなれない。例「この・その・あの・どの」「大きな・小さな」「あらゆる」「いわゆる」。
連体詞の主な仲間

「〜の」型この・その・あの・どの

「〜な」型大きな・小さな・おかしな・いろんな

「〜る/〜ろ」型ある(あの人)・あらゆる・いわゆる

「〜だ/〜た」型たいした(人物)・とんだ(災難)

連体詞と形容詞・形容動詞・代名詞の見分け

連体詞は活用しません。これがすべての見分けの根拠です。

① 「大きな」(連体詞) vs 「大きい」(形容詞)
  • 「大きな」は活用しない(×大きなかった)── 連体詞
  • 「大きい」は活用する(○大きかった)── 形容詞
② 「この」(連体詞) vs 「これ」(代名詞)
  • この本」── 「この」だけでは主語にならない。「本」を修飾するだけ → 連体詞
  • これは本だ」── 「これ」が主語になる → 代名詞
③ 「あらゆる」「いわゆる」
  • 動詞のように見えるが、活用しない。「あらゆる人」「いわゆる秀才」のように 名詞を修飾する形のみ

副詞 vs 連体詞 ── 修飾先で見分ける

判定例

ゆっくり歩く」 ── 修飾先=動詞「歩く」 → 副詞

この本」 ── 修飾先=名詞「本」 → 連体詞

とても静かだ」 ── 修飾先=形容動詞「静かだ」 → 副詞

大きな家」 ── 修飾先=名詞「家」 → 連体詞

教科書で確認した修飾語の分け方

  • 副詞は用言を修飾し、連体詞は体言を修飾する。
  • 副詞には状態・程度・呼応の働きがある。特に呼応は文末表現とセットで出る。
  • 連体詞は活用しない。「大きな」「この」「ある」などは後ろに名詞を必要とする。
つまずき:「ある」の判定
  • 「ある日」の「ある」は連体詞。
  • 「机がある」の「ある」は存在を表す動詞。

練習問題

問題1(副詞の種類)
下線部の副詞は3分類のどれか答えなさい。
  1. とてもうれしい。
  2. たぶん明日は晴れるだろう。
  3. ゆっくり歩く。
  4. 決して負けない。
答えを見る

(1) 程度の副詞

(2) 呼応の副詞(〜だろう)

(3) 状態の副詞

(4) 呼応の副詞(〜ない)

問題2(呼応の穴埋め)
空欄に入る呼応の副詞を答えなさい。
  1. (  )失敗してもあきらめない。
  2. (  )明日は雨だろう。
  3. (  )雪が降っても出かけたい。
  4. (  )あなたに会えないとは思わなかった。
答えを見る

(1) たとえ(〜ても)

(2) たぶん/きっと(〜だろう)

(3) たとえ/もし(〜ても)

(4) まさか(〜とは思わない)

問題3(副詞か連体詞か)
下線部の品詞を答えなさい。
  1. 大きな
  2. 大きく育つ
  3. あらゆる方法
  4. はっきり言う
答えを見る

(1) 連体詞(「家」を修飾、活用なし)

(2) 形容詞「大きい」の連用形(「育つ」を修飾。活用する)

(3) 連体詞(「方法」を修飾、活用なし)

(4) 副詞(「言う」を修飾)

まとめ

  • 副詞も連体詞も 活用しない自立語で、修飾語にしかならない。
  • 副詞は用言を修飾、連体詞は体言(名詞)を修飾。
  • 副詞は 状態・程度・呼応 の3種類。
  • 呼応の副詞はテスト頻出。「決して〜ない」「もし〜たら」「たとえ〜ても」「まさか〜まい」を暗記する。
  • 連体詞「大きな」と形容詞「大きい」、連体詞「この」と代名詞「これ」を混同しない。