比とは:2つの数の関係
例:a と b の比は a : b(読み方は「aたいb」)
意味:a と b がどれくらいの割合で並んでいるか。
例:男子15人、女子10人の比は 15 : 10 = 3 : 2(最簡比に直す)
比の値(ひのあたい)
比 a:b は、分数 a/bと同じ意味。これを 比の値といいます。
- 2:3 の比の値 = 2/3
- 5:10 の比の値 = 5/10 = 1/2
- 3:2 の比の値 = 3/2
2つの比が等しいかどうかは、比の値が等しいかどうかで判定できます。
比例式とは
例:2 : 3 = 4 : 6 (読み方:「2たい3 = 4たい6」)
a : b = c : d
比例式の性質:外項の積 = 内項の積
a : b = c : d ⇔ a × d = b × c
2つの比が等しいなら、外側どうしの積(a × d)と 内側どうしの積(b × c)が等しい。これを使えば、未知数を含む比例式が解ける。
なぜそうなる? ── 比の値が等しいということは a/b = c/d。両辺に bd をかけると ad = bc になります。
比例式を解く
比例式の中に未知数 x があれば、外項の積=内項の積で方程式に変換し、解きます。
外項の積 = 内項の積:x × 8 = 4 × 6
8x = 24
x = 3
3 × 10 = x × 2
30 = 2x → x = 15
3(x + 1) = 12
3x + 3 = 12 → 3x = 9 → x = 3
身近な例で考える
小麦粉を x g とおく
x : 30 = 4 : 1
x × 1 = 30 × 4
x = 120
答え:小麦粉 120g
実際の距離を x m とおく
5 : 200 = 12 : x
5x = 200 × 12
5x = 2400 → x = 480
答え:480m
- 比例式では、対応する量の順序をそろえる。
例:地図の長さ : 実際の距離 = 地図の長さ : 実際の距離。 - 同じ種類の量どうしを直接比べるときは、単位をそろえてから比をとる。
- 「a : b」と「c : d」は 対応する量どうしの比であることを確認。
例:(小麦粉) : (砂糖) = (小麦粉) : (砂糖) になっているか。
この章でつまずきやすいところ
比例式は「外側どうし、内側どうしをかけて等しい」という1つのルールで解けますが、本文を読んでいる途中で「どっちが外項?」「どっちを先に書く?」と迷う場面が出てきます。読みながら手が止まりやすいポイントを、迷いの瞬間ごとに整理します。
外項と内項の位置を取り違えてしまう
- つまずく場面:「2:3 = x:9」という式を見て、外項の積を作ろうとした瞬間、どれが外側でどれが内側か分からなくなる。本文では「外項:式の外側/内項:式の内側」とあるが、x を式の中で動かして見ているうちに位置感覚があやふやになる。
- 克服のコツ:位置関係で覚えるのがコツ。a:b = c:d と書いたとき、両端にいる a と d が外項、真ん中に挟まれた b と c が内項。式を縦に書き直して「いちばん外」「いちばん内」と指で押さえると、xがどこにあっても迷わなくなる。
- ミニ例:2:3 = x:9 なら、外項は 2 と 9、内項は 3 と x。だから 2×9 = 3×x で 18 = 3x、x = 6。「2×3 = 9x」と書いたら位置が逆になっているサイン。
対応する量の順序を途中で入れ替えてしまう
- つまずく場面:レシピや地図の文章題を読みながら式を立てる途中で、「小麦粉:砂糖 = 4:1」と書いた直後に、求めたい x の側を「砂糖:小麦粉」の順で書いてしまい、左右で順序がねじれる。本文を読んでいる最中はどちらが先か曖昧になりやすい。
- 克服のコツ:左右で同じ順序にそろえるのがコツ。式を書く前に「左に書く量」と「右に書く量」を紙の端にメモしておく。比例式は左の比と右の比で、対応する位置が同じ種類の量でなければならない、と本文も明示している。
- ミニ例:小麦粉 x g、砂糖 30g、比が小麦粉:砂糖 = 4:1 のとき、左も右も「小麦粉:砂糖」の順で x:30 = 4:1 と書く。30:x = 4:1 と書いた瞬間に順序が崩れているので止まる。
単位の違う量をそのまま比に入れてしまう
- つまずく場面:地図の文章題で「実際の距離 200m は地図上で 5cm」と読んで、5:200 = 12:x と式を作ろうとした途中、片方が cm、片方が m のまま比に入れていることに気づかず進めてしまう。本文の「単位をそろえる」という一文を流し読みしてしまう場面。
- 克服のコツ:比に入れる前に必ず同じ単位にそろえるのがコツ。比は「同じものさしで測った数どうし」でしか成り立たないので、cm と m が混ざっていたら、どちらかに換算してから式を立てる。例えば 200m は 20000cm に直してから比を作ると、左右とも cm どうしの比になって安全。
