同類項(どうるいこう)とは
例:3x と 5x は同類項(どちらも文字 x)。
2a と −7a は同類項(どちらも文字 a)。
3x と 5y は同類項では ない(文字が違う)。
定数項どうし(5 と −3 など)も同類項。
同類項をまとめるルール
文字部分は同じなので、係数だけ足し引きすればOK。文字部分はそのまま残す。
- 3x + 5x = (3+5)x = 8x
- 7a − 4a = (7−4)a = 3a
- −2y + 9y = (−2+9)y = 7y
- x + x = (1+1)x = 2x ← 係数は1
まとまらないペアもある
文字が違うと同類項ではないので、そのままにする。
- 3x + 5y = 3x + 5y(これ以上まとめられない)
- 2a − 4b = 2a − 4b(同上)
- ×:3x + 5y = 8xy (NG。文字が違うものは合わさらない)
- ×:2a + 3b = 5ab (NG。同様)
- ○:そのまま残す ── 3x + 5y、2a + 3b。
同類項を見つけて、それぞれまとめる
文字付きの項と定数項が混ざっていても、同類項どうしでグループ化するだけ。
x の項どうし、定数項どうしをグループ化
= (3x + 5x) + (4 − 9)
= 8x + (−5)
= 8x − 5
a の項どうし、b の項どうしをグループ化
= (4a + a) + (−2b + 3b)
= 5a + b
= 5a + b (同類項は分けて残す)
カッコのある加減
1次式の足し算・引き算では、カッコをはずすルールも重要です。
- +( ):中身はそのまま 例:+(3x − 5) = 3x − 5
- −( ):中身の符号をすべて反対に 例:−(3x − 5) = −3x + 5
+( ) はそのままはずす
= 3x + 4 + 2x − 7
= (3x + 2x) + (4 − 7)
= 5x − 3
−( ) は中身の符号をすべて反転(3x → −3x、−4 → +4)
= 5x + 2 − 3x + 4
= (5x − 3x) + (2 + 4)
= 2x + 6
- ×:(5x + 2) − (3x − 4) = 5x + 2 − 3x − 4 ← 「− (3x − 4)」を「− 3x − 4」と書く間違い。後ろの −4 まで引いてはダメ。
- ○:「− 3x + 4」と書く(−が中身全部にかかる)。
この章でつまずきやすいところ
1次式の計算は、係数の足し引きだけで済むように見えて、文字の有無やカッコ前のマイナスで手が止まる場面が多い単元です。式を読み進める途中で起きやすい迷いを、先回りで整理しておきましょう。
「2x+3」を一つにまとめられると思い込んでしまう
- つまずく場面:「2x+3を計算しなさい」と読んだ瞬間、つい足したくなって5xや5と書きそうになる場面。xの項と定数項が並んでいると、見た目で一つに合わせたくなる迷いです。
- 克服のコツ:見分け方で整理します。まず「文字部分が完全に同じか」を確認し、同じ項どうしだけまとめます。2xと3は文字の有無が違うので同類項ではない。これ以上計算できず、2x+3のまま答えになる、と覚えておきます。
- ミニ例:2x+3 → そのまま2x+3。一方で2x+5xなら文字部分が同じxなので7xにできる。「文字が同じか」で線を引くのがコツ。
−(3x−1)の符号反転を中身全部に効かせ忘れる
- つまずく場面:(5x+2)−(3x−1)を解く途中、前のマイナスを3xにだけ効かせて「5x+2−3x−1」と書きそうになる場面。後ろの−1まで反転させるかどうかで手が止まる迷いです。
- 克服のコツ:位置関係で整理します。−( )のマイナスはカッコ内の全項にかかると決めます。3xも−1も両方とも符号が反転して、−3xと+1になります。「カッコの中の項を一つずつ反転」と声に出して確認するのが安全です。
- ミニ例:−(3x−1) → 中の3xは−3x、−1は+1。つなげると−3x+1。後ろの項まで必ず反転させる。
3xと5yを「文字があるから同類項」と誤って合わせてしまう
- つまずく場面:3x+5yを見たとき「どちらも文字がある=同類項」と感じて、8xyや8(x+y)とまとめたくなる場面。文字の種類まで一致が必要、というルールを忘れがちな迷いです。
