1次式 × 数:分配法則を使う
a × (b + c) = ab + ac
1章の分配法則をそのまま文字式に適用。カッコの中の各項に1つずつ外の数をかける。
例題
例1:4(x + 5) = 4×x + 4×5 = 4x + 20
例2:5(2a − 3) = 5×2a − 5×3 = 10a − 15
例3:−2(x + 7) = −2×x + (−2)×7 = −2x − 14
例4:−3(2y − 4) = (−3)×2y + (−3)×(−4) = −6y + 12
- 外の数が負の数のとき、カッコ内すべての符号が反転すると覚えてもよい。
- 例:−3(2y − 4) = −6y + 12 ← 2y は −6y、 −4 は +12 になる。
- カッコのはずし方(前回)の「−( ) は符号反転」と同じロジック。
1次式 × 数:かける数が後ろにある場合
(x + 5) × 3 のように、数がカッコの後ろにあっても、ルールは同じ(交換法則)。
例:(2a − 3) × 5 = 5(2a − 3) = 10a − 15
1次式 ÷ 数:逆数の乗法に直す
(6x − 9) ÷ 3 のような割り算は、1章のルール「割る = 逆数をかける」を使ってかけ算に変身させます。
(2a + 6) ÷ 2 = (2a + 6) × (1/2)
分配法則で各項に 1/2 をかける = 各項を 2 で割る、と考えてもよい。
= (6x − 9) × (1/3)
= 6x×(1/3) − 9×(1/3)
= 2x − 3 (各項を3で割っただけ)
= (8a)/4 + 12/4 = 2a + 3
= (10x)/(−5) + (−5)/(−5)
= −2x + 1 = −2x + 1 (負の数で割ると符号が逆転)
分数係数の式 × 数
係数が分数のときも、分配法則は同じ。
= 6×(1/2)x − 6×(1/3)
= 3x − 2 = 3x − 2
* 分母を払うように外の数を選ぶと、分数を整数にできる。3章の方程式で頻出のテクニック。
計算の混合
加法・減法と乗法・除法が混ざった式は、カッコをはずして同類項をまとめるの流れで。
分配法則でカッコをはずす
= 6x − 3 − 2x − 8
同類項をまとめる
= (6x − 2x) + (−3 − 8)
= 4x − 11
この章でつまずきやすいところ
1次式に数をかけたり割ったりする計算は、分配法則と逆数という1章の道具をそのまま使うのが核心です。けれど解いている途中、「外の数を全部にかけたっけ?」「マイナスの符号はどう動く?」と手が止まりがちです。よく出る迷いの場面を、見分け方の視点で整理します。
外の数を最初の項にだけかけて止まってしまう
- つまずく場面:3(x + 2) を見て、まず 3×x = 3x と書いた瞬間、「あれ、+2 はどうするんだっけ?」と手が止まり、3x + 2 のままにしてしまう場面。外の数とカッコ内の最初の項だけが結びついて見えてしまう迷いです。
- 克服のコツ:位置関係で見分けるのがコツです。外の数は「カッコの中のすべての項に同じだけ届く」とイメージし、項の数だけ矢印を引いてからかけ算を始めると抜けません。項が2つなら矢印も2本、3つなら3本、と本数を先に決めてから書くのが安全です。
- ミニ例:3(x + 2) なら、まず 3→x と 3→+2 の2本の矢印を引く。そこから 3×x + 3×2 = 3x + 6 と進めれば、+2 を置き忘れません。
割り算は最初の項だけ割ればよいと思い込んでしまう
- つまずく場面:(6x + 3) ÷ 3 を見て、(6x)÷3 = 2x までは出るものの、「あとの +3 はそのままでいいかな」と迷い、2x + 3 と書きたくなる場面。割り算だと外の数が「届く」感覚が薄れて、最初の項だけで満足してしまう迷いです。
- 克服のコツ:因果関係で整理します。÷3 は ×(1/3) と書き直せる、と本文で学んだ通り、いったん逆数のかけ算に変身させると、自動的に「全項にかける」分配法則の形になります。割り算のままだと忘れがちな項も、かけ算に直せば矢印が引きやすくなります。
- ミニ例:(6x + 3) ÷ 3 を (6x + 3) × (1/3) に直す。すると 6x×(1/3) + 3×(1/3) = 2x + 1 となり、+3 を割り忘れることがありません。
外の数がマイナスのとき、符号を一部だけ反転してしまう
- つまずく場面:−2(x − 5) を解こうとして、−2×x = −2x までは書けたのに、「カッコの中の −5 にマイナスをかけると、結局プラスとマイナスのどっちだっけ」と迷い、−2x − 10 と書きたくなる場面。符号が二重に絡む瞬間に手が止まります。
- 克服のコツ:見分け方として、外の数の符号を「カッコ内の各項の符号と、毎回かけ合わせる」と決めておきます。外が負で項も負なら正、外が負で項が正なら負、というルールを項ごとに1回ずつ適用するのが安全です。一気に頭の中で処理せず、項ごとに分けて書くのがコツです。
- ミニ例:−2(x − 5) は (−2)×x + (−2)×(−5) と並べて書くと、−2x + 10 と落ち着いて出せます。「マイナス×マイナス=プラス」を項単位で確認するのがポイントです。
カッコをはずした後の同類項整理を後回しにしてしまう
- つまずく場面:3(2x − 1) − 2(x + 4) のような混合式で、分配法則は終わって 6x − 3 − 2x − 8 まで書けたのに、「ここからどう並べ直せばよかったか」と止まり、答えに 6x − 2x をそのまま残してしまう場面。前半で力尽きて整理が抜ける迷いです。
- 克服のコツ:時系列で整理します。手順は「① カッコをはずす → ② 文字の項どうし、数の項どうしを集める → ③ 同類項をまとめる」の三段。①で終わらせず、必ず②と③まで進めると決めておきます。文字と数を色分けして印を付けると、まとめ忘れが減ります。
- ミニ例:3(2x − 1) − 2(x + 4) は、まず 6x − 3 − 2x − 8、次に (6x − 2x) + (−3 − 8) と並べ替え、最後に 4x − 11 までを一気通貫で書くと安心です。
練習問題
- 3(x + 4)
- 5(2a − 1)
- −2(y + 7)
- −4(3x − 2)
答えを見る
(1) 3x + 12
(2) 10a − 5
(3) −2y − 14
(4) −12x + 8
- (8x + 12) ÷ 4
- (15a − 10) ÷ 5
- (6x − 9) ÷ (−3)
答えを見る
(1) (8x)/4 + 12/4 = 2x + 3
(2) (15a)/5 − 10/5 = 3a − 2
(3) (6x)/(−3) − 9/(−3) = −2x + 3
- 2(x + 3) + 5(x − 1)
- 4(3a − 2) − 3(a + 1)
答えを見る
(1) 2x+6+5x−5 = (2x+5x)+(6−5) = 7x + 1
(2) 12a−8−3a−3 = (12a−3a)+(−8−3) = 9a − 11
まとめ
- 1次式 × 数:分配法則で、カッコの中の各項に外の数をかける。
- 外の数が負の数のときは すべての項の符号が反転する。
- 1次式 ÷ 数:各項を割る数で割る(または逆数をかける)。
- 加減と乗除が混ざった式:カッコをはずす → 同類項をまとめるの流れで。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
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