- ミニ例:「地図上 5cm が実際 200m、地図上 12cm は実際 x m」なら、まず200m を 20000cm に換算し、5:20000 = 12:y(y は実際の距離を cm で表したもの)と同じ単位どうしで立式する。5y = 20000×12 で y = 48000cm、これを m に戻して x = 480m。cm と m を混ぜたまま 5:200 = 12:x と書いた瞬間に止まるのが正解。
カッコ付きの比例式で分配を忘れてしまう
- つまずく場面:本文の例3「(x+1):6 = 2:3」を読んでいる途中、外項の積を作るところで 3(x+1) = 12 と書いたあと、つい 3x+1 = 12 と分配を忘れて進めてしまう。比例式の形に気を取られて、カッコの中の処理が後回しになりやすい。
- 克服のコツ:時系列で手順を固定するのがコツ。①外項の積=内項の積で等式を作る → ②カッコを分配で外す → ③移項して x を求める、と必ず3ステップに分けて書く。一気に頭の中で処理しないことで、分配のし忘れを防げる。
- ミニ例:(x+1):6 = 2:3 なら、外項は (x+1) と 3 なので、外項の積は並び順どおり (x+1)×3。かけ算は順序を入れ替えてよいので、これは 3(x+1) と書いても同じ。内項の積は 6×2 = 12 だから、まとめて 3(x+1) = 12。次に分配して 3x + 3 = 12、最後に 3x = 9、x = 3。「3x+1 = 12」と書いたら分配漏れのサイン。
練習問題
- x : 5 = 6 : 10
- 2 : 3 = 8 : x
- x : 4 = 9 : 12
答えを見る
(1) 10x = 30 → x = 3
(2) 2x = 24 → x = 12
(3) 12x = 36 → x = 3
- (x − 2) : 3 = 5 : 1
- (x + 1) : 4 = 3 : 2
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(1) x − 2 = 15 → x = 17
(2) 2(x+1) = 12 → x+1 = 6 → x = 5
答えを見る
① 兄を x 枚とおく → 弟は (70 − x) 枚
② x : (70 − x) = 4 : 3
③ 3x = 4(70 − x) → 3x = 280 − 4x → 7x = 280 → x = 40
答え:兄40枚(弟30枚)
まとめ ── 3章のおさらい
- 比例式=2つの比が等しいことを表す式。a:b = c:d。
- 外項の積 = 内項の積(ad = bc)で解く。
- レシピ・地図・割合など、現実の問題でよく使われる。
- 3章の流れ:方程式とは → 等式の性質 → 移項 → いろいろな方程式 → 文章題 → 比例式。
- 次章「4章 比例と反比例」では、関数として比例の関係を学ぶ。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
地図の縮尺は比例式そのもの実生活
国土地理院の2万5千分の1地形図では、地図上の4cmが実際の1km(1000m)にあたります。「地図の長さ : 実際の長さ」が一定の比になっているので、比例式を立てれば地図から本当の距離を計算できます。
縮尺は『実際÷地図』で逆算できる発展
縮尺がわからない地図でも、実際の距離と地図上の距離を同じ単位(cm)にそろえて割れば、縮尺の分母が求められます。国土地理院は、実際787100cm・地図上15cmなら787100÷15で約5万2千分の1、と説明しています。比例式の『内項の積=外項の積』を逆に使った考え方です。
日本の国旗は縦横が2:3と法律で決まっている実生活
「国旗及び国歌に関する法律」では、日章旗の縦は横の3分の2、つまり縦:横=2:3と定められています。赤い丸(日章)の直径も縦の5分の3と比で決められており、どんな大きさの旗でも同じ形になります。
テレビ画面の16:9も比でできている実生活
今のテレビやハイビジョン映像は、横:縦=16:9のアスペクト比が国際標準になっています。画面の大きさが変わっても横と縦の比は一定なので、対角線の長さから縦横の長さを比例式で求めることもできます。
黄金比 a:b = b:(a+b)発展
黄金比は約1:1.618の比で、a:b=b:(a+b)という、比例式が入れ子になった特別な関係を持ちます。この比でできた長方形から正方形を切り取っても残りがまた同じ比になるため、美術や建築でバランスのよい形として古くから注目されてきました。
出典:ウィキペディア(黄金比)