- 克服のコツ:見分け方で整理します。同類項の条件は「文字の種類も指数も同じ」こと。xとyのように文字が違えば合わせられず、そのまま残します。「文字が違えば別の仲間」とイメージし、xの列とyの列を別グループに分けて書くのがコツです。
- ミニ例:3x+5y → そのまま3x+5y。一方で2a+3aなら文字が一致しているので5aにできる。文字違いはくっつかない。
xの係数を見えない「1」と認識し損ねる
- つまずく場面:x+4x−2xを計算する途中、最初のxの係数が書かれていないので、(0+4−2)xと数えてしまったり、xだけ仲間外れに見えてしまう場面。係数1の省略に戸惑う迷いです。
- 克服のコツ:見分け方で整理します。文字の前に数字が書かれていないxは係数1、−xは係数−1と読み替えます。式を読む途中で、頭の中でxを1xに書き直してから係数だけ足し引きすると、数え間違いが減ります。
- ミニ例:x+4x−2x → (1+4−2)x=3x。−xが出てきたときも係数−1として扱う。省略された1を見える化するのがコツ。
練習問題
- 3x + 7x
- 9a − 5a
- −2y + 8y
- x + 4x − 2x
答えを見る
(1) (3+7)x = 10x
(2) (9−5)a = 4a
(3) (−2+8)y = 6y
(4) (1+4−2)x = 3x
- 2x + 5 + 4x − 3
- 7a − 4 − 2a + 9
- 3x + 2y + 5x − y
答えを見る
(1) (2x+4x)+(5−3) = 6x + 2
(2) (7a−2a)+(−4+9) = 5a + 5
(3) (3x+5x)+(2y−y) = 8x + y
- (2x + 3) + (4x − 5)
- (7a − 4) − (3a + 2)
- (x + y) − (2x − y)
答えを見る
(1) 2x+3+4x−5 = (2x+4x)+(3−5) = 6x − 2
(2) 7a−4−3a−2 = (7a−3a)+(−4−2) = 4a − 6
(3) x+y−2x+y = (x−2x)+(y+y) = −x + 2y
まとめ
- 同類項=文字の部分が同じ項。係数だけを足し引きしてまとめる。
- 違う文字どうし(3x と 5y など)は 合わさらない。そのまま残す。
- カッコのはずし方:+( )はそのまま、−( )は中身の符号をすべて反転。
- 計算の流れ:①カッコをはずす ②同類項どうしをグループ化 ③係数を計算。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
「文字を使う」を広めたヴィエト発展
3x や 5a のように数の代わりに文字を使う計算は、最初からあったわけではありません。フランスのヴィエト(1540〜1603)が、わかっている数まで文字(記号)で表す方法を初めて整え、「代数学の父」と呼ばれています。だから同類項をまとめる計算も、こうした記号化の歴史の上に成り立っています。
文字がなかった時代の「未知の数」発展
x のような文字がまだなかった約3600年前の古代エジプトでも、「わからない数」を求める計算は行われていました。書記アーメスが写したリンド数学パピルス(紀元前1650年ごろ)には、文字ではなく言葉で書かれた方程式が残っています。今みなさんが x や a を使ってスッキリ整理できるのは、とても便利な進歩なのです。
記号で書くと「考えやすくなる」理由発展
数学の記号は16世紀末ごろに、ヴィエトらの工夫で今の書き方に近づきました。3x+2x=5x のように記号でまとめて書けると、言葉だけで説明するより計算の見通しが立ちやすくなります。同類項をまとめる作業も、この「記号で考える」という数学の大きな発明の一部です。
出典:ウィキペディア「数学史」
表計算ソフトのセルは「文字式」とそっくり実生活
ExcelやスプレッドシートなどではセルにA1+B1のような数式を入れると、自動で計算してくれます。1つの式を作って下の行へコピーすると、参照するセルが相対的にずれて同じ計算がくり返されます。これは1次式という「数の入れ物つきの計算ルール」を、コンピュータで何度も使っているのと同じ考え方です。